

KEYWORD SPORTS|スポーツの定義

BMWビー・エム・ダブリューZ4
Z4

AUDIアウディTTクーペ
TT COUPE

MERCEDES-BENZメルセデス・ベンツSLK
SLK

スポーツカーに必要なのは
絶対性能か、ドライビングファンか。

新型SLKが上陸し、BMW気鋭のスポーツカーであるZ4、
そしてマイナーチェンジで大きく魅力を向上させたTTクーペとともに、
ジャーマンスポーツがいよいよ活気を呈してきた。
だが、スポーツカーのひと言でこの3台を表現するには
あまりにキャラクターが違いすぎる。では、どこがどう違うのか。

リポート|斎藤 聡|S.Saito フォト|菊池貴之|T.Kikuchi

 | MERCEDES-BENZ SLK

誰でもが安心してスポーツできるクルマ

SLK350は、素晴らしく乗りやすいクルマに仕上がっている。これはサーキットからワインディングまで全ステージで共通だ。とにかく最近のメルセデスのハンドリングは、W124以前の非常にバランスがよかった頃の操縦性を取り戻しているように思う。
ワインディングで驚かされるのは、ハイペースのスポーツドライビングを易々と可能にしているところだ。息を詰めるようにしてタイヤのグリップを探り、前後のグリップに気を遣いながらステアリングを切り込みアクセルを開けていくという作業はほとんど必要ない。エンジンのトルクバンドが広く、しかも7速ATが採用されているから、1速高めのギアを使ってコーナーを曲がっても、十分に力強い加速が得られるのだ。
操縦性は終始、弱アンダーステアをキープするが、感覚的にはとても旋回バランスがいいからアンダーステアを意識することはない。さらにタイヤのグリップ限界近くまで追い込んでいくと、徐々にフロントタイヤが逃げ気味になる。ステアリングインフォメーションは豊富だから、それを察知することは容易い。
そして、この領域に差し掛かったところで、いよいよESPが効き出す。実は、メーターパネル内のコーションランプが点灯する以前から徐々に制御は始まっており、初めはスロットル制御、次にブレーキ制御を行なってクルマが限界を超えるのを防いでくれるのだ。
このように、まったく運転にシビアなものを要求しないのがSLKというクルマだ。それが、ある程度のスキルを持つドライバーにとってはクルマの性能の8割くらいで走らせているような印象になり、結果としてクルマの性能を限界まで使い切って攻め込んだときの、あの達成感は希薄。ただ、冷静になってスピードメーターを見ると、自分でも驚くほどのハイペースで走っているのだが……。
一部のマニアックなスポーツドライビング派にとっては物足りないかもしれないが、それ以外の大多数のドライバーにとって、安心してスポーツドライビングが楽しめるというのは大いに魅力的に映るはずだ。しかも、絶対的なスピードで説得力を持たせることで、高い満足感も与えてくれる。それがメルセデスのスポーツに対する考え方なのだ。
メルセデスの思想は100年以上前から変わっていないのだろうが、アイテムとして限界性能の高いシャシーと、以前のように突然介入するのではなくフレンドリーな作動感のESPを得たことで、SLKはメルセデスが誇るスポーツカーに仕上がっているといえる。
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〇懐の深いシャシー性能
×すべてをコントロールできない
バリオルーフがもたらす高い重心位置やフロントに対して妙に固かったリアサス、突然介入するESPなどを改善、新型SLKの走りは目覚ましいほどの進化を遂げている。 |
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新開発となるメルセデスの次世代型V6は、このSLKに初搭載。排気量は3.5リッターで、スペックは272ps/35.7kg-m。存在をあまり意識させぬ、縁の下の力持ち的キャラクター。 |
Specification
■全長×全高×全幅=4090×1810×1300mm
■ホイールベース=2430mm
■車両重量=1490kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3497cc
■最高出力=272ps(200kW)/6000rpm
■最大トルク=35.7kg-m(350Nm)/2400〜5000rpm
■トランスミッション=7速AT
■サスペンション(F:R)=3リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/45R17:245/40R17
■東京標準現金価格=6,720,000円
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