フォルクスワーゲンは、全長3.5mを切る4人乗りのコンパクトなコンセプトモデル「UP!」をフランクフルトショーで発表。リアにエンジンを搭載する革新的なパッケージが特徴だ。
現代版ビートル?リアエンジンから生まれる新たなパッケージ
プレスデイの初日、11時からに行われたフォルクスワーゲンのプレスコンファレンスには、さすがに地元ドイツメーカーだけあって、広大なブースを埋め尽くすほど大勢の報道陣が訪れた。そんななか同社が提案する新たなコンセプトを引っさげて登場したのがこの「フォルクスワーゲン UP! コンセプト」だ。
今回のフランクフルトショーでは、トヨタが斬新なパッケージを持つスモールコンセプトカーをワールドデビューさせていたが、まるでそれに対抗するかのように同じタイミングで、フォルクスワーゲンからもスモールコンセプトカーが発表された。このことは現在大きな問題ともなっている都市交通のインフラや迫り来る環境問題を解決するとともに、そしてロシアや南米、中国といった新たな市場を開拓する意味も込められているようだ。
フォルクスワーゲンでは、大人4人が乗れ、大きな荷物も積載可能、そして優れた環境性能とファンなスタイルなど、現代のクルマに必要とされる様々な要求を突き詰めた結果、たどり着いたのが奇しくも同社の原点ともいえるリアエンジンというパッケージ、ということのようだ。それはカタチこそ異なるものの、まさに現代版ビートルのそれと同様である。
全長は3.45mとルポよりも75mm短いが、大人4人が乗車できるスペースを確保したほか、運転席以外のシートは全て折りたたみと取り外しが可能。またシートは軽量シェルとなっているので、それらをトランクに収納することで、かさばる荷物も積載できるという。
エクステリアでは、全幅1.63mに対し1.42mというトレッドで、ワイド感のあるスタイルを実現。フロントにはエンジンがないことから、ラジエターグリルを配置する必要がなく、そのためフォルクスワーゲン車の特徴である「ハッピーフェイス」を構成するスムーズなバンパーとブラックのストライプが与えられている。操作系には、新たに近接センサー技術を採用。これによりナビやラジオ、トリップコンピューター、エアコンなどを、直感的にコントロールすることが可能となっているという。
このフォルクスワーゲンの将来を見据えるために提案されたコンセプトカー「UP!」。技術担当役員であるDr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏が「フォルクスワーゲンにとってフランクフルト・モーターショーを訪れる人の反応は、このコンセプトカーがかつてのビートル、現在のゴルフに匹敵するポテンシャルを見極めるためのテストとなる」と述べているように、その反響いかんでは市場投入も充分にあり得るであろう。
Report:相澤隆之
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