

アウディA6 3.2FSIクワトロ
AUDI A6 3.2FSI QUATTRO

ビー・エム・ダブリュー530i
BMW 530i
 ライバルとロングツーリング――。
1000km走って感じるA6の真価。

アウディ・ブランドの中核を担うモデルだけに、これまでも何度となくリポートをお届けしてきたA6だが、今回は直接の、そして最大のライバルと考えられるBMW5シリーズを引き連れ、ロングツーリングを敢行した。目的地は伊勢志摩。
春の雪が降りしきる都内を後に、一行は西を目指した――。

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|郡 大二郎|D.Kori

 | 高いスタビリティが安心感をもたらすA6

目指すのは、三重県の伊勢志摩近辺。そこに特別な理由があったわけではない。この時期、走る場所は自ずと限定される。本誌は5月号、発売は3月の末。すでに春の体裁が整っているのに、今さら雪景色はないだろう。そこで、ひたすら西へ向かう。まぁ、リポーターとしては「伊勢で新鮮な魚貝類が食べれるかなぁ、ハマグリが間に合うかも……」と今回の取材目的とは別の期待もしていたが。 そうなると、夕食時までには現地に到着したい。すでに日は西に傾きかけているので、編集部担当のSを急かすように都内を立つ。高速道路でのペースが上がりかねないところを、Sから「燃費も測りますから常識的なペースでお願いしますよ」と釘をさされるが、どのみち交通量が多いので周囲の流れに合わせるしかない。
初日にステアリングを握ったのは、A6 3.2FSIクワトロだ。新世代の直噴V型6気筒エンジンは、2000rpm台で静かに回り続け快適な高速走行を続けている。周囲の流れが多少変わっても、アクセルを深く踏む必要は感じない。高度に電子制御化された6速ATだけあり、こうした巡航状態では頻繁な変速はしない。
秦野中井を過ぎたあたりから交通量が減り、先行車が進路を譲ることが多くなる。A6が周囲に威圧感を与えることないが、こうした場面ではアウディの新しい顔となる「シングルフレームグリル」の迫力が、多少は影響しているのかもしれない。だからといって、先行車を猛然と置き去りにするのはアウディらしくない。心得たモノで、アクセルを少し踏むだけでシフトダウンすることなく低中回転域のトルクを生かしながら先行車を力強く抜き去れる。
そのチョットした流れの変化が燃費計測のことを忘れさせたのか、大井松田から御殿場までの高速コーナーでは、欧州のペースで駆けぬけることができた。この間は最もタイトなコーナーでも曲率は300Rなので、限りなく★00km/hに迫れるが、さすがにそこまではペースを上げない。後からは、Sの運転でカメラマンと撮影機材を乗せた530iのMスポーツパッケージが付いてくるからだ。
A6のステアリングを握るリポーターは、緊張感を抱くことはまったくない。ステアリングに与える操舵速度を変えながら、その反応を確かめるくらいの余裕さえある。クワトロならではのスタビリティを保険に、ステアリングをスッと切り込んだときにスッキリと小気味よい応答性が得られる。とくに、初期の応答性についてはフロントの荷重が大きいことでタイヤの接地力を稼げるので、イイ意味の効果をもたらしている。
後続の530iも、付かず離れずの車間を保ったままで追従してくる。ペースを極端に上げているわけではないので、シフトダウンの必要もなく、ステアリング操作に意識を集中できているのだろう。 御殿場を過ぎると3車線が2車線に減るので、交通量が多くなるというか車両密度が増す。追い越し車線を大型トラックがふさぐ頻度も多く、流れが制限速度以下になることも少なくない。静岡県と愛知県間の混雑は、この間を利用する誰もが知っている。リポーターも第二東名の早期実現を願う(様々な課題はあるだろうが)一人だが、裾野のあたりでは東名との接続工事が進行中だ。
名古屋にかけては、とにかく退屈な走行を強いられる。だが、2004年の秋に東名と東名阪をつなぐ伊勢湾岸道路が開通。この間は、やがて第二名神となり第二東名とともに新たな大動脈を生む。ちなみに、この開通によって東名岡崎と東名阪四日市間の所要時間は従来よりも30分短縮する。つまり、東京から鈴鹿サーキットへ従来よりも30分早く着くということだ。それは余談だが、伊勢湾岸道路はまだ空いている。車線の幅も広い。なので、大きな声ではいえないがイロイロと楽しい。
途中、伊勢湾岸道路で豪雨に見舞われる。吹きさらしの湾岸地帯を貫いているので、状況としては過酷だがやはり余計な緊張感を抱かないのはクワトロの魅力だ。そのため、冷静に分析すると助手席側のワイパーが運転席の目の前で折り返すことが気になるといった不満まで明らかになった。
当たり前の夕食が取れる時間に予定の宿泊先に到着。早速、近くの居酒屋でハマグリを食べたが、果たして伊勢湾産だったかどうか。牡蠣もギリギリ間に合うはずだった。でも、そこの牡蠣は三陸産。ウラの目的が潰えた……。
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AUDI A6 3.2FSI QUATTRO |

Specification
■全長×全幅×全高=4915×1855×1455mm
■ホイールベース=2845mm■車両重量=1790kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3123cc
■最高出力=255ps(188kW)/6500rpm
■最大トルク=33.6kg-m(330Nm)/3250rpm
■トランスミッション=6速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:トラペゾイタル
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=225/50R17
■東京標準現金価格=7,000,000円

BMW 530i M-Sport PACKAGE |

Specification
■全長×全幅×全高=4855×1845×1470mm
■ホイールベース=2890mm■車両重量=1590kg
■エンジン種類/排気量=直6DOHC24V/2979cc
■最高出力=231ps(170kW)/5900rpm
■最大トルク=30.6kg-m(300Nm)/3500rpm
■トランスミッション=6速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:インテグラルアーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=245/40R18
■東京標準現金価格=7,447,500円
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