フィエスタSTの登場で
走れるスモールハッチ選びが
ますます面白くなった!


ライバルとは出自が異なるミニ

 ミニ・クーパーSは、ドライバーズシートに収まるやいなや、やはりコレは他の2台とはカテゴリーが違うなと感じた。着座位置はひときわ低く、ステアリングポストの剛性感も桁違い。ほとんどスポーツカーのノリである。
  登場当初に比べると乗り心地ははるかに改善されているクーパーSだが、まるでレーシングカートのような機敏さはいまなお健在だ。ステアリングはフィエスタST以上にクイックだが、剛性感の高さもあって操舵フィールはきわめて質が高く、伝わる情報量も豊富だから、躊躇なく切り込んでいける。乗り心地と同時に変わったのがリアの安定感で、従来のように限界まで来ていきなりポーンと弾かれるようにグリップを失う恐れはもはやなく、挙動変化はあくまで穏やかだ。滑り具合のコントロールも難しくなく、姿勢の自由度は大幅に高まった。もはやESPオフで走らせても不安はないほど。登場後3年でようやくキレ味と懐の深さがうまく両立され、走らせてとにかく楽しいシャシーに仕上がったと言っていいだろう。
  1.6リッターのスーパーチャージャー付きエンジンも、最高出力170psを誇るだけに力は十分。それどころか全域で過給効果が得られるおかげで、線の太さでは3台中随一と言えるかもしれない。よって6速ATとのマッチングも良好、CVTのクーパーよりダイレクト感のある走りを楽しめる。
  予想通り、3台の個性はバラバラで各々に味があり、1台を選ぶのは簡単ではない。けれど、今回の勝者はミニ・クーパーSとしたい。走りの楽しさと懐の深さ、さらには走りの質感まで、すべてが高次元で両立されているのがその理由だ。ただし、これはハッキリ言ってジャンル違い。何しろ現代のミニは、要するにファッション性と走りのみを追求したクルマであり、ベーシックカーとして生み出された他の2台とは、似ているようでまったく異なるカテゴリーに属する存在と言っていいからだ。
  よって、ある程度の実用性や、いわゆるアンダーステートメント性を期待するなら、選ぶべきは違ったものになるはずである。プジョー206RCの刺激性は捨て難いし、今回は登場していないがルノー・ルーテシアRSも、このジャンルでは定番の1台である。無論、フィエスタSTという新たな選択肢も大いにアリだ。いずれを選んでも、思いきりスロットルを床まで踏める、使い切って楽しむのにちょうど良い動力性能と、それに応えるシャシーを持っているのは間違いないこと。そこに新たな迷いの対象が加わった事実には、無条件で拍手喝采を送りたい。
 


MINI COOPER S

スーパーチャージャー搭載でその走りは過激そのもの

SPECIFICATION
■全長×全幅×全高=3655×1690×1455mm■ホイールベース=2465mm■車両重量=1180kg■エンジン種類/排気量=直4SOHC16V+インタークーラー付スーパーチャージャー/1598cc■最高出力=170ps(125 kW)/6000rpm■最大トルク=22.4kg-m(220 Nm)/4000rpm■トランスミッション=6AT■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ=195/55R16■東京標準現金価格=2,950,500円(問い合わせ先



■広告■

Copyright (C) GAKKEN CO., LTD. All Rights Reserved.