MERCEDES-BENZ
SLK350

新世代のスペシャルティらしいスタイリング

スペシャルティカーは、スタイリングにメッセージを持つべきである。このSLKには、それがある。メルセデス・ベンツが走りに対して正面から取り組んだ、SLRの直系に位置づけられるようなスタイリングとなっているからだ。ノーズのデザインが似ているだけではない。前輪とAピラーのバランスがそう見せている。SLRの場合は、このスペースに完全にフロントミッドシップ化されたエンジンが搭載され、基本性能の段階で走りを際立たせる。
SLKの場合は、実は前輪よりやや前寄りにエンジンが搭載されている。Cクラスのプラットフォームから派生したと思われるだけに、このあたりに手を加えようがないのだろう。そのため、前後重量配分も車検証の軸重から判断して54対46となる。
つまり、SLRのような取り組みはしていないわけだ。直系と感じるのはスタイリングであり、それでも十分なメッセージとなる。スペシャルティカーは、それでいいと思う。スタイリングが特別であると感じれば十分だ。
結果としては、メルセデス・ベンツに期待されるすべてが得られる。それこそ、ステアリングを切った瞬間にそう思った。とにかく、手応えがスムーズなのだ。このスムーズさは、ギアボックスの精度が本当に高くないと出せない。同様の手応えは、ギアの噛み合わせを緩めにすると出せるが、路面側から入力があると異音が生じたりするからだ。しかも、SLKはステアリングがセンターで落ち着いている。前荷重が重めとなるためもある。それでいて、過剰な節度感は伴わないので切り始めのスムーズさは損なわれない。
コーナリングは、スタビリティを最優先している。基本的に後輪は、強かに路面を掴み続ける。この安心感は絶大だ。コーナーを攻めるようなぺースに達しても前輪から逃げ出すので、素直な感覚でアクセルを戻す(あるいはブレーキを踏む)だけでバランスのいい走りに復帰できる。
新開発となる3.5リッターのV型6気筒エンジンは、フル加速するとかなり刺激的なサウンドを響かせる。このあたりは、いわば付加価値だ。その気になって高回転域を維持しようにも、6000rpm台に乗るとリミッターが効いてしまう。それよりも、余計な気遣いのないアクセル操作でトルクが充実した中回転域を使いながら、サウンドをBGM的に楽しみつつ走る方がいい。バリオルーフをオープンにすれば、それでも十分に光と風が刺激を増幅させてくれる。ここにも、新世代のスペシャルティカーらしい価値がある。
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