#1 Luxury Sedan

メルセデス・ベンツEクラス

MERCEDES-BENZ E-CLASS

クライスラー300C
CHRYSLER 300C

同門に属する「大いなる定番」と「確信的反逆児」

セダンは“ちょいワル”くらいがいい。

ドイツ車と言われてまず頭に思い浮かべるのはメルセデス・ベンツ、特にラインナップの中核を成すEクラスのセダンではないだろうか。でもちょっと目先を変えてみたいというアナタには、いま世界中で大人気のクライスラー300Cがオススメだ。なにしろこの2台、同じメーカーのクルマなのだから!?

リポート|竹平 誠|M.Takehira フォト|宮門秀行|H.Miyakado


スタイリングだけでなく走りもマッシブそのもの


 近頃、クルマ好きの話題は300Cが旬だ。だいたい好き者の心をつかむクルマというのは3つほどパターンがある。まず「良いクルマ」、これは当然。次に「放っておけないクルマ」、つまり可愛いだの手が掛かるだのというアレだ。最後が極めつけで、「イケナイクルマ」というやつだ。300Cは、まさにそういう感じである。
  イケナイというのは、良くないという意味じゃない。たとえばこういうこと。中、じゃなくて高校生の時なんかに大型バイクで街に出掛けたとしよう。同級生の女の子なんかにそれを見とがめられて、「イケナイんだ〜。言いつけてやろ」と言われるような場合の“イケナイ”ってニュアンスだ。つまりちょっと気持ちよさそうで、それがルール違反っぽくて、でも何だかカッコイイってことだ。
  ちょいワルオヤジというのがもてはやされているが、クルマでいえば300Cがまさにそれ。「来るなら来い」の強烈HEMIパワーと魅惑のストリートロッド・テイストは、イケナイ香りがプンプン。まぁ、このチョップドルーフにボブテイルをフィーチャーしたソープボックス(石鹸箱)スタイルなんていう、挑発的なデザインにヤられないようでは男じゃない。
  のっけから脱線したが、そろそろ本題に入ろう。誰もが知るように、メルセデスEクラスはプレミアムセダンの保守本流というか、押しも押されもせぬ良いクルマの大定番だ。いつだって滑らかに走り、快適に遠出もこなす。先進的なセンソトロニックブレーキや洗練された操縦安定性など、技術的にも高得点の優等生だ。そのステイタスの高さも、フォーマルな場所に乗りつける機会の多いユーザーにとっては重要なポイントだろう。またスピード階級社会の貴族出身だから、多忙なオーナーのビジネス特急としての資質も疑う余地がない。ファーストカーに良いクルマを選ぶなら、まずEクラスは外せない選択肢だ。
  Eクラスから300Cに乗り替えると、同じセダンでありながらこうも印象が違うものかと驚く。Eクラスを絶好の視界、快適なドライビングポジションとすれば、300Cは視界の天地が狭く、低く深く座るというホットロッド・スタイルで、ポジションからしてアドレナリン誘発体勢。ポジションの違いは、走り始めると一層際立つ。コーナーでは横Gを受け流すかのようなEクラスに対し、300Cはリアのグリップを尻にダイレクトに伝えるかのようなスポーティさが身上だ。
  コーナリングはコンチのプレミアムコンタクトを履くEクラスと、ピレリP7を履く300Cだから最初から勝負にはならないが、あえてフィーリングで対決させるなら、お馴染みEクラスのナチュラルさは当然素晴らしいが、300Cのダイレクトな操舵感とスタビの効いたフラットな踏ん張りぶりが心地良さで一枚上手というところ。まぁ、こうやって300Cを褒めておきながら「帰りはどっちに乗ります?」と聞かれ、迷わずEクラスと答えてしまったことも告白しておこう。300Cはスタビががっちり効いていて、悪い路面ではヘッドトスを意識させられるのだ。こういうイケイケ風は趣味的には好きだが、疲れたときにあまり選びたいものではない。
  ちょっと弱気も出たが、打てば響く(というか一触即発の)HEMIパワーと反骨精神を感じられる「ちょいワルルック」はやっぱり魅力的。熱烈なブランド信奉者はともかく、移り気な王様(消費者)としては、おいしいご馳走だって食べ飽きちゃうことを再認識した。定番ラグジャリーセダンも同じ、アイツもコイツも乗ってるクルマじゃ芸がないと思うのだ。セダン選びに悩むアナタ、一度300Cに全開をくれてみれば、ちょっと世の中変わるかも、です。
 

CHRYSLER 300C 5.7 HEMI

最新の2006年モデルは右ハンドル仕様に
'04年にデビューした300C。クライスラーのセダンとしては久々のFRで、シャシーは先代Eクラスがベース……という噂もあるが、実はオリジナル。ラインナップは試乗車の5.7リッターV8HEMIのほか、3.5リッターV6も用意。ちなみにHEMIとは半球形(ヘミスフェリカル)燃焼室のことで、'50年代の革新的技術のひとつ。クライスラーの高性能ユニットに与えられる伝説の称号が復活したというわけだ。

Specification
■全長×全幅×全高=5010×1890×1490mm
■ホイールベース=3050mm ■車両重量=1860kg
■エンジン種類/排気量=V8OHV16V/5654cc
■最高出力=340ps(250kW)/5000rpm
■最大トルク=53.5kg-m(525Nm)/4000rpm
■トランスミッション=5AT
■サスペンション(F:R)=ウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=225/60R18
■東京標準現金価格=6,111,000円
(ダイムラー・クライスラー日本 TEL:0120-712-812)

MERCEDES-BENZ E350 AVANTGARDE

デビューから4年を迎えそろそろ完熟の領域に
'02年に登場したW211型Eクラスは、昨年主力エンジンを3バルブの3.2リッターV6から4バルブの3.5リッターV6に変更。同時に7速ATを搭載し、スムーズな走りに磨きをかけた。誰もが安全かつ快適に移動でき、時にドライビングを楽しむ。そんな万能ぶりが幅広い層から支持される理由だろう。ラインナップはほかに4WDのE350 4マチック、3リッターV6のE280、5リッターV8のE500、5.5リッターV8スーパーチャージャーのE55AMGがある。

Specification
■全長×全幅×全高=4820×1820×1435mm
■ホイールベース=2855mm ■車両重量=1690kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3497cc
■最高出力=272ps(200kW)/6000rpm
■最大トルク=35.7kg-m(350Nm)/2400-5000rpm
■トランスミッション=7AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=225/55R16
■東京標準現金価格=8,085,000円
(ダイムラー・クライスラー日本 TEL:0120-190-610)
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