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コンセプトカー101EXの市販車を発表
ジュネーブショー2008 ロールスロイス

新型車ファントムクーペをアンベールしたロールスロイスはショーファードリブンからの脱却を図った。チェアマンのIan Robertson氏はさらに新型車RR4についてコメントしたが、RR4には新エンジンが搭載されるという。
[2008/03/13]

ドライバー指向を強めたロールスロイス

 「ロールスロイスはショーファードリブン。ドライビングカーはベントレー」という定説は、2003年に両ブランドの資本が完全に分離(ロールスロイスはBMW傘下、ベントレーはフォルクスワーゲン傘下)して以降、覆されていた。米国やロシア、中国などの好景気によって富裕層が多く生まれたこともあり、自動車の最高級ブランドであるロールスロイスを、自ら運転して楽しみたいという要望が増加していたのである。この傾向を受け、ロールスロイス社は究極のドライビングカーとも言うべきコンセプトカー「101EX」を2006年のジュネーブショーで発表していたが、その市販バージョンとなるファントムクーペを、同じここ、ジュネーブショーでアンベールしたのだ。

ロールスロイス社のチーフデザイナーのIan Cameron氏によれば、ファントムクーペは既存のファントムサルーンやドロップヘッドクーペ(カブリオレ)をベースにしているものの、そのキャラクターは別物で、「ファントムクーペの乗り味は、これまでのファントム以上に乗り手にダイナミックフィールを感じさせるもの」という。

ファントムクーペには、ドロップヘッドクーペと同様のオールアルミニウム製サブフレームが採用された。これは「ロールスロイス史上もっとも剛性の高いシャシ(Robertson氏談)」であるという。すべてが手作りされる同社にあって、このフレームを作製するには、職人が合計で実に130m以上に渡る溶接作業を行う。この軽量かつ高剛性フレームの採用の他、ホイールベースをファントムサルーンに比べて250mm短縮し、前後の重量配分を49:51にしたことで、基本の運動性能が高められた。さらにパワーステアリングをサーボトロニックにして、ステアリングフィールも向上させているという。

エンジンは、6.8LのV型12気筒で、338kWの出力と720Nmのトルクにより、総重量2590kgのボディを軽々と押しだし、0-100km/h加速5.8秒、最高速250km/h(リミッター作動)というスポーツカー並のパフォーマンスを実現するという。

エクステリアは、切り立ったパルテノン神殿をモチーフとしたラジエターグリルや、伝統的なマスコットを採用。こうした古くからのロールスロイスの伝統はそのまま継承しながらも、ヘッドライトにはLEDとプロジェクターランプを採用して、近代感とプライベート感を演出する。後席へのアクセスを容易にするリアヒンジ式ドアも含め、ドロップヘッドクーペに似た手法が採られた。しかし一方では、ボディ後部の構造は大きく変化させている。トランクスペースが拡大され、ファントムクーペではゴルフバッグを4つ収納することが出来る。さらに、燃料タンク容量が25%増加し、航続距離は600km以上になった。

各国の好景気を受けて業績好調のロールスロイス社が開発中の新型車とは?

Robertson氏によれば、同社の昨年の販売実績は1010台と、2006年に比べて25%増加したという。依然として北米市場が好調で、ファントム全体の4割を占める売れ行きだという。その牽引役となったのは、ファントムドロップクーペで、同モデルのオーダーリストは既に今年生産分が埋まり、来年生産分にまで達しているというから驚きだ。

同氏はさらに、今回発表されたばかりのファントムクーペにも既にバックオーダーが存在していることを明らかにした。注文は、昨年のコンセプトカー101EXの市販車バージョンの製作を発表すると同時に入り始めたという。このオーダーの内、3分の2の顧客がロールスロイスを初めて購入する人々だということで、「ドロップヘッドクーペが広げてくれた顧客層を、さらにクーペが伸ばしてくれていることは非常に嬉しい」と同氏は語っている。

このような好調を受けて、ロールスロイス社は新型車を開発しており、その発売は2010年が予定されているという。その内容についてRobertson氏は、「もしかしたら皆さんは、数週間前に発売された雑誌のスクープ写真でその姿をご覧になったかも知れませんが、新型車の名前はRR4です。このモデルに向けて我々は、まったく新しいエンジンを開発しています。ファントムは既に最高級車のセグメントにおいて最も高性能なクルマですが、新開発のエンジンは、さらなる高性能を実現するでしょう」とコメントした。

Report:染谷英一郎
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