#2 Compact Hatch Part.1

ビー・エム・ダブリュー 1シリーズ

BMW 1 SERIES

シトロエンC4クーペ
CITROEN C4 COUPE

ドイツ的アプローチでは解析不能なC4の境地とは?

得も言われぬ世界にハマれ。

クラス唯一のFRレイアウトと、それに起因する個性的プロポーション――。走って楽しいスペシャルティハッチとして、1シリーズは理想のひとつに違いない。でも、同等の歓びはFFでも手に入る。その筆頭格としてオススメしたいのがこのクルマだ。

リポート|石井昌道|M.Ishii フォト|高橋信宏|N.Takahashi


操る楽しさではFRのBMW相手でも互角以上


 百花繚乱のCセグメントの中でも、ドライビングが楽しめるスペシャリティの代表格といえばBMW1シリーズだろう。何しろ、このクラスで唯一のFR。スペース効率を優先しがちなコンパクトカーであっても「駆け抜ける歓び」というフィロソフィを貫き通すためには、BMWがこだわり続ける駆動方式を変えるつもりなどサラサラないとみえる。確かに乗ってみればナチュラルなステアフィールや姿勢作りの自由度など、FRならではの味わいが濃厚だ。
  だがちょっと待って欲しい。FFすべての運転がつまらないと決めつけるのは、あまりに了見が狭いってもんだ。駆動方式にかかわらず、いいモノはいい。フロントが操舵と駆動の両方を受け持つからこそ、タイヤの縦と横のグリップ状況をシビアに見極める必要があり、それを上手くコントロールできたときの征服感は格別。FFにはFFの、また違ったドライビングプレジャーがあるのだ。
  そんなFFドライビングの醍醐味を味わえる筆頭が、シトロエンC4だ。VWゴルフGTIも文句の付けようがないぐらいに良くできてはいるが、それを上回るほどのステアレスポンスを持つうえ、2ドアモデルならばスペシャリティ色という点も一段と濃ゆい。
  今回改めて試乗したのは、1シリーズが中間グレードの118i、C4がスポーティにして最上級モデルでもある2.0VTSとなる。1シリーズは先行して上陸した120iが初試乗であったが、あのときは誰もが口を揃えて「硬い」と言ったもんだった。確かに、コンパクトなBMWというイメージからはかけ離れた重厚感と、ウネリのある路面で上下に揺さぶられる感覚には少々戸惑いを覚えた記憶がある。ところが、今回乗った118iは不快な点がほぼ払拭されているのだ。いい意味で重厚な面は残しながら、バネ下をしっかり制御しているダンピング感があり、綺麗なストロークを見せる。もちろん、コーナリング性能は相変わらず抜群。どっしりとした接地性と、ステアリングやスロットルで姿勢を制御できる楽しみは質のいいFRのそれだ。
  ただし、ワインディングを駆け回るには、いかに6速といえどもATはもどかしい。ステップトロニックでマニュアル操作をしていても、レブリミットに達すれば勝手にシフトアップしてしまうし、その直後は結構スピードを落とさないとなかなかシフトダウンを許してくれない。まあこれは一般的部類であるのだが、なにせC4がMTだったもので操る楽しみの差がハッキリ現れてしまったのだ。
  当たり前だが、MTでワインディングを走るとボルテージの上がり方が違う。ドライバーの眼前にあるC4の液晶デジタル・タコメーターは、レブリミットに近づくと赤く光るのもまたいい。エンジンも、VTS用は回せば回すほど力が漲ってくるタイプでつい高回転を多用したくなってしまう。
  サスペンションは、小さな入力域ではある程度の柔らかさがありスルっと沈み込み始めるが、奥にいくほど粘りを増してロールを効果的に抑えてくれる。その動きはすべてが自然。だから、どのタイヤにどれぐらい荷重をかけたいのかドライバーの意志を忠実に伝えることができる。素早く向きを変えるアクションを起こせば、ノーズは鋭くインを向く。その際、テールがまったり流れることもあるがコントローラブルだし、なんなら優秀なESPのお世話になればいい話だ。例のリム部だけが動くステアリングは、抜群のフィール。しかも、不自然にトルクステアを抑え込むような真似はしておらず、きっちりとインフォメーションを伝えてくれるのも美点だ。
  それにしても、ドアを閉めたときの音などから察するに、剛性はやはりドイツ車に敵わないと思われるのに、なぜC4の走りがこんなにイイのか不思議だ。おそらく、ボディにサス、それに関節部分などクルマが動いているときの剛性バランスの採り方にシトロエンならではのテクニックがあるのだろう。この、得も言われぬ絶妙なハーモニー、1シリーズよりもむしろ感嘆させらる部分がある。ガッチリ系ドイツ車ばかりが、走りの王様というわけではないのだ。
 

BMW 118i

これこそまさにドライビングプレジャーの「模範解答」
短いフロントのオーバーハングや長いホイールベース、そしてボディ後半にマスが集中したグリーンハウス等、同クラスのライバルにない特異なプロポーションで独自性を主張するBMW 1シリーズ。今回、取材に連れ出したのは中堅グレードの118i。パワーユニットは2リッターDOHCで、これに6速ATを組み合わせる。他に、よりハイチューンな2リッターを載せる120iと1.6リッターの116i、そして3リッター直6という「番外編」の130iをラインナップするが、上質なFRテイストが楽しめる点はいずれも同じ。

Specification
■全長×全幅×全高=4227×1751×1430mm
■ホイールベース=2660mm ■車両重量=1335kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1995cc
■最高出力=129ps(95kW)/5750rpm
■最大トルク=18.4kg-m(180Nm)/3250rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク ■タイヤサイズ=205/55R16
■東京標準現金価格=3,290,000円(BMWジャパン TEL:0120-55-3578)


CITROEN C4 2.0 VTS

復活を遂げたシトロエン・ワールドの第一弾!
フロントマスクこそ共通だが、3ドアのクーペと5ドアではまったくテイストが異なるボディデザインを与えるという「奇策」でも話題を呼んだシトロエンの主力。センターパッドが固定式となるステアリングや、透過光式のデジタルスピードメーター等、スペシャルティ濃度の高い個性的なインテリアもウリ。日本仕様は、クーペが1.6リッター搭載のATモデルと2リッターDOHCに5MTを組み合わせた今回のVTSという2グレード構成。5ドアは、1.6リッターと2リッターのAT仕様がラインナップされる。

Specification
■全長×全幅×全高=4275×1775×1480mm
■ホイールベース=2610mm ■車両重量=1330kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1997cc
■最高出力=180ps(130kW)/7000rpm
■最大トルク=21.0kg-m(202Nm)/4750rpm
■トランスミッション=5MT
■サスペンション(F:R)=ストラット:カップルドビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク ■タイヤサイズ=205/50ZR17
■東京標準現金価格=3,190,000円(シトロエン・ジャポン TEL:0120-55-4160)



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