

レクサスは本物か??

レクサス SC430
LEXUS SC430

ビー・エム・ダブリュー645Ci カブリオレ
BMW 645 Ci cabriolet

ラグジャリーオープンの
ベンチマークとして考える

パーソナルカーとしての性格が色濃いラグジャリーオープン。
ここでは、同一カテゴリーに身を置きながら、走りにこだわるヨーロッパ的価値観で作られた645Ciカブリオレと、あくまでラグジャリーを前面に押し出すSC430の世界観の違いを考察してみる。果たして、ベンチマークたり得るのはどちらか。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura フォト|宮門秀行|H.Miyakado

 
旧ソアラとの差は歴然のフルチェンジに近い進化

これまでなら、レクサスSC430の前身であるトヨタ・ソアラなど、BMW645Ciカブリオレから見れば取るに足らないどころか、ほとんど視野に入らない存在だった。でも今度は違う。レクサスに表札を掛け替えるマイナーチェンジと思いきや、フルモデルチェンジに近い変身を遂げてしまったのだ。
その進化を簡単に整理すると、まず脚が信じられないほど良くなった。もともとソアラはアリストのプラットフォーム姉妹で、そこに大きな開口部を持つオープン・ボディを組み合わせたため、どことなくドタバタする印象が拭えなかった。それがSC430になってみると、なんとまあ「まとも」になったことよ。特にランフラットタイヤ仕様だと、新旧の差が歴然とする。タイヤ自体が重く衝撃吸収力も少し低いという欠点が、今度のSCではほとんど気にならない。知らずに乗れば、普通タイヤとの違いがわからないかもしれない。
これは非常に大切なポイントだ。というのも、特徴的なメタル・リトラクタブル・ルーフを畳むと巨大な二枚貝のように嵩張ってトランクを占領するので、ほとんど荷物が入らないからだ。そこでスペア不要のランフラットが効く。SCのあらまほしき姿として、夫婦での小旅行なども考えられるが、その道すがらオープンを楽しむなら、ランフラット以外にない。
その裏には、見えない床下の入念な補強やダンパーのファインチューニングなどが潜むのだが、不思議なことにサスペンションの取り付け部などは特にいじくっていないらしい。ともあれソアラ改めレクサスSCは、これで現役寿命が大幅に延びた。
そんなSCは、えぐい真紅の総皮張りインテリアまで選べるなど、かなり日本離れしたセンスの高級オープンカーだが、あえてスポーツカー的な風味を強調していないところに、ゆとりあるライフスタイルのコスチュームとしての価値がある。持てる性能を引き出しきるのではなく、「そんなの知らんよ」的にのんびり流すのがスタイルだ。新しいのか古臭いのか簡単に決められず、好き嫌いがはっきり分かれるデザインも、そんな雰囲気と妙に合う。
おもしろいことに、ロールス・コーニッシュなどの超弩級は別として、この価格クラスでこんな空気を湛えるオープンカーを探すと、ほかには該当するものがほとんどない。ヨーロッパ陣営は良くも悪くも真面目(?)で、贅沢な雰囲気を纏いながらも、やはり「走り」が前面に出る。その代表がメルセデスならSLであり、BMWなら645Ciカブリオレだろう。特に6シリーズは、ミドル級セダン5シリーズのパーソナルカー版という色合いが濃いだけに、あの感じをさらに磨き込んである。その上でキャンバストップのリアクォーターを複雑に折り返し、リアガラスだけ開閉させるなど贅沢なクラシック感覚も盛り込んであるが、一方インテリアは機能最優先でまとめてある。やはりBMWの技術的資産を活かすとなると、こうなるしかないのだろう。
ユーザー側が645Ciカブリオレを選ぶ理由も、おそらくそこにある。だから、ラグジャリーオープンと呼ばれながらも、レクサスSCとBMW645Ciは、互いにほとんど共通項がない。つまりヨーロッパ的な価値観から見れば、SCは「外し」ているのかもしれない。しかし、だからこそSCという選択もあり得るのではないか。もし本当にドライビングにこだわるなら、同じ6シリーズでもクーペが最適のはず。トヨタ譲りの細かい気配りを、ひときわ目立つコスチュームにまとめたレクサスSC430は、ニースやパームビーチあたりの海岸通りを所在なげに流したい人々に対する、かなりユニークな提案かもしれない。
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レクサスとなってからエンジンは4.3リッターV8に一本化、ミッションも5ATからクロスレシオの6ATに進化し、加速性能の向上と省燃費化の両立を実現。センターコンソールにはマークレビンソンのプレミアムサウンドシステムが鎮座する。タイヤは245/40R18サイズが標準、ランフラットタイヤはオプションとなる。

Specification
■全長×全幅×全高=4535×1825×1355mm
■ホイールベース=2620mm ■車両重量=1730kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V/4292cc
■最高出力=280ps(206kw)/5600rpm
■最大トルク=43.8kg-m(430Nm)/3400rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=Wウィッシュボーン:Wウィッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=245/40R18
■東京標準現金価格=6,800,000円


エンジンは4.4リッターV8DOHC32Vで333ps/45.9kg-mを発生、6ATとの組み合わせでクーペより200kg重いボディを加速させる。乗車定員は4名だが、後席はあくまでエマージェンシー用。シート地はダコタレザーを使用し、ブラック、シャトー、クリーム・ベージュから選択できる。前後異形ランフラットタイヤが標準装備。

Specification
■全長×全幅×全高=4830×1855×1360mm
■ホイールベース=2780mm ■車両重量=1940kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V/4398cc
■最高出力=333ps(245kw)/6100rpm
■最大トルク=45.9kg-m(450Nm)/3600rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:インテグラルアーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/45R18:275/40R18
■東京標準現金価格=11,182,500円
(BMWジャパン TEL:0120-55-3578)
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