武器は走りと美しさ

ルノー・メガーヌ2.0
RENAULT MEGANE 2.0

アルファ・ロメオ・アルファ147TI 2.0ツインスパーク
ALFA ROMEO ALFA147
TI 2.0 TWIN SPARK

フォルクスワーゲン・ゴルフGLi

VOLKSWAGEN GOLF GLi

ベンチマーク、ゴルフには
五感への刺激で対抗する


極めて長い在任期間から「永遠の宰相」という異名を取ったのはヘルムート・コール元ドイツ首相だが、そのクルマ版といえばゴルフ。初代から現行型に至るまで、欧州Cセグメントではベンチマークの地位を維持。日本では、特に他を圧倒する支持を誇る。
だが、そんな「永遠のベンチマーク」にも支配できない領域がある。それが何かというと……。


リポート|笹目二朗|J.Sasame  フォト|郡 大二郎|D.Kori

走りのダイレクト感では「定番」より一枚上手!?

 アルファ147とメガーヌ、ちょっと見には直接のライバルとは思えないが、このクラスの5ドアハッチバックをマニュアルで乗ろうという“好き者”にとっては、検討対象として無視しえないクルマたちだ。そもそもラテンのクルマの魅力とは、見て美しく操縦感覚として五感を刺激する部分が濃厚なところにある。だから、ただ壊れないことが取り柄とか、移動のための道具として単純に速さを追求したようなクルマとは少し趣が異なる。ゆえに「これが理想」というように方向性を限定せず、それぞれの持ち味を認めた上で、あくまで個人的な好みとして好き嫌いを論じるのが普通だと思う。
  そんな視点からすれば、この2台を比較する意味もある。そこで括れるようなものを探すと、全長は147が4170mmでメガーヌが4215mm。試乗車は共に2リッターエンジンを搭載しているが、147は5MTでメガーヌは6MTと若干の違いがある。いずれにせよ、共にシリーズの中でマニアックなポジションに位置するのは確か。ならば、ということで今回はメガーヌと147が属するCセグメントでは定番中の定番であるゴルフ(全長4205mm、2リッター6AT)も交え、いろいろな角度から3車を比較。ラテン勢2台の持ち味を明らかにしてみた。
  まずボディ関係。147は小さく見えるが、外寸は結構大きい。それは数字を見ても明らかだ。ただしこれは部分的な最大値であり、実際にはツルンと全体に丸い処理によりはるかにスリムに感じる。室内の雰囲気も、147はタイトでスポーツカー的。よって、この点からも外寸の大きさは気にならず、ゴルフより狭い道を飛ばせる感覚がある。インパネのデザインや計器類などもまったくスポーツカーの域にあり、座っているだけでも気分は高揚してくる。
  一方、メガーヌはほぼゴルフと同じサイズ感覚。元々メガーヌはゴルフを意識して作られたクルマだから、似通った感覚で当たり前かもしれない。ただし、リアシートはゴルフの方が広い。これはパトリック・ル・ケモンの嗜好を具現化した、テールを絞る独特なデザインに起因するトランクの狭さと併せてメガーヌの数少ない弱点ではある。とはいえ、この個性的なスタイリングを肯定する人なら問題にはしないだろう。インテリアのデザインはファミリーカー的でおとなしいが、メーター類の縁などがふんわりソフトな感覚はフランス車ゆえ? もちろん、タコメーターはちゃんと装備されるから走り屋も不満はないだろう。
  ボディ剛性については、二重フロアのメガーヌが健闘している。ユーロNCAPの衝突テストでも好成績を残しており、ドアなどの立て付けもいい。ゴルフもドイツ車の伝統で代々強固。この点、147の5ドアはやや緩い感覚だが、決してヤワなわけではなく、3ドアに対して増えた開口部は抜かりなくしっかり強化してある。
  エンジンはどうか? これはもう、アルファのツインスパークが圧倒的にいい。ボンネットを開けたときの眺めはアルファの名に恥じないし、官能的な音にしてもトルクやレスポンスにしても最良。もっとも、これを騒音と感じる人には音量レベルが一番大きいとお知らせしなければならないが。
  対するメガーヌのエンジンは、ルノーらしくロングストロークの実用型。トルクやレスポンスは申し分ないが、正直アルファのような面白味はない。しかし、組み合わせる6MTはステップアップ比が適切で、積極的にシフトする楽しみがあり、かつエンジンをリミットまで回さずとも結構速い。その意味で、マニュアルシフトを楽しみたい人ならメガーヌとアルファ(クラッチはこちらの方がヘビーデューティな感覚だ)のどちらを選んでも後悔はしないだろう。
  ちなみにゴルフは、6段ATでマニュアルシフトが可能とはいっても、やはりトルコンを介する間接的な感覚は否めず、面白味はかなり割り引かれる。その分、万人向けであることは間違いなく、初心者でも不安なく扱える。FSIエンジンは、直噴のわりに線が細い感覚があるものの、滑らかに回りフリクションは軽い。
 
VOLKSWAGEN GOLF GLi
ライバルの挑戦を退け続けるクラスの「基準」

モノスペースの台頭によって、かつてのような威光こそ薄れてきたが、依然欧州Cセグメントにおけるベンチマークのポジションを維持するゴルフ。現行モデルでは、先代のIVで提唱された「小型車の上質化」が一層顕著なものになった。導入当初は1.6リッターを搭載した「E」と2リッターの「GLi」「GT」という3グレード構成だったが、このほど2リッターターボを搭載した「GTX」も上陸。後には「GTI」も控えるなど、日本におけるラインナップも着実に強化されつつある。

Specification
■全長×全幅×全高=4205×1760×1485mm
■ホイールベース=2575mm
■車両重量=1380kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC/1984cc
■最高出力=150ps(110kW)/6000rpm
■最大トルク=20.4kg-m(200Nm)/3500rpm■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:4リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ=195/65R15
■東京標準現金価格=2,782,500円
問い合わせ先
ALFA ROMEO ALFA147 TI 2.0 TWIN SPARK
独自のロール感はもはや「アート」の領域

ハッチバック、というボディ形態からイメージされるファミリーカー然とした要素を排除。3ドア、5ドア共にスペシャルティカー的テイストを演出することで、独自のポジションを築いているのが、この147。その分、実用性に関しては同クラスのモデルと比較して分が悪い点も散見されるが、スポーツ性に磨きをかけた「TI(英語読みすればツーリング・インターナショナルの略)」の導入などでキャラクターはより鮮明になっている。

Specification
■全長×全幅×全高=4170×1730×1435mm
■ホイールベース=2545mm■車両重量=1300kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC/1969cc
■最高出力=150ps(110kW)/6300rpm
■最大トルク=18.4kg-m(181Nm)/3800rpm■トランスミッション=5MT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:ストラット
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=215/45R17■東京標準現金価格=3,255,000円
問い合わせ先



■広告■

Copyright (C) GAKKEN CO., LTD. All Rights Reserved.