フォード・フィエスタST
FORD FIESTA ST

ノーマル系の魅力をストレートに
増幅した実力派ホットハッチ


specification FORD FIESTA ST
■全長×全幅×全高=3920×1680×1445mm■ホイールベース=2485mm■車両重量=1130kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1998cc■最高出力=150ps(110kW)/6000rpm■最大トルク=19.4kg-m(190Nm)/4500rpm■トランスミッション=5MT■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ=195/45R16■東京標準現金価格=2,520,000円:問い合わせ先


齋藤 聡S.Saito : valuation

誰でも楽しめる懐の深いシャシーが魅力だ!

 スタンダードモデルは、あまりにプレーンで個性が希薄。出来が良いのは認めるが、日本においてはライバルとなる国産同クラス車が多くあり、フィエスタでなければならない理由が見えてこなかった。けれども、コンパクトなボディに2リッターエンジンを詰め込んだとなると話は変わってくる。
  実際に走らせてみると、フィエスタSTは想像するよりはるかに躾がよく、スムーズな走りを見せてくれる。それは、受け皿となるシャシー性能がしっかりしているからだろう。トルクステアが出たりホイールスピンが収まらなかったりといった、パワーに振り回されるような仕草が一切ない。
  乗り味も、ちょっと足回りの引き締まった普通の2ボックスといったもので、スパルタンではない。にもかかわらず、小気味良い速さもある。実は、それこそフィエスタSTの狙った味付けなのだ。
  STシリーズは、フォード・チームRSが開発する同ブランドのハイパフォーマンスモデルという位置付けだが、どれも一様なチューニングではなく、ベース車の持ち味を生かしたリセッティングを施している点がユニークなところ。だから、すでに発売されているフォーカスST170やモンデオST220とも明らかにテイストが異なる。機敏・活発に走るタウンカー、というのがフィエスタSTの役どころ。懐の深いシャシー性能を生かして、誰でも楽しめる速さを引き出しているのだ。

萩原秀輝H.Hagihara : valuation

直接的な刺激は乏しいが奥深さも感じられる

期待度の高さでは今年の5ベスト。ところがチョイ乗りの印象は常識の範囲。クルマ側からは“スゴイだろ”といわんばかりの刺激は伝わってこない。ただし、ドライバーがこのクルマの実力を引き出そうとするときの極めどころは奥深い。どんなに攻めても、その先がありそうな期待感を持たせてくれる。

笹目二朗S.J.Sasame : valuation

軽快な操縦性と適切なギア比には好感が持てる

ドライビングポジションは、各種調整機構こそ少ないものの基本は良好。エンジンは回すと音量を増すが滑らかで気持ち良い。5MTのシフトフィールも上々で、ギア比も1速〜3速の繋がりが良い点に好感が持てる。乗り心地はややザラついており、微振動の処理など洗練されていないが軽快な操縦性に免じて許そう。

熊倉重春S.Kumakura : valuation

フィエスタ本来の良さはノーマル系の方が色濃い

フォーカスやモンデオのSTに感激した目で見れば期待ほどではない。さっくり素直なフットワークなどは、クルマ全体というかブランドの雰囲気にぴったりだが、フィエスタ本来の良さを出せているのは、むしろノーマル系(4AT)の方だろう。各部を少し強化したSTは、逆にボディの弱さを露呈してもいる。

島下泰久Y.Shimashita : valuation

ハードの仕上がり自体は理想に近いデキだが……

全域好レスポンスのエンジン、軽快感とスタビリティを見事に両立させたシャシーなど、ハードはまさにホットハッチの理想形。足りないのは、胸踊らせるようなプラスアルファの何かだ。そもそも素のフィエスタだって走りの資質は素晴らしいだけに、特別なモデルには、その何かを見せてほしいのだが……。

インテリアは、2トーンの専用スポーツシートや革巻きステアリング等でノーマル系と差別化。外観も3ドアをベースに専用デザインの前後バンパー、ルーフスポイラー等でスポーティな雰囲気を演出している。エンジンは可変インマニやスポーツエキゾースト、軽量フライホイールを採用した2リッターのデュラテック。エンジンのハイパワー化に合わせ、シャシー回りもサブフレームからジオメトリーに至るまで手が加えられている。
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