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ジュネーブショー2008 ランドローバー
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設立60周年記念モデルはブランドの歴史と現代をマッチング
ジュネーブショー2008 ランドローバー

デトロイトショーでアンベールしたコンセプトモデル「LRX」に加え、創立60周年記念モデル「ディフェンダーSVX」を発表したランドローバー。長い伝統を示しつつ新しいブランドイメージを展開。
[2008/03/17]

高級車購買層に向けられた新たなコンパクトSUV

デトロイトショーでワールドプレミアとして発表されたコンセプトモデル「LRX」がジュネーブショーでもお披露目された。「LRX」の目指しているものは、コンパクトな高級車である。サイズは、ランドローバー車の中で最も小型のフリーランダー2/LR2よりも全長が149mm短く、全高も205mmほど低い。そんなLRXをランドローバー社のデザインディレクターのGerry McGovern氏は、「ボンドストリートや5番街にも相応しいスタイルでありながら、オフロードへ行くのも尻込みしないランドローバー車」と紹介する。LRXは、「4×4の利点と大型車が持つ風格を、コンパクトにまとめて欲しい」と願っていた、高級車セグメントの購買層に向けて発信されているクルマなのである。

特長は、軽量素材の多様と、顧客の幅広い要望に応えられる広いカスタマイズ能力、先進的装備を採用したインテリア、そして後輪のみに作用する電気モーターを載せたハイブリッド車であることだ。

まず軽量素材の代表格であるカーボンを、脱着可能なルーフと前後アンダーボディプレートに採用した。ルーフのカラーはジュネーブショー用モデルはシルバーに塗られているが、ブラックのボディとシルバーのルーフのコントラストが冴える。ちなみにデトロイトショーで公開されたモデルはホワイトだったが、こうした部分的にカラーリングを変える趣向は、LRXの先進的デザインや存在感を強調する狙いだけでなく、多様な顧客ニーズへの対応能力が高いことも示唆している。カーボンの採用の他に、サイドとルーフのウインドウには、ガラスの代わりにポリカーボネイトが使われているほか、シートやインパネなどにも軽量化が図られた。

インテリアでは、リッチタンとダークチョコレートに染められたレザーをふんだんに使い、さらに各部の鏡面仕上げアルミニウムトリムとの組み合わせで、高級感が強調された。センターコンソールには、タッチ式スクリーンの大型ディスプレイが鎮座し、オーディオシステムはiPhoneと同期する機能を持っている。リアゲートにはiPodを接続出来るスピーカーシステムや、飲み物を入れたボトル冷却用スロットなど、先進的な快適装備が採用されている。McGovern氏は「一目見てランドローバー車だと分かる伝統的なデザインアイコンを継承したまま、最新の技術を盛り込むことに成功した」と語る。

後輪にのみ作用するハイブリッドシステム「ERAD」

LRXに採用されたハイブリッドシステムは、独自のElectric Rear Axle Drive(ERAD)である。この2Lターボディーゼルエンジンに組み合わされた電気モーター駆動システムは、他社の4×4ハイブリッドシステムとは異なり、後輪にしか作用しない。これは、必要がある時に後輪に最大トルクを提供することで、雪道や濡れた草地などといった悪路からの脱出を容易にするという考えに基づくもので、4×4車の特性をよく知っているランドローバー社の哲学から生み出されているものだ。

もちろん、32km/h(20mph)以下のスピードであれば、モーターだけの駆動力で走ることも可能だ。Integrated Starter-Generator(ISG)の働きにより、大きな出力が必要ないときにはエンジンは自動的に停止し、そして必要になると自動的に再始動される。LRXには駆動システムの根幹をなす「テレーン・レスポンス・システム」も搭載されているが、これは従来のGlass/Gravel/Snowの3つのモードに加えて、新しくECOとSportsのモードが選べるようになっている。このモード選択は、走行性能に影響を与えるのはもちろんだが、室内のムードランプの色も変更する。エコモードの時、室内はグリーンにムードアップされる。スポーツの時はレッド、そして他の場合にはブルーといった具合だ。

馬力その他のデータは公表されていないが、燃費性能は4.7L/100km(約21.3km/L)で、CO2排出量は120g/kmだという。

ランドローバー社60周年記念モデル・ディフェンダーSVX

ジュネーブショーではランドローバーの記念モデルとして、「ディフェンダーSVX」が発表されている。ディフェンダーは、1948年にランドローバー社が最初に生産した4×4車であり、当時の無骨なデザインを現在まで継承している、まさに「ランドローバー」らしさ溢れるモデルである。もともとランドローバーという名称は、現在は社名として使われているが、そもそも1991年までは、今はディフェンダーと呼ばれているこのモデルの車名であった。ディフェンダーは、同社の歴史の根幹をなすモデルなのだ。

レンジローバーを代表とする他のモデルが高級車として存在するのに対して、あくまでも性能重視の本格的4×4車であることがディフェンダー最大の特徴であるといえる。毎年25000台づつ世に送り出されているディフェンダーは、農作業から戦地での支援活動まで、全世界で幅広く愛用されている。

今回の60周年記念特別バージョンのディフェンダーSVXは、英国市場に向けてソフトトップバージョンとワゴンバージョン合わせて90台が生産されるが、その1台1台には、シリアルナンバーが刻印される。メタリックブラックに塗られたボディ、リデザインされたグリル周り、パイプ形状のサイドステップ、アルミホイール、アルミ製フロントアンダーシールド、クリアレンズ式ヘッドライト、LED式のバックランプおよびバックフォグランプなど。エクステリアはディフェンダーらしい無骨ではあるが力強いイメージ。これとは対照的に、インテリアは特注のレカロ製シート、アルミ製シフトノブ、サブウーファーとUSBソケットを内蔵したオーディオ、iPod接続システム、そしてGPSナビゲーション採用など現代的だ。ランドローバー社は、「メタリックシルバーのロールバーを備えたソフトトップタイプが、より特長的なデザインになっています」とアピールする。

ディフェンダーSVXは、英国市場に向けて最大で300台が生産される予定で、全世界では合計1800台を予測しているという。デリバリースケジュールは、初夏にソフトトップモデルが、秋口にワゴンモデルの納車が計画されており、価格は30,495英ポンド(約604万円)からとなる。

ランドローバー社は創業以来、株主やオーナーが目まぐるしく変わる歴史を歩んできた。創業60周年を記念する今年、現在のオーナーであるフォードから、インドのタタ社に移譲される予定だ。再び新オーナーの元で歩みを始めるランドローバーの今後はどのようなものになるのか、興味深い。

Report:染谷英一郎
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