Specialityスペシャルティ

ALFA ROMEO
アルファ・ロメオ アルファGT

ALFA GT

MERCEDES-BENZ
メルセデス・ベンツSLK350

SLK350

ほかでは得難い“美しさ”に
目覚めたスペシャルティ。


時代とともに、その在り方や存在価値を大きく変えつつあるスペシャルティ。特にその中心的存在となるクーペは、実用性ではなく、他では得難いスタイリングに特徴を見出せるモデルが主流となりつつある。ここでは、その代表格であるアルファGTとSLK350にスポットを当てる。

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara  フォト|宮門秀行|H.Miyakado
 
時代とともに変わるスペシャルティの価値

 スペシャルティカーの世界は、時代とともに動いている。その中心となるクーペを見るとよく分かる。とくに'90年代の後半以降は、クーペに実用性が求められてきた。'90年代の前半に、2シーターのライトウェイトスポーツが各メーカーからデビューしたことの反動だったのかもしれない。2ドアのクーペであっても、後席に大人が乗れるスペースを確保し、荷物スペースも十分に備えたクルマが多かった。いわば2ドアセダンである。それでもセダンとは違う。2ドアであることがパーソナル感を強調し、生活感を排除していた。
 だが、ここ数年でスペシャルティカーの世界が変わってきた。フィアット・バルケッタやMG-Fの存在が希薄になり、BMW Z3がZ4に代わったこともあって、スペシャルティカーの世界でライトウェイトスポーツが主役の座を降りた感がある。それに伴い、クーペがよりクーペらしく、スペシャルティカーとしての価値に磨きをかけてきた。アルファGTやクロスファイアはその好例となる。さらに、クーペとオープン2シーター(あるいは2+2)とのクロスオーバー化が進んでいる。SLK350や307CCがそうだ。
 いずれにしても、ライトウェイトスポーツのように走りの性能をストレートに表現しているわけではない。もちろん、適度に刺激があり、質の高い走りを確保している。だが、スペシャルティカーの価値として際立たせたのは、まさに他にはない美しさなのだ。
MERCEDES-BENZ SLK350

新世代のスペシャルティらしいスタイリング

 スペシャルティカーは、スタイリングにメッセージを持つべきである。このSLKには、それがある。メルセデス・ベンツが走りに対して正面から取り組んだ、SLRの直系に位置づけられるようなスタイリングとなっているからだ。ノーズのデザインが似ているだけではない。前輪とAピラーのバランスがそう見せている。SLRの場合は、このスペースに完全にフロントミッドシップ化されたエンジンが搭載され、基本性能の段階で走りを際立たせる。
 SLKの場合は、実は前輪よりやや前寄りにエンジンが搭載されている。Cクラスのプラットフォームから派生したと思われるだけに、このあたりに手を加えようがないのだろう。そのため、前後重量配分も車検証の軸重から判断して54対46となる。
 つまり、SLRのような取り組みはしていないわけだ。直系と感じるのはスタイリングであり、それでも十分なメッセージとなる。スペシャルティカーは、それでいいと思う。スタイリングが特別であると感じれば十分だ。
 結果としては、メルセデス・ベンツに期待されるすべてが得られる。それこそ、ステアリングを切った瞬間にそう思った。とにかく、手応えがスムーズなのだ。このスムーズさは、ギアボックスの精度が本当に高くないと出せない。同様の手応えは、ギアの噛み合わせを緩めにすると出せるが、路面側から入力があると異音が生じたりするからだ。しかも、SLKはステアリングがセンターで落ち着いている。前荷重が重めとなるためもある。それでいて、過剰な節度感は伴わないので切り始めのスムーズさは損なわれない。
 コーナリングは、スタビリティを最優先している。基本的に後輪は、強かに路面を掴み続ける。この安心感は絶大だ。コーナーを攻めるようなぺースに達しても前輪から逃げ出すので、素直な感覚でアクセルを戻す(あるいはブレーキを踏む)だけでバランスのいい走りに復帰できる。
 新開発となる3.5リッターのV型6気筒エンジンは、フル加速するとかなり刺激的なサウンドを響かせる。このあたりは、いわば付加価値だ。その気になって高回転域を維持しようにも、6000rpm台に乗るとリミッターが効いてしまう。それよりも、余計な気遣いのないアクセル操作でトルクが充実した中回転域を使いながら、サウンドをBGM的に楽しみつつ走る方がいい。バリオルーフをオープンにすれば、それでも十分に光と風が刺激を増幅させてくれる。ここにも、新世代のスペシャルティカーらしい価値がある。
 
MERCEDES-BENZ SLK350

 総合評価
★★★
 〇SLRを思わせるスタイリング ×スポーツカーとしては期待ハズレ

Cクラスをベースに、バリオルーフを持つクーペ/カブリオに仕立てられたSLK350。ボディサイズは全長4090×全幅1810×全高1300mm、ホイールベースは2430mm。この数値は先代比で全長+80mm、全幅+65mm、全高+20mmとなり、ボディはひと回り成長。エンジンは新開発のV6DOHC24Vで、3.5リッターの排気量から272ps/35.7kg-mを発揮する。ミッションは7G-TRONICと呼ばれる軽量コンパクトな7速ATを搭載。SLK350の価格は6,720,000円(ダイムラー・クライスラー日本
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