Sports&GTスポーツ&GT

BENTLEY
ベントレー・コンチネンタルGT

CONTINENTAL GT

ASTON MARTIN
アストン・マーティンDB9

DB9

ある意味で時代を象徴する、
ハイテク満載の高性能GT。


400psオーバーのハイパワーユニットを、最新のシャシー・テクノロジーが余裕たっぷりに受け止める。そんないまどきの技術革新が生んだ寵児ともいえるのが、スーパースポーツ並みのハイパフォーマンスと、上質な2+2のキャビンスペースを備えた高性能GTだ。
ここでは、敵国企業の軍門に下ったものの、巨額の資本と技術をもとに、英国伝統のスポーツカーブランドを復活へと導いた2台のGTを取り上げる。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura  フォト|望月浩彦|H.Mochizuki
 
エンジンパワーよりもシャシーコントロール

 '04年、日本に登場したスポーツカーとGTは、「素」の磨き込みと「これでもか」の二系統にはっきり分かれた。どちらも、ひとつの時代の締めくくりを意識しているかのようで興味深い。
 スポーツカーという非生産的な乗り物が将来どういう運命を辿るのか、今ここでは見通せない。全地球的な人口増加と過剰な開発、それに伴う爆発的なクルマの増加が、スポーツカーを生きにくくする可能性もある。
 そう、20世紀を見送ってからというもの、こういう遊びグルマの奥には、常に「今のうち」意識がある。だからこそ「スポーツカーはどうあるべきだったのか」を考えると、どこまでも原点に帰りたくなる。その意識の故郷は'60年代にあり、「スポーツカーって、こうだったんだよね」的なクルマが強く見直されたりするわけだ。
 一方、やがて確実に訪れる脱石油エネルギーの時代に向けて、これまで蓄積してきた内燃機関の技術を思い残すことなく使ってしまいたいという気分が、ドイツを中心とした「これでもか」軍団となって現れている。まったく呆れるほかはない馬力競争だが、ここで注目したいのはエンジンにまつわる数字ではない。実は、これほどのパワーを搭載しながら、それを確実に扱えるシャシー技術を自慢したいがための高性能バトルでもあるのだ。それをどこまで完遂できるかで将来のポジションも決まる。次世代へ向けての水面下の激闘は、すでに始まっているのだ。
BENTLEY CONTINENTAL GT

クルマ界のトレンドを行く
世界最速4シータークーペ


 コンチネンタルとは、ヨーロッパ大陸のこと。イギリスの富裕層が自らクルマを駆ってヨーロッパを旅するためのグランドツーリングカーだから、そういう名前のベントレーも生まれた。
 そして今、この目の前にある最新のコンチネンタルGTは、名実ともにそんな用途にぴったり以上のクルマと言える。最大のポイントは度肝を抜く動力性能で、メーカーの主張する最高速318km/hも掛け値なしだろう。アウトバーンで少し前が空いた瞬間、軽く踏むだけでメーターの針がすぐ280km/hを突破してしまう。もっとも、そんな限界領域でコンチネンタルGTを語るのは、それだけで真価を知らない証拠とも言える。これほどの動力性能を秘めながら、あくまで余裕を持て余しつつ、コートダジュールを悠然と流すのが本来の在りようなのだから。
 それより、このコンチネンタルGTの成り立ちこそ、今のクルマ界のトレンドであることに注目したい。○○テイスト+ジャーマン・テクノロジーの産物だからだ。クルマ作りの知識と情報がこんなに国境を超えて平準化した今、肝はデザインとブランドイメージ。それさえ独自性を守れれば、部品は定評あるものを選んで利用するのが一番に決まっている。セアト、ロールス・ロイス、クライスラー・クロスファイアなど、どれも○○テイスト+ジャーマン・テクだ。
 そしてコンチネンタルGTも、プラットフォームはVWの高級車フェートン、さらにはSUVトゥアレグやポルシェ・カイエンの直系で、それにVWグループ最大のW12エンジンや4WD機構を組み合わせた点で、最新の流れをしっかり掴んでいる。
 ただし、それゆえの限界も見えるのが惜しい。4段階切り替えのダンパーをどの位置にセットしても、通常走行ではバネ下で巨大な19インチ・タイヤが暴れ、それが乗員にまで伝わって、いささか品性を欠くことになる。着座位置もスポーツカーというよりは乗用車的に高い。その点ありていに言えば、フェートンの超高級クーペ仕様でもある。いや、それこそ80年前エットーレ・ブガッティに「世界最速のトラック」と揶揄された伝統の、今日的表現なのだろうか。
 
BENTLEY CONTINENTAL GT

 総合評価
★★★
 〇地上最速の高級実用ツアラー
 ×その正体は「フェートン・クーペ」

VWとのコラボレーションにより生まれた初めての果実がこのコンチネンタルGT。エンジンのベースはVWの6リッターW12だが、ベントレーが独自の再設計を行ないツインターボを搭載。6ATとフルタイム4WDとの組み合わせで、最高出力560ps/6100rpm、最大トルク66.3kg-m/1600rpmを発揮する。車重は2.4tオーバーとヘビー級ながら、0〜100km/h加速は4.8秒、最高速は318km/hに達するという、まさにベントレー史上最速のロードカー。東京標準現金価格20,895,000円(取材協力=ベントレーモータースジャパン



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