

アウディA3&A3スポーツバック
AUDI A3&A3 SPORTBACK
 エントリーモデルで味わう
アウディ・テイスト――。

アウディというブランドを味わう――。そう考えたとき、価格的にもサイズ的にも最も身近な存在といえるのがA3だろう。
そのA3はスポーツバックを含めた全7モデルを展開するが、果たして「アウディらしさ」が最も強く味わえるのはどれか?
ここでは、そんな視点からA3のベストモデルを選び出す。

リポート|島下泰久|Y.Shamashita フォト|赤松 孝|T.Akamatsu

 | 2タイプのボディに4種類のパワートレイン

昨年秋に登場したA3スポーツバック。その滑り出しは、きわめて順調だと聞く。何しろ登場直後の昨年11月には、それだけで日本におけるアウディの新車登録台数の実に4割を占めていたというのだから驚くばかりだ。
そのスポーツバックの登場により、A3のラインナップは全7モデルとなった。2つのボディに4つのパワートレイン。しかも組み合わせは微妙に入り組んでいる。ユーザー予備軍にとって、モデル選択は大いに頭を悩ませそうだが、ここではコストバリューではなく、どのモデルのアウディらしさが濃厚なのかを基準としてベストA3選びの手引きとしてみたい。
まず悩むのは、3ドアのA3と5ドアのスポーツバック、どちらのボディを選ぶかだろう。とはいえ、何かと物議を醸しているシングルフレームグリルを含むデザインの話はひとまず脇に置いて、利便性という観点から考えれば、軍配が上がるのは、当然スポーツバックということになる。
3ドアとの全長差70mmは、ほぼすべてリアオーバーハングに充てられている。おかげでラゲッジ容量は3ドアの通常時350リッターに対して370リッターまで拡大。その名の通りワゴンと呼べるほど広くはないが、余裕は確実に増している。5ドアだけに後席は当然乗り込みやすいし、ルーフが後方まで伸びているため、頭上空間が広いのも後席乗員にとってはありがたい。
とはいいつつも、3ドアだって捨てたものではない。特に後席は、いったん潜り込んでしまえば広さ自体は十分。ラゲッジ容量はクラス水準より小さいが、形状自体は張り出しなどが少なくスクエアだから、使い勝手も悪くない。後席に人が乗るのはときどき、ラゲッジをいっぱいに満たすような使い方もしないというなら、全長が短く取り回し性に優れたこちらにも選ぶ理由は大いにある。
パワートレインの選択も、非常に悩ましい問題だ。いずれにも選択すべき理由と個性が、しっかり備わっているからである。
基本と言うべき2.0FSIでも、動力性能は十分どころか確かな余裕を感じさせる。きわめてフラットなトルクと6速ATのキメ細かな変速ぶりは、常に思いのままの加速を実現。色気には乏しいが、単なる実用ユニットとは片付けられない底力が味わえる。
スポーティさで見れば、2.0TFSI+DSGに尽きる。先代1.8Tのような全域での図太いトルク感はそのまま、トップエンドの伸びと切れ味を高めたこのエンジンは、文句なしのスポーツ心臓と言える。DSGのダイレクト感も、そんな印象を加速させる要素だ。不満は反応過敏なスロットルと、こもり気味の排気音。プレミアムを謳うモデルとしては、ちょっと物足りない。
同じDSGと組み合わされる3.2リッターV6も、機械精度の高さを感じさせる緻密な吹け上がりと、あくまでジェントルに供給される大トルクが非常に心地よい。ただしV6エンジンおよびクワトロ化で車重が増えたぶん、乗り味はよりGT的な落ち着きを漂わせる。
嬉しいことに、排気量はその半分に過ぎない1.6リッターのアトラクションも走りの実力は十分以上だ。吹け上がりは2.0FSI以上のビート感があるし、6速ATも実に有用。速くはなくとも、小気味良い加速感を得られるのである。
これらのエンジンは、すべてを両方のボディで選べるわけではない。2.0TFSIはスポーツバックのみで選択でき、1.6アトラクションは逆に3ドアのみに設定される。要するにスポーツバックは、A4やA6にとってのアバントのような、スペシャルティ的要素の強い上級モデルという設定だということが、このラインナップからも理解できる。
走りに関して触れておかなければならないのが、シャシーセッティングの話だ。3ドアのA3は、当初より随分マイルドになったものの、路面からの入力に対する感度が強く、ボディが煽られがちとなる傾向がある。それがスポーツバックでは、セッティングの変更によってフラット感が俄然高まっているのだ。その反面、ゴツゴツ感は増してしまったが、トータルで見て快適なのはスポーツバックの方である。ただしこれ、A3の方も順次改められるということだ。
そのスポーツバックの中でも、2.0TFSIと3.2クワトロは17インチタイヤが標準ということも含めて特に硬めで、ロードノイズも大きい。2.0FSIは街乗りではもっともしなやか。ただし高速道路では、もう少しダンピングを効かせたくなる。よって使用パターンによって、ベストチョイスは変わってきそうである。
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ベストA3を探せ!!
左の画像をクリックすると「ボディ・タイプ」、「エンジン」の組み合わせからモデルを引き出すアニメーションが表示されます。 |
AUDI A3 SPORTBACK |

AUDI A3 |

A3(3DOOR)とスポーツバック(5DOOR)の違いは? |

まず、最も違うのがラゲッジ容量。A3の350リッター(最大時1100リッター)に対し、スポーツバックは370リッター(最大時1120リッター)。20リッターのアドバンテージを持つ。後席のスペース自体はそれほど違わないものの、アクセスは当然ながらスポーツバックが有利。またA3の場合、フロントのドア長が長いために、狭い駐車場では乗降に際し気遣う必要もある。
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