#4 TOP-END-SALLONS

ジャガー・スーパーV8 L

JAGUAR SUPER V8 L

アウディA8 L 6.0クワトロ
AUDI A8 L 6.0 QUATTRO

キーワードは“エクスクルーシブ”

ハイテクを包み込む伝統と文化。

ドイツのプレミアムブランドのなかでも、“機械信仰”という点で、アウディの右に出る者はいない。クワトロ・システムやアルミボディなどにより常に時代をリードし、自らのブランドアイデンティティを築き上げてきた。しかし、英国独自の厳然たる階級社会で磨き込まれてきたジャガーは、生まれながらにしてエクスクルーシブな存在。ハイテクだけでは語れない価値がそこにはある。

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|郡 大二郎|D.Kori


クラシックとモダン


 このクラスのサルーンにとって、プレミアム性の高さはもはや必要不可欠な要素となった。今や市場はそれだけでは満足せず、エクスクルーシブ性の高さを求める時代に入ったのではないだろうか。プレミアムと同様に、エクスクルーシブという言葉に適切な日本語訳を与えるのは難しいが、排他的という直訳から「人とは違う」といった意味が導き出せる。
  ドイツ車は、まさにそのための取り組みを開始している。メルセデス・ベンツはデジーノ、BMWはインディビデュアルという特別な仕上げを施したモデルを投入して、標準モデルでは満足しない人の期待に応えている。アウディは、A8の場合はそもそも販売台数がまだ少ないので、結果としてエクスクルーシブ性は高くなる。
  それに対し、キャラクター的にいってもエクスクルーシブ性が高いのがジャガーだ。本国では、ジャガーはまさに特別なブランドとして位置づけられ、経済的な余裕とは関係なく、社会的にジャガーがふさわしいステイタスと、そうではないステイタスが暗黙のうちに存在しているという。
  日本ではそうしたステイタスは明らかにされていないが、ジャガーというブランドのノーブルなイメージは、伝統的な背景もあり十分に確立されている。ジャガー自らも、そうしたイメージを巧みに利用している。そのイメージ一色で塗りつぶされてしまうことは避けようとしているはずだが、このスーパーV8のエクステリアを見ても、ノーブルなイメージと直接結び付くクラシカルかつエレガントなムードを大切にしていることがよく分かる。
  インテリアについても同様だ。インスツルメントパネルの平面的なデザイン、小さめのメーター、細いセレクターレバーなど、機能が犠牲にならない範囲で見事に独特のムードを醸し出している。さらに、クローム部はあくまでもキラキラと輝き、ウッドパネルはツヤツヤの光沢を帯びている。
  この点、アウディA8は違う。エクスクルーシブ性は高くても、クラシカルではなくモダンなムードを演出している。クローム類にもアルミニウムを用いるなどシブめの輝きを示し、その素材感を明らかにしながらAFS(アウディ・スペース・フレーム)などのハイテクノロジーを表現している。
  走りにおいても、ハイテクノロジーぶりを実感させてくれる。今回の試乗車となったA8 L6.0クワトロは、W型12気筒6リッターエンジンを搭載。それは、日常的な場面で圧倒的な静粛性を実現し、吹け上がりの滑らかさについても文句のつけようがない。それでいて非日常的な場面では、アクセルを踏み込むとエンジンは途端に存在感をアピールする。もちろん、スポーツサルーンと呼べる速さも実感できる。
  ハンドリングも、高度に電子制御されたサスペンションとクワトロなどのハイテクノロジーに裏付けられ、微少舵角から優れた精度を獲得し、前後のロールバランスも最適化されている。ステアリングの手応えそのものが単調な点は気になるが、だからといってそれがスタビリティを損なうような印象に結び付くことはなかった。
  実は、ジャガーもイメージやムードからは想像できないが、ハイテクノロジーを極めている。試乗車となったスーパーV8 Lは、V型8気筒4.2リッターエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせている。ボディはA8と同様にオールアルミニウム製だ。
  しかも、アクセルを踏むと迫力あるエンジン音を響かせつつ豪快に加速する。ハンドリングも、ロングボディ仕様だったにもかかわらず、ステアリング操作に対して意外なほど軽快な応答性を楽しませてくれた。ジャガーにとって、スポーティなイメージも見逃せないことを改めて実感させられた。
 

JAGUAR SUPER V8 L

前後どちらに収まってもならではの味わいが
標準ボディに対してホイールベースが125mm延長される、XJシリーズのストレッチバージョンの旗艦。心臓部はシリーズきってのスポーティモデル、XJRと同じ4.2リッターV8スーパーチャージャーで、1810kgのアルミボディを意のままに走らせる。当然ながら、後席のアメニティはきわめて充実しており、電動リクライニング&ランバーサポート、前席ヘッドレストに埋め込まれるデュアル6.5インチディスプレイ+DVDプレーヤー、ビジネストレイ、ブラインドなどが標準装備となる。

Specification
■全長×全幅×全高=5215×1900×1455mm
■ホイールベース=3160mm ■車両重量=1810kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+スーパーチャージャー/4196cc ■最高出力=406ps(298kW)/6100rpm
■最大トルク=56.0kg-m(553Nm)/3500rpm■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ=255/40R19
■東京標準現金価格=15,200,000円
■問い合わせ先=ジャガージャパン TEL:0120-050-689


AUDI A8 L 6.0 QUATTRO

ショーファーといえどもその身体能力はスポーツカー級
狭角V6ユニットを2基組み合わせた、VWグループ独自のW型12気筒を搭載するアウディの旗艦。ボディは同様にアルミ製で、0→100km/h加速は5.2秒とポルシェ911に匹敵する動力性能を発揮する。なお、こちらも標準ボディに対してホイールベースが130mm延ばされたストレッチ版で、後席はいうまでもなくファーストクラス仕様。シートは2+2が標準となり(オプションで5人乗りパッケージも有)、ベンチレーション付きの後席は各種機能を詰め込んだセンターコンソールで仕切られる。

Specification
■全長×全幅×全高=5185×1895×1450mm
■ホイールベース=3075mm ■車両重量=2100kg
■エンジン種類/排気量=W12DOHC48V/5998cc
■最高出力=450ps(331kW)/6200rpm
■最大トルク=59.1kg-m(580Nm)/4000rpm■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:トラペゾイタル
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ=255/45R18
■東京標準現金価格=16,600,000円
■問い合わせ先=アウディジャパン TEL:0120-598-106



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