アウディA4 3.2FSI
AUDI A4 3.2FSI

ビー・エム・ダブリュー330i
BMW 330i

ドイツ本国で激突!
新型3シリーズを迎え撃つ
シングルフレームの主軸。


その背景や技術的なアプローチこそ異なれ、ドライビングダイナミクスという点で、いまもっとも近い位置にあるプレミアムブランドといえば、アウディとBMWであろう。
そして、そのBMWからはいよいよ新型3シリーズがデビュー。
迎え撃つA4との新たなる闘いの火ぶたが切って落とされた。
まずは本国ドイツから、その第一ラウンドの模様をお届けしよう。


リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara  フォト|郡 大二郎|D.Kori

ほんのひと踏みで200km/hオーバー

 エールフランスの成田発最終便に乗ると、夜明け前にパリに到着する。そのまま空港で過ごし、フランクフルト行きの1便に搭乗すれば、朝から取材ができるはずだった。ところが、この時期のフランスはストライキが多発。実際に、当日も管制システムの機能が大幅にダウンし、フランクフルト行きの便にキャンセルが相次いだ。
  結局、予定よりも6時間以上遅れてパリを発った。3月初旬に欧州は記録的な大雪になり、上空から見るとその影響が残っている。ドイツ中が雪に覆われているのでは……、と思えたほどだが、フランクフルトに近づくと雪は消えていた。夕方にフランクフルトに到着。ただ、欧州は日本よりも日の出が遅い分、日の入りも遅い。そのため、取材する時間は稼げるものの、余裕はまったくない。
  だが、そこはドイツ。アウトバーンが、時間を生み出してくれる。さっそく、事前にアレンジしてあったアウディA4に乗り込む。モデルは、日本には導入予定のないFFの3.2だ。とはいうものの、ライバルとして同行するのは新しいBMW3シリーズの330iなので、V型と直列という6気筒エンジン同士の違いは確かめられる。日本仕様の3.2はクワトロになるが、まだ試乗の機会を得ていないので都合がいい。
  もちろん、アウトバーンに入ると同時にアクセルを踏み込む。アウトバーンでも幹線は交通量が多いが、これから走る支線にはアクセルを踏み続けることができる区間がまだまだ残っている。A4は一気にスピードを乗せる。新開発となる3.2リッターのV型6気筒FSI(直噴)エンジンの吹け上がりはかなり鋭い。直噴というと環境重視型というイメージがあるが、このエンジンは高回転高出力型。リッター当たりのパワーも、A3が搭載する2リッターの直列4気筒FSIの75.6ps/リッターに対し81.7ps/リッターとハイチューニングだ。一般論では、排気量が大きくなるほどトルク重視の傾向が強まるが、このエンジンは6500rpmまで回してキッチリと回転数でパワーを稼ぎ、255psを発揮する。
  それが、吹け上がりの鋭さに結び付いている。200km/hオーバーの世界への扉は、アクセルを踏み込むだけで簡単に開く。アクセルを踏み“続ける”という意識さえないほどだ。ただし、その先はタイヤがH規格(210km/hまで)のスタッドレスだったので、アクセルの踏み込み量を維持する必要はある。エンジン回転数は4000rpmあたり。ペダルを踏む右足は、ストロークの4分の1ほどを保っている。
  このエンジンはトルクも充実している。V型の魅力は、直列よりもエンジンの長さに制約がないので、シリンダーのビッグボア/ショートストローク化が可能になること。それは、まさに高回転高出力化を容易にする。ところが、このエンジンは典型的なロングストロークなのだ。高回転高出力化はデュアルパスインテークマニホールド(可変吸気システム)や無段階可変カムシャフトコントロールなどによって技術的に達成し、基本をロングストロークにしてトルクの強化を図っているわけなのだ。
  それだけに、200km/h前後での追い越し加速でもアクセルを深く踏む必要はない。試乗車はCVTによる無段変速を実現するマルチトロニックを組み合わせていたので、エンジン回転数を中回転域で維持しながら余裕に満ちた力強さを実感させつつ加速する。
  しかも、さらに鋭い加速を望むなら、マルチトロニックには7速のマニュアルモードを組み合わせているので、MTのようなシフト操作ができ7000rpmに迫る吹け上がりが楽しめる。低中回転域の充実したトルクと高回転域の伸びのあるパワーを両立させた感覚は、日本に導入される3.2クワトロでも体験可能なはずだ。
 

AUDI A4 3.2FSI
ビッグチェンジを機にコードネームもB7へ

デビューから4年目に入るのを機にビッグチェンジ、コードネームをB6からB7へと改めるほど気合いの入ったリニューアルが施されたA4。実際、ボディパネルはルーフとABCピラーを除いて新設計、ムービングパーツもほぼ全般に渡って見直されているというから、それも納得だ。なお、今回は本国アウディAGにも試乗車がなかったこともあり、3.2V6FSIの駆動方式は日本仕様のクワトロではなく、FFだったことをお断りしておこう。

Specification
■全長×全幅×全高=4585×1770×1430mm
■ホイールベース=2650mm
■車両重量=1490kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3123cc
■最高出力=255ps(188kW)/6500rpm
■最大トルク=33.6kg-m(330Nm)/3250rpm
■トランスミッション=CVT
■サスペンション(F:R)=4リンク:トラペゾイダル
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=215/55R16



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