

エンジン
Engine

エンジンを評価する。
排出ガス基準への対応が、燃費低減効果と
動力性能の向上をもたらしている。

クルマのキャラクターを決定づける上で、大きなウェイトを占めるエンジン。ひと口に2リッタープラスαといってもNAあり、過給器付きあり、V6ありとレイアウトは様々だ。
そんな個性派エンジン群を、萩原秀輝が一気に斬る!

 
出揃った感がある新世代エンジン

傾向として、エンジンはモデル2世代から3世代ごとに一新される。最近はそのタイミングが一致したのか、エンジンを一新したクルマが多い。主な目的は、厳しさを増す排出ガス浄化基準に対応するためだが、結果として燃費低減効果も生み出すエンジンもある。さらに、目的を広義の燃焼の高効率化によって達成しているために、動力性能も向上しているのだ。
なかでも注目できるのは、BMW独自の技術によりスロットルレス化を実現するバルブトロニックを備えたエンジンを搭載する320iだ。その効果で、アクセル操作に対する応答性は明らかに鋭く、中回転域のトルクも充実している。しかも、高回転域の伸びもよく、6000rpm台まで一気に吹け上がる。エンジン音も刺激的であり、力強さが際立っている。
メルセデス・ベンツC230Kは、1.8リッターエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせる。だが、その過給効果に頼っている感じはなく、吹け上がり感も自然だ。アクセル操作に対する素直な応答性を持っているから、排気量にゆとりのある自然吸気エンジンのようだ。ただ、十分な速さが得られる一方で刺激的とはいえない。
C230Kと対照的に、かなり刺激的なのがアウディA4の主力モデルといえる2.0TFSIだ。中回転域から加速に勢いが付き、迫力あるエンジンサウンドを響かせながら難なく6000rpm台に達する。ターボチャージャーの威力に加え、エンジンを回すことでパワーを稼ぐ快感も得られる。
パサート2.0のエンジンは、VW最新の仕様ではない。性能的にも、同行した10台のなかでは控えめだ。それだけに、こうしたクローズドコースでエンジンの性能をフルに引き出すと力強さが物足りない。だが、実用回転域の性能には不満がなく、穏やかな走りもいい意味の特徴になる。
フォード・モンデオGLXは、ボディサイズだけでいうとワンクラス上に位置づけられる。それを2リッターの4気筒エンジンで走らせるには負担が多そうだが、なかなかどうして。スタートの瞬間こそボディの重さを意識するが、中回転域からの加速は想像以上にパワフル。高回転域の伸びも鋭く、レブリミットの6500rpmを軽々ときわめる。ATを多段化すれば、この特性をもっと生かせるはずだ。
ジャガーXタイプ2.0は、実際には2.1リッターエンジンを搭載する。10台の中では唯一のV型6気筒となる。その吹け上がり感は緻密であり、ジャガーの上質な印象とマッチしている。そうしたエンジンの特徴を5速ATが効率的に引き出し、スタートの身軽さやシフトアップ時の加速の繋がりのよさに結び付いている。
ボルボS60 2.4は、2.4リッターの直列5気筒を積む。同じ排気量の140ps仕様と異なり、170ps仕様の同車は回転数でキッチリとパワーを稼ぐ設定となるだけに、高回転域の吹け上がりに勢いがある。5速ATはギア比が高めなので、加速にも伸びがある。
絶対的な速さでいえば、2リッターターボチャージャー付きエンジンを積むサーブ9-3スポーツセダン・エアロがベスト。3000rpm台から瞬時に6000rpm台に飛び込むような、豪快な加速が楽しめる。ただし、言葉を変えれば吹け上がりは荒々しい。
シトロエンC5は、ボディサイズが大柄であり、2リッターエンジンでは加速の力強さは期待できない。だが、中回転域からの吹け上がりが想像以上に軽快だ。ATは4速だが、トルクの伝達効率が高くモタつきは感じない。
プジョー407スポーツ2.2は、スタート時にATがほとんど滑らない。その分、力強さは実感しにくいが、動き出しがスッとしていてムダがなさそう。実用回転域のトルクを重視したエンジンの特性をATが巧みに生かし、走り出してしまえば余裕も得られる。
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320i |150ps/20.4 kg-m

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バルブトロニックに加え吸排気のバルブタイミングを連続可変制御するダブルVANOS、吸気系を可変制御するDISA、排気系はステンレス製のいわゆる“タコ足”とするなど、世界でもっとも贅沢な4気筒エンジンだ。 |

C230K |191ps/26.5 kg-m

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Cクラスの4気筒エンジンはすべてスーパーチャージャー付きとなり、その仕様は3タイプ。230はもっともパワフルな仕様となるがメルセデスらしく刺激よりも洗練度を優先。5速ATとの相性はよく制御もスムーズだ。 |

A4 2.0TFSI |200ps/28.5 kg-m

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直噴とターボチャージャーを組み合わせることで、環境性能と動力性能を高次元で両立させた最新ユニット。しかも吹け上がり感がスポーティでありサウンドも刺激的。トータルな実力の高さもクラストップレベルにある。 |

PASSAT 2.0 |116ps/17.5 kg-m

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市街地や高速巡航だけで評価をすれば、このエンジンの特徴を十分に引き出せたはず。ただ、4速ATの制御も時代を感じさせ、トルクコンバーターの滑りが大きい点も気になる。出番待ちの次期モデルに期待か。 |

MONDEO GLX |145ps/19.4 kg-m

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エンジンはモンデオに搭載された段階で新開発されているので実力はかなり高い。ただ、ミッションが4速ATなのでその実力を生かし切れていないのが残念。ギア比も高く速域が日本とは異なる欧州前提の設定といえる。 |

X-TYPE 2.0 V6 |159ps/20.4 kg-m

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唯一のV型6気筒エンジンは軽快な吹け上がりを示す。パワフルとはいえないが回転バランスのよさが実感できる。5速ATは3速までのギア比を低めに設定しており、6000rpmまで一気に達する快感も得られる。 |

S60 2.4 |170ps/22.9 kg-m

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直列5気筒というユニークなシリンダーレイアウトを採用するが、吹け上がり感は直列6気筒のような滑らかさを実現。それでいて、直列4気筒のようなビート感も伝わってくる。5速ATの制御も洗練されている。 |

9-3 Aero |209ps/30.6 kg-m

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最高出力209psとパワーでは抜きん出ている。実際にパワフルであり豪快に加速する。ただし洗練度という意味では物足りなさを感じる。試乗車が低圧ターボを採用するモデルなら印象は異なり、洗練度も高かったはず。 |

C5 2.0 |143ps/20.8 kg-m

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数値上の性能はかなり控えめだが、中回転域からパワーの盛り上がりが実感できるなど、想像以上の走りを楽しませてくれる。4速ATはマニュアルモード付きなので、それを生かして走ればエンジンの実力を引き出せる。 |

407 Sports 2.2 |158ps/22.1 kg-m

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Dレンジのままでは、アクセルを床まで踏み込んでもレブリミットまでは引っ張れない。エンジン自体も高回転域より低中回転域のトルクを充実させた設定だ。ATはその特性を生かしているという見方もできる。 |
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