アウディA4
AUDI A4

アピアランスの一新だけでなく
運動性能と快適性能も深化熟成


specification AUDI A4 Avant 3.2FSI Quattro S-line
■全長×全幅×全高=4585×1770×1435mm■ホイールベース=2645mm■車両重量=1710kg■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3122cc■最高出力=255ps(188kW)/6500rpm■最大トルク=33.6kg-m(330Nm)/3250rpm■トランスミッション=6AT■サスペンション(F:R)=4リンク:トラペゾイタル■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ=235/40R18■東京標準現金価格=6,130,000円問い合わせ先


熊倉重春S.Kumakura : valuation
モデルチェンジの印象が薄い理由とは――

 見た目はクラクラするほどチャーミングだ。どこか車体の奥に引力の中心があり、ギュ〜ッと表面を引きつけたような基本フォルム、じっくり腰を据えて緻密に作り込んだインテリアなど、見える範囲に不満はない。ただし、新しいアウディ顔だけはまだ見慣れない。デザイナーは「人間味を出した」と言っているそうだが、トゲのない全体の雰囲気からは明らかに浮いていると思う。
  走る性能にも不満などない。当たり前だ、これしきのボディに3リッター級の最先端V6を積むのだから、不足などあるはずがない。大きく舵を切り込んで横Gをかけたまま全開をくれてやった瞬間、すかさずトルセン・センターデフから後輪にパワー配分が乗り移って、絶妙にアンダーステアを修正してしまうコーナリングフォームも印象深い。これ以上を求めるなら、レジェンドのような左右パワー配分機構を積むしかあるまい。
  ただし、メーカー自身がフルチェンジと称するほど大規模なマイナーチェンジでありながら、あまり変わった印象がないのは、基本的なサスペンションの表情が受け継がれているから。衝撃吸収性能も接地性も問題なく快適なはずなのに、どうも微妙にピョコピョコ不自然な上下動が混じる。いったん気になり出すと、ずっと気になる。たぶんアームが短いことに起因するのだろうが、これだけで「ワゴン型スーパーGT」の称号が遠のいてしまったのが惜しい。

島下泰久Y.Shimashita : valuation

何より目を見張るべきはシャシーの洗練ぶり

 昨年、外板パネルのほとんどを新規で起こすという大規模な改良を受けたアウディA4、売れ行きはきわめて好調だという。その新型A4の最高峰に位置するのが、ようやく導入が開始された3.2FSIクワトロである。
  90度のバンク角を持つこのV6エンジンは、ガソリン直噴のFSIの導入などで、3122ccの排気量から最高出力255ps、最大トルク33.6kg-mという高出力を稼ぎ出している。兄貴分のA6をも軽快に走らせるエンジンだけに、動力性能に不満がないのは当然だが、特筆すべきはそれだけでなく、フィーリングが実にスポーティに仕立てられていること。レスポンスは低速域から鋭く、そこからトップエンドまでリニアにパワーを増しながら相当な勢いで吹け上がっていく。先代の3リッターの初期と比べると、特にその滑らかさは隔世の感ありだ。その好印象には、6速に進化したティプトロニックの効果も大きいに違いない。
  しかし新型A4、実は何より目を見張るべきはシャシーの洗練ぶりかもしれない。低速でのしなやかさ、高速でのフラット感とも従来より大幅に高まっており、快適性もSラインですら十分許容範囲に収まる。中立付近が曖昧なステアリングフィールは不満だが、総じてプレミアムカーへの期待値を裏切ることはないだろう。
  定評の質感に、走りや快適性の熟成が加わったA4、そのアピール度はさらに高まっている。

笹目二朗S.J.Sasame : valuation

エンジンをはじめ全体的な総合点は高いのだが…

ドライビングポジションは調整代が大きくピッタリ合わせられる。シートの座り心地も良好。乗り心地は随分改良された。FSIエンジンはトルク、レスポンスともに快感域。4WDシステムはスムーズで存在感を秘す。AT車は、左足ブレーキでエンジン休止するのが唯一の疵。総合点は高いが押し売り的強制感覚もあり。

萩原秀輝H.Hagihara : valuation

バネ下の動きを中心に評価すると……

人それぞれに評価の重点項目は異なるが、個人的にはバネ下の動きにこだわっている。それがスッキリと動いてくれないと、走りの質感に物足りなさを感じてしまうからだ。その意味では、アウディはエンジンの排気量が大きいほど不満が増す。それが気にならない人にとっては、まったく正反対の評価になるだろうが。

齋藤 聡S.Saito : valuation

1台ですべてがこと足りる
そう思わせる魅力が満載


抜群の安定感と、驚くほど素直な操縦性と旋回性能を持っている。エンジンは2リッターターボと3.2リッターが良い。いずれも直噴のFSIエンジンで、ターボは2000rpmから効き出すターボトルクと高回転での伸びの良さを両立。3.2リッターは文字通りパワフルで刺激的。これ1台ですべてがこと足りる、そう思わせるクルマだ。

ABCピラーとルーフ以外のすべてのボディパネルを一新すると同時に、新世代アウディを象徴するアイコン“シングルフレームグリル”を纏い、第7世代へと進化を遂げたA4。ラインナップは先代と同じくセダンとアバントの2本立て。
エンジンバリエーションは、写真の3.2リッターFSI(255ps/33.6kg-m)と2.0リッターTFSI(200ps/28.5kg-m)、および2リッターの直4NA(130ps/19.9kg-m)の3基。3.2リッターFSI&2リッターTFSIにはクワトロシステムと6ATが組み合わされる。
試乗車はSラインパッケージ装着車で、専用のアルミパネルやマルチファンクション&ティプトロニックパドルスイッチ付ディンプルタイプ本革巻きステアリングなどが特別装備。標準モデルの場合、パドルシフトスイッチがつかないのは残念。
Sラインパッケージ専用のスポーツシートはホールド性に優れ、パドルシフトを駆ってのスポーツドライビング時に◎。室内空間はスペース的に先代から変わりはないが、もともと余裕あるシートレイアウトゆえ快適性は申し分なし。
ラゲッジルーム容量は通常時で422リッター、4:6分割可倒式シートを畳めば1184リッターまで拡大する。全幅1000mmのアイテムもそのまま積載可能なうえ、フロア下にはクリーニングが容易なプラスチックトレーが装着されるなど、使い勝手も良好。
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