

NEW COMERS 01

FORD フォード・マスタング
MUSTANG

全身に滾るのは
アメリカン・カーカルチャー

2003年にコンセプトカーが発表され、全米を熱狂の渦に巻き込んだ新型マスタング。当然のごとく、かの地では発売が開始されるや大ヒットとなっているのだが、残念ながらフォード・ジャパンの方針としては当分コイツを日本に導入する計画はないらしい。よってすぐにでも乗りたいというファンは、並行輸入車を狙うことになるだろう。
今回試乗したのはウイングオートが輸入した、日本上陸第一号車となるV8モデルだ。

リポート|九島辰也|T.Kushima フォト|郡 大二郎|D.Kori



'68年型をモチーフにすべてが一新された

アメリカ人は、SUVに飽きてしまったのだろうか……。
最近の北米市場を眺めていると、そんな考えが浮かんでくる。ここで紹介する2005年型マスタングもそうだし、新世代コルベットC6もデビューと同時に高い人気を得た。また、300Cとダッジ・マグナムは、クライスラーの業績を著しく上げるほど飛ぶように売れていると聞く。パッセンジャーカー復活の兆しは、少なからず見えているようだ。
では、その一角を担うマスタングはどんなクルマなのか。
シャシーフレームからオールニューとなった新型は、2003年のデトロイト・ショーでコンセプトが姿を現した。仕掛け人は、フォードのデザイン担当副社長ジェイ・メイズ。日本には導入されていないが、'56年型のデザインを甦らせたサンダーバードを復活させたり、フォーティナインといったオールドスクールなコンセプトカーを次々に発表させた人物だ。そういえば2001年の東京モーターショーでインタビューしたとき、彼はフォードのヘリテージデザインの復刻を熱く語っていた。
ということからも察することができるように、新型マスタングはポニーカーと呼ばれた時代のデザインをうまく現代的に甦らせている。デザイン上のベースとなったのは'68年型。フロントからテールランプを含むリアエンドまで、当時のテイストがふんだんに盛り込まれている。
ボディサイズは従来とほぼ変わらないが、全長は若干延びている。ホイールベースが6インチ(約15cm)ストレッチされたからだ。居住性を見直した新パッケージングを採用したからだが、結果として前後重量配分52対48というグッドバランスも実現している。

エンジンは従来通りV6とV8の2本立て

'79年以来使い続けていたシャシーフレームを改めたことで、足回りもすべて新開発された。フロントのマクファーソンストラットは形式こそ従来と同じだが、キャリーオーバーされるパーツは一切なし。リアサスもまたリジッドアクスルを踏襲するも、4リンクから3リンクに変更される。
このあたりが面白いところで、トラックカテゴリーのエクスプローラーやエクスペディションが4輪独立懸架式となったにもかかわらず、パッセンジャーカーのマスタングはリジッドアクスルのまま。チューニング次第で乗り心地やパフォーマンスはどうにでもなると判断した結果だろうが、これによってドラッグレースに参戦するユーザーが続出するとも考えられ、フォードとしては保守的なファンの心理を尊重したに違いない。
そしてエンジン。新型に搭載されるユニットは2種類。ひとつは4リッターV6、もうひとつは4.6リッターV8で、ともにSOHCとなる。V6は従来の3.8リッタープッシュロッド式をリプレイスしたもので、狭角60度という設定からしてもそれをスケールアップしたものでないのは明らか。パワーも、196psから213psへと上がっている。
V8は'96年から'02年までのマスタング・コブラに使われていたアルミブロックをベースに開発されたユニットで、ヘッドまわりは新しく、4バルブのコブラ(こちらはツインカム)とは違い、3バルブとなる。これはF150ピックアップから引用したようだ。
さらに吸排気系は専用設計であり、バリアブルバルブタイミング機構を装備する。最高出力は304ps。レギュラーモデルとしては、マスタング史上もっとも高いパフォーマンスが与えられた。
ちなみに、グレードはエンジンの違いのままで、V6が「マスタングV6」、V8が「マスタングGT」となり、それぞれ「デラックス」と「プレミアム」という2種類のトリムラインが設定される。 |
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GTプレミアムはレザーシートが標準装備。試乗車は、さらにレッドインテリア(インテリアカラーアクセントパッケージ)が装着されていた。室内は予想外に広く、リアシートもそこそこ使えるレベルにある。
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サテン仕上げのアルミが随所に配されるが、これはインテリアアップグレードパッケージなるオプション。2眼式メーターの照明はなんと125色から調整可能。上記のレッドインテリアと合わせ、プラス157,500円となる。 |
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