

KEYWORD FUTURE|王道の行方。

BMWビー・エム・ダブリュー530i・Mスポーツパッケージ
530i M-Sports Package

AUDIA6 3.2 FSIクワトロ
A6 3.2 FSI quattro

MERCEDES-BENZメルセデス・ベンツE320アバンギャルド
E320 Avantgarde

それぞれが目指すベクトルの
先にあるものとは――。

時代や環境に左右されず、常にニュートラルな存在であり続けるEクラスの背中を追い、走りの歓びを核に大胆な変貌を遂げた5シリーズ。
そして、シングルフレームグリルを象徴とした新しいデザインを手に、
A6が二大巨頭へ挑む。熾烈な覇権争いが繰り広げられるアッパーミドルクラスにおいて、果たして王道の行き着く先とは――。

リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|郡 大二郎|D.Kori

 | AUDI A6 3.2 FSI quattro

情緒的なデザインで二大巨頭に挑む

アウディA6のフルモデルチェンジが、'04年の輸入車の大きなトピックだったことは間違いないだろう。それは、この新型A6こそ、好調の波に乗るアウディが、いよいよアッパーミドルのカテゴリーにおいて、これまでのニッチな存在からメジャーへと本格的に挑むモデルとして送り出されたからに他ならない。Eクラス、5シリーズという二大巨頭に、新興勢力がどのように挑むのか。果たして、そのカギはデザインにあった。
これまでのアウディは、優れた技術こそ己の最大の価値として、それをアピールの最上段に据えてきたが、少なくともここ日本においては、クルマ好きにはともかく一般へのアピール度は弱かった。おそらく、それはヨーロッパにおいても似たようなものだったのだろう。新型A6は、あのシングルフレームグリルに象徴されるように、これまでのクールなイメージから脱して、情緒的な、あるいはより強く主張を感じさせるデザインをまとって登場した。
スタイリングについては好みもあるだろうが、個人的にはこのグリル自体は割とすぐに目に馴染んだ。むしろ違和感があるのはプロポーションというかパッケージングの方で、ローフォルム化を図った分、ボディを前後左右に拡大することで室内空間を稼ぐという手法は、結果としてスタイリッシュではあるが、これまでのアウディの知的なイメージとは相容れなくも思える。しかし、それはすべて織り込み済みなのだろう。広く一般にアピールするには、分かる人にだけ伝わる知的なメッセージよりも、強い押し出しこそ大事なのだと、ワールドプレミアが行なわれたジュネーブ・ショーにてデザイナー氏は語っていた。
一方、これまでアウディを特徴づけてきた技術的な面においては、新機軸は見られなかった。しかしエンジンの搭載位置を下げるなど、あらゆる部分に丹念なファインチューンを施すことで、研ぎ澄まされた走行感覚を獲得している。象徴的なのは極端に軽いステアリングで、要するに乗り心地にしてもハンドリングにしても、従来のいかにもドイツ車的な重厚なタッチではなく、軽快感を強調した味付けとされているのである。
そんなA6の、あるいはアウディのコアバリューとは一体何なのだろうか。外観にせよメカニズムにせよ、洗練度を高める一方で、技術的先進性に関しては大きな進化のなかったA6を見ると、ここ数年で飛躍的に高まったブランドイメージという資産こそが、それになってしまっているようにも思える。いまはそれでもいいだろう。だが停滞は、すなわち後退でもある。いまも社是として「技術による先進」を掲げるなら、もっと先鋭的に突き進んでほしいと、僕は思わずにいられない。
|
|
| 

Specification
■全長×全幅×全高=4915×1855×1455
■ホイールベース=2845mm
■車両重量=1790kg
■エンジン種類/総排気量=V6DOHC24V/3123cc
■最高出力=255ps(188kW)/6500rpm
■最大トルク=33.6kg-m(330Nm)/3250rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:トラペゾイタル
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=225/50R17
■東京標準現金価格=7,000,000円
|