BMW 3シリーズ
BMW 3 SERIES

すべてがドラスティック
あまりにもドラマチック


specification BMW 330i
■全長×全幅×全高=4525×1815×1440mm■ホイールベース=2760mm■車両重量=1550kg■エンジン種類/排気量=直6DOHC24V/2996cc■最高出力=258ps(190kW)/6600rpm■最大トルク=30.6kg-m(300Nm)/2500-4000rpm■トランスミッション=6AT■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=225/45R17■東京標準現金価格=6,250,000円
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笹目二朗S.J.Sasame : valuation
一般に迎合せず個性をウリに

 ドライビングポジションは良好。ランバーサポートはエア式で微調整も効くが、ドアミラースイッチは遠く、押し間違えもしやすい。
  走り出すとハーシュネスがきつめで、ステリングのギア比にも違和感を覚えるが、最近のBMWは一般に迎合することなく、むしろこうした個性をウリにしている。だからその特性に馴染んできた時の快適性なり利便性に主眼を置く。ハーシュネスは、従来型で見られた停止時にブワンと前後に揺れる不快なコンプライアンスを詰めた結果だし、おかげで微妙にブレーキの踏力を加減する努力は少なくて済む。また、クイックなギア比は、慣れてしまえば狭い場所で重宝する。相対的に復元性はややスローだが、BMWはFRと長く付き合い、ロールやヨーの揺り返しを抑えることに精力を費やしてきたメーカーであり、その背景を知れば同情もできる。
  そして操縦特性だが、最近のBMWはリアをしっかり安定させ、フロントの回頭性を素早くする方向にスポーティな味付けを見い出している。この旋回中心を後方に採った特性はFFのものであり、よってFFからの乗り換えにも違和感はないであろう。
  操作系では、DからそのままMシフトが効くなど、1操作で意思を伝えられる点は良いが、iDriveは操作をまとめるあまり、項目を選んでから分岐する2操作となりかえって遅い。その辺の詰めがあらためての課題か。

熊倉重春S.Kumakura : valuation

例によって四方八方、破れ目のない走行感覚

 見た目の存在感だけでなく、数字でも5シリーズに迫るほど大型化してしまった点は評価できない。そういう観点からはE30までが真の3シリーズ。その後3.5シリーズになり、今度のは3.9シリーズだ。ボディが大きくなったほどには室内が広くなった感じがしないのも残念なポイントだ。
  しかし乗ってみれば、例によって四方八方破れ目のない走行感覚に取り回しの良さなど、サイズアップを完全に忘れさせてくれる。エンジンの自然な息吹も美しい(ただしバルブトロニックの効果のほどは、従来型と同時に乗り比べてもわずかなもの)。全体として、やはりBMWはどこまで行ってもBMWだったという安心感が濃い。そういう面では熱烈に歓迎されるに違いない。
  ただし「理論的に正しい」はずのインテリアが、日本の高級輸入車ユーザーの目にどう映るか、一抹の不安がなくもない。徹底的に艶と反射を締め出したダッシュボードの表面材など、ある意味とても無愛想というか、特殊な紙のようにも見え、この点アウディの方が魅力的に思えるかも。それとも、BMWだからということで無理やり納得してしまうのだろうか。
  ところで乗り味といえば、やたらアクセルを踏まずにすむ余裕感なら330iだが、ノーズが軽くエンジンもメリハリに富む320iも捨て難い。これでもアウトバーンなら常時200km/h以上で楽に巡航できるから十分だ。


萩原秀輝H.Hagihara : valuation
走りの味わい深さは必然の結果だ

 このクルマにしかない特徴は数多い。まず、回転バランスに優れた新開発の直列6気筒エンジンを搭載すること。それはアルミニウムとマグネシウムを複合素材として用いたシリンダーブロックを採用し、軽量化と同時に小型化も図っている。BMW独自のバルブトロニックも装備する。
  もちろん、前後重量配分50対50の実現もBMWならでは。実際は、車検証の記載内容を前提とするなら、小型軽量化の効果で直列6気筒エンジンを積む330iでもリアヘビーになる。こうしたバランスを実現しているのも、量産のセダンではこのクルマだけだ。
  いうまでもないがFRだ。しかも、それが前後重量配分の最適化やショートオーバーハングによる慣性モーメントの低減、ロングホイールベースによるスタビリティの向上と室内スペースの拡大といった具合に、すべてが基本性能の向上のために役立っている。この合理性の高さも、他のクルマでは決してまねができない。
  ここまで基本性能が高ければ、走りの味わいが深いことは必然の結果となる。エンジニアは、いわゆる“ネガつぶし”の必要がなく、力量の多くを走りの質の向上のために費やせる。そうした前提が、乗れば誰にでも分かる「なんかイイな」といった印象に結び付く。アクセルを踏んだときの応答性やステアリングを切ったときの手応えも、このクルマにしかない特徴がもたらした結果といえる。


スリーサイズは全長4525×全幅1815×全高1440mmで、先代のE46型よりも全長でプラス55mm、全幅でプラス75mmの拡大となった。道路事情や駐車場事情を鑑み、特にその全幅が日本で物議の対象となってはいるが。
330iが搭載する3リッター直6DOHCユニット。マグネシウム-アルミニウム合金製のクランクケースを採用し、大幅な軽量化に成功。バルブトロニックも新たに採用し、258ps/30.6kg-mを発揮する。高回転の金属音は圧巻。
標準装着タイヤは320iが205/55R16、325iが225/50R16、330iが225/45R17(写真)となり、すべてのモデルがランフラットタイヤを採用する。つまりスペアタイヤは必要なし。
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