KEYWORD HIGT-TECH|クルマか、ロボットか。

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A8 4.2 QUATTRO

MERCEDES-BENZ
ルセデス・ベンツS500
S500

次々投入される最新技術。
これからの高級車は何処へ向かうのか――。


各社の旗艦が揃うプレステージ・セダンクラスは、旗艦ゆえにその目指す地点が見え易い。とりわけ近年は加速の一途を辿る電子制御技術が惜しみなく投入され、このまま行けばクルマは遠からずロボット化してしまうのでは、とすら思わせる。ここではプレステージ・セダン3台を俎上に上げ、それぞれの“理想のクルマ像”を探ってみる。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura  フォト|郡 大二郎|D.Kori

MERCEDES-BENZ S500

メルセデスの信念を形にしたらこうなった


 メルセデスSクラスを選ぶなら、基本忠実路線でS350、贅沢に頑張ってS500というのが順当だ。見上げれば12気筒ターボを搭載するS600もあり、度肝を抜くパワー(ではなくトルク)狂騒曲を歌いあげるAMG路線もあるが、まともな神経の持ち主ならS500をもってトップレンジと解釈すべきだろう。
  あえて「まとも」と書いたのは、ベーシック仕様から各種のディーゼルも含んでS500までが、本来メルセデスが描いたビッグセダン像だからで、それ以上は「過剰」を味わうための、いささか常軌を逸した領域だからだ。
  それに対してS500が「まとも」路線のトップというのは、ここまで全モデルがタイヤもサスペンションも共通か、非常に似た仕立てになっているからだ。つまりS500までが、メルセデスの常識に沿ったビッグセダンの基本形ということになる。
  メルセデスの根本的特徴は、セダンやワゴンだろうと、クーペどころかSUVであろうと「それぞれである前にまずメルセデスであること」が社是となること。さらに「常にシャシーはエンジンより速くなければならない」ともされている。そういう観点で乗ってみると、S500は見事に全体のバランスが取れている。300ps以上のV8を積んでさえこうなのだから、基本的に共通のシャシーでパワーだけ減らした下位バリエーションなら、さらに十分以上の余裕を残していることになる。
  そんなS500には、ボディ各部にアルミも混用したとか、ことさら数字を標榜しないシングルカム3バルブを使っているとかの特徴も散見されるが、すでに見慣れ聞き慣れてしまったせいか、あまりインパクトは感じない。特にエンジンなど、これからの新しい波がどうなるか見えてこないし。
  にもかかかわらずS500がこの分野におけるオーソリティ的な存在感を放つのは、ハードウェア自体より作り手の態度に大きな余裕が感じられるからに違いない。信念を形にしたらこうなったと、誰もが納得してもいるのだろう。
 
MERCEDES-BENZ S500L
  成熟しきった総合バランス感

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特になし

 
3台の中で最も古いとはいえ、やはりそのステイタスは揺るがない。7速ATの7Gトロニックを搭載するなど、最新デバイスの投入に抜かりはないが、他2台と比べればロボット色は最も薄い。つまり、運転感覚の自然さは随一で、既存の価値観の中での最良のクルマ、といえるかもしれない。なお、比較に連れ出したのはロングボディのS500L。

Specification
■全長×全幅×全高=5165×1855×1445mm
■ホイールベース=3085mm  ■車両重量=1880kg
■エンジン種類/排気量=V8SOHC 24V/4965cc
■最高出力=306ps(225kW)/5600rpm
■最大トルク=46.9kg-m(460Nm)/2700〜4250rpm
■トランスミッション=7AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク ■タイヤサイズ=225/60R16
■東京標準現金価格=12,600,000円

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