ビー・エム・ダブリュー550i

BMW 550i

4.8リッターエンジンを得てより速く、より快適に。

ゲット・ザ・モア・ファン!

5シリーズのV8エンジン・ラインナップが一新された。
4.4リッターエンジンを搭載する545iがラインナップから落ちて、4リッター搭載の540iと、4.8リッター搭載の550iが新たに設定されたのだ。早速、旗艦の550iに試乗、その進化と洗練ぶりを堪能した。


リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|宮門秀行|H.Miyakado


ますます洗練を極め一躍クラスのベンチマークへ


 マグネシウムブロックを用いた直列6気筒を登場させ、エンジンラインナップの刷新をひと通り終えたかに思えたBMWだが、どっこい彼らに手綱を緩めるつもりなどないらしい。今回、彼らが手をつけたのはV型8気筒。従来545iに積まれていた排気量4398ccのユニットに代わって、5シリーズには新たに3999ccの540i、そして4798ccの550iが設定されたのである。
  今回試乗したのは、そのうちの550i。最高出力367ps/最大トルク50.0kg-mというスペックは、545iに34ps/4.1kg-m増しである。ちなみに540iは、最高出力306ps/最大トルク39.8kg-mとなっている。
  早速それを味わうべく、エンジンを掛けようとして変更点に気がついた。キーが3シリーズなど他のモデルと同じスロット式となり、エンジンの始動/停止はプッシュボタン式へと改められていたのである。ちなみにスロットの位置は従来通りのステアリングコラム外側で、プッシュボタンはその脇にある。操作性は良好だ。
  走り出してすぐに感じたのは、545iよりも低速域の厚みが増していることである。右足のわずかな動きにも即応して車体をスッと前へと進めるこの力強さは、排気量拡大の恩恵をストレートに感じるところだが、好印象を抱いた要因は、どうやらそれだけではなさそう。エンジンフィーリング自体、従来よりもザラつきのないスムーズなものとなり、またピックアップも確実に良くなっている。この辺りにも、改良が効いているようなのだ。
  率直に言ってこれまでBMWのV型8気筒は、きわめて高く評価されている直列6気筒や直列4気筒の陰に隠れがちという感があった。しかし、この新エンジンは、絶対性能の面でもフィーリングの面でも、一躍クラスのベンチマークに躍り出た感がある。ちょうどメルセデス・ベンツも、Sクラスで4バルブDOHCに回帰した新しいV型8気筒エンジンをデビューさせた。おそらくそれは、遠からずEクラスにも搭載されることだろう。その対決は、なかなか興味深いものとなりそうだ。
  変更箇所は、他にも多岐に渡る。ボディ&インテリアカラーの見直し、7シリーズと同じくトップ部分をレザー張りとしたiDriveコントローラーの採用、盗難警報装置の標準装備化、DSCの雨天時のブレーキドライ機能や急制動に備えてパッドとディスクの間を詰めるブレーキスタンバイ機能を備えた拡張機能付きへの進化等が、その主なところである。
  また、そうした目に見えるところ以外にも、そこかしこで進化・熟成が図られているようで、乗り味は全体に良い意味でしなやかさを増しているように感じられた。特にアクティブステアリングの手応えが、またも洗練されたのは朗報。もはや改めて言わない限り、そういうステアリングが付いているんだと気付かないまま終わる人もいるかもしれないぐらい、その操舵感が自然なのだ。
  そんなわけで、ますます完成度を高めた5シリーズに、もはやほとんど死角はないというのが僕の評価だが、だからこそひとつだけ要望がある。せっかくこれだけ魅力的なV型8気筒エンジンを得たのだから、是非これをツーリングにも設定してほしいと思うのだ。メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴンに較べるとユーザー年齢層が若く、ゆえにV型8気筒のニーズは少ないというのがBMWジャパンの見解だが、アウディA6アバントだってV型8気筒を設定しているのだし、何より商品力としては十分、それらに対抗できるのは間違いないのだから。今まさに勢いに乗っているBMWだけに、今は勝負を仕掛けるのに絶好の時ではないだろうか。
 


排気量アップに伴い、エンジンそのもののフィーリングが向上し、同時に全体的な走りの質感もアップしている。特にアクティブステアリングの洗練ぶりが顕著で、もはや直進にも気を使った登場時のような違和感は一切感じない。
エンジンカバーがニューデザインとなっていることからも、V8エンジンが新しくなったことは一目瞭然。BMWお得意のバルブトロニックやダブルVANOS等を搭載し、4.8リッターV8DOHCは367ps/6300spm、50kg-m/3400rpmを発生する。
インパネデザインに変更はないが、インテリアカラーが見直され、iDriveコントローラーの上部がレザー張りになるなど、細かな変更も加えられている。また、エンジンスタートは最新BMWモードのプッシュボタン式へと改められた。
550iに標準で装備されるフロント・コンフォート・シートは、シートクッションの長さと、バックレスト上部の角度および幅を調節できる機能を追加、ランバーサポートも装備している。
540iと550iに標準装備される18インチのスタースポーク・スタイリング123アロイホイール。ランフラット・タイヤのサイズは245/40R18となる。
Specification
BMW 550i
■全長/全幅/全高(mm)
4855/1845/1470
■ホイールベース(mm)
2890
■トレッド(前/後)(mm)
1560/1580
■車両重量(kg)
1810
■エンジン型式/種類
N62B48B/V8DOHC32V
■排気量(cc)
4798
■最高出力(ps(kW)/rpm)
367(270)/6300
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
50.0(490)/3400
■トランスミッション
6AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
インテグラルアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
245/40R18(8J)
■東京標準現金価格
¥9,600,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。

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