メルセデス・ベンツC230コンプレッサー・アバンギャルド
MERCEDES-BENZ C230 KOMPRESSOR AVANTGARDE

アウディA4 2.0
AUDI A4 2.0

ビー・エム・ダブリュー320i
BMW 320i

ドイツ御三家の主力が目指したのは
「近畿の屋根」。


BMWの新型3シリーズが上陸したとなれば、何を差し置いても敢行すべきはこの組み合わせによるテストだろう。輸入車市場における最激戦区のひとつにして事実上ドイツ御三家が支配するプレミアムDの勢力図は、新生3シリーズの投入でどう動くのか。それを見極めるべく、我々は3台を「近畿の屋根」へと走らせた。

リポート|島下泰久|Y.Shimashita  フォト|松本高好|T.Matsumoto

穏やかなCクラス、すべての面で軽快なA4

 先に動いたのは、予定を早めてマイナーチェンジを敢行したメルセデス・ベンツCクラス。さらにアウディA4が大規模改良でそれに追従した輸入車の最激選区に、ついに本命、新型BMW3シリーズが投入された。いよいよメジャー3ブランドによる新たな、そして熱い戦いの火ぶたが切って落とされたのである。今回、我々がその3モデルを連ねて向かった先は、奈良県は大台ヶ原。結果的に2日で1500km近くに達した旅の目標としたのは、とにかく長い距離、それもありとあらゆる道を走りまくって、その実力を見極めたかったからに他ならない。
  揃えられた3台は、まず3シリーズが主力となるはずの320i。Cクラスはイメージリーダー的存在であるC230コンプレッサー・アバンギャルド(以下C230K)で、A4はベーシックな2.0。本来ならCクラスは、399万円のC180コンプレッサーが適任だったのだろう。A4は388万円で、320iのATは399万円(MTは388.5万円)。後発である3シリーズの値付けが、ライバルを大いに意識したことは明らかだ。クラストップシェアの3シリーズが、そこまで果敢な攻めに出たということからも、このセグメントの競争の白熱ぶりが解ろうというものである。
  言うまでもなく、肝心なのは価格そのものだけでなく、それに見合った実力を持っているか否かだ。きっと再び東京に戻る頃には、答えが出ているはず。そんな風に期待しながら、4月頭のある日の朝、集合したのは東京都調布市の味の素スタジアムの前。証拠写真を押さえたら、調布ICから中央自動車道に乗って西を目指した。
  まだ朝早い時間。完全には目覚めきっていない身体と精神に、お楽しみの320iは後に取っておくことにして、まずは勝手知ったるCクラスのキーを掴んだ。この選択、大正解だったと思う。高速道路でのCクラスの走りは、本当に素晴らしい。ステアリングに軽く手を添えておけば、クルマはビシッと直進してくれる。乗り心地も穏やかで、たっぷりしたストロークのおかげで路面の凹凸やうねりで煽られたときも姿勢が乱されることは皆無だし、当たりの柔らかな乗り心地も快適そのもの。発進時の一瞬こそもたつきがあるものの、そこから先は全域でたっぷりとしたトルクをもたらす1.8リッタースーパーチャージャー・ユニットも、リラックスした走りに貢献している。ちなみにそんな走りっぷりはC180Kでも基本的に一緒。むしろ実用域での扱いやすさは、そちらが勝るかもしれない。
  途中、給油を挟みつつ淡々としたペースで岐阜県に。当初はこのまま小牧JCTまで出て、名古屋高速を経て東名阪自動車道へ降りていこうと計画していたのだが、途中で美濃関〜豊田東を結ぶ東海環状自動車道が開通していることを発見する。せっかくだからと急遽、土岐南JCTからそちらへ進路を変更。そのまま、やはり新しい伊勢湾岸自動車道を経由して東名阪道に抜けることにした。
  頭も身体も覚醒してきたところでA4に乗り換える。今回の3台の中ではスペック的に一番控えめなだけに、C230Kの後だと物足りなく感じるかな、という思いがちらっと頭を掠めたのだが、それは杞憂に終わった。マルチトロニックと組み合わされた2リッターエンジンは、走り出すその瞬間から、きわめて活発なレスポンスで応えてくれたのである。この実用域での身軽さは、むしろC230Kを凌ぐほど。やはり軽い操舵力のステアリングも含めて、すべてに軽快なこの反応こそが、アウディ流のスポーティ性だ。
  A4は高速巡航も思った以上に楽だった。道が出来たばかりのため平滑で、路面状態に神経質に反応しがちなA4のというかアウディの短所があまり顔を出さなかったという面はあるが、少なくとも晴れているならクワトロの必要はないなと思ったほどである。出足の鋭さで嬉しくさせたパワートレインは、CVTがエンジンの美味しいところをうまく引き出し、速度が上がっても痛痒のない加速をもたらす。一体感というのとはちょっと違うが、これだけ走ってくれれば不満など出る余地はない。
 
早朝、調布に集合。中央道を経由し、万博の開催に合わせて開通した東海環状自動車道をひた走る。交通量がまばらなこともあり、走りは自然とハイペースに。いずれも快適性はハイレベルだが、精彩を放っていたのはCクラス。

BMW 320i

Specification
■全長×全幅×全高=4525×1815×1425mm
■ホイールベース=2760mm■トレッド(前:後)=1500:1513mm
■車両重量=1460kg■最小回転半径=5.3m■乗車定員=5名
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1995cc
■内径×行程=84.0×90.0mm■圧縮比=10.5
■最高出力=150ps(110kW)/6200rpm
■最大トルク=20.4kg-m(200Nm)/3600rpm
■燃料タンク容量=60リッター(プレミアム)■トランスミッション=6AT
■変速比=(1)4.171 (2)2.340 (3)1.521 (4)1.143 (5)0.867 (6)0.691
(R)3.403(F)3.909■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ=205/55R16
■東京標準現金価格=3,990,000円
■問い合わせ先=BMWジャパン



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