Sedan&Wagonセダン&ワゴン

AUDI
アウディA6

A6

TOYOTA
トヨタ・クラウン

CROWN

HONDA
ホンダ・レジェンド

LEGEND

国産アッパーミドルセダンの
クオリティアップがトピック。


日本ではセダンがマーケット的にそれほど重要でないクラスとなって久しいが、それでもニューフェイスを振り返ればさすがにその台数は多い。中でもポイントはアッパーミドルクラスだったのではないだろうか。
「ゼロへの回帰」を謳ったクラウン然り、ホンダらしい斬新なテクノロジーで勝負をかけたレジェンド然り、特にジャパニーズ・ブランドが熱かった。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura  フォト|郡大二郎|D.Kori
高級かつ上質に見せることが重要となってきた

 2004年、日本のセダン界では新作が次々と発売された。ただし、だからといってクルマ全体に占めるセダンの存在感が増大したわけではない。かつてクルマの基本といわれたものが徐々に地盤を失い、どちらかというと保守派の拠点としての少数勢力というかワンノブゼムになった図式は、この十数年を通じて変わっていない。
 クルマが所有したり運転したりを主目的とするものから、何かの用途のために選ばれるものへと変質した結果であり、そのぶんミニバンなどが伸びたのは、健康なモータリゼーションの形と言える。
 その中で、'04年のセダンを貫く共通項は「質」の訴求だ。見た目でも走る感触からも、それまでより質的に高まったことを訴えるのが重要と考えられているらしい。逆に言えば、いかにも高級かつ上質に見せる量産技術が、ここに来て一気に普及したのかもしれない。ドイツ系の高価格車や日本の代表クラウンは言うに及ばず、ニッサンがサニーの後継車ティーダ・シリーズなどでコンパクト界にも高級イメージを積極的に盛り込んだので、さらにそう感じられる。
 こういう流れは、他の分野にも伝染する。すでにミニバン界でも「質」が大きなポイントになっている。そういう意味では、オーソドックスな存在としてのセダンは勢力挽回より、その在り方を放射することによって、クルマ界全体に刺激ときっかけを与える役目を演じているとも言える。 がよく分かる。ゴルフはいつの時代もゴルフなのだ。

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何より求められたのはホンダらしさの表現

 ホンダのビッグセダンとして、新型レジェンドは妥当な方向性を示している。いや、端的に言えば、これ以外の選択肢はなかった。というのも、この種のセダン・ユーザーは非常に保守的で、まず絶対に既成概念の枠を踏み外さない。だからビッグセダンはクラウンかセド/グロ(今度はフーガ)に決まっており、それは「トヨタかニッサンだから」が理由だったりする。その奥の理由も「トヨタかニッサンだから」なので、もはや議論すら成り立たない。あえてそこから出るとすれば、「上」すなわち輸入車への移行しかない。
 そんな分野にホンダ陣営から参戦するには、ただ上出来というだけでは駄目なのは、従来のレジェンドの実績が証明している。そこで強烈なインパクトを放ち、それが走行性能を大幅に引き上げる技術の産物、つまりホンダらしさの表現であれば、たぶん話も変わってくるだろう。そこで挑戦したのが究極の各輪個別制御フルタイム4WD機構。前後へのパワー配分を変えるだけなら珍しくないが、さらに左右後輪の間でも変えることで、コーナリング時に外輪を増速した結果、雪道でさえあれよあれよと呆れるほど簡単に曲がれてしまうのが最大のセリングポイント。もっとも、これも突然変異的に生まれたのではなく、もう10年以上も前から外輪増速の研究は続けられていた。
 すでにABSやESP、さらにはトヨタの電子制御ブレーキやメルセデスのSBCなどで知られているように、4輪それぞれ個別に制御することで、まだ眠っていたタイヤ本来の性能を引き出し、クルマの安定性を飛躍的に向上させるのが今のトレンド。それを減速側だけでなく加速側でも可能にしたのが新型レジェンドのSH-AWDなのだ。もはやクルマ形の走行ロボットと呼べる。これは三菱ランエボとも共通する考え方だが、特殊なスポーツモデルではなく一般的な用途のセダンに応用したことに大きな意味がある。技量の低いドライバーが不用意に困難な状況に直面しても最悪の事態は避けられるからで、しかも普段はそんな特殊なメカニズムの存在を感じさせない。これに慣れてしまうと、おそらくそれ以外の駆動方式には乗れなくなるだろう。
 
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 総合評価
★★★
凝りまくりの高性能4WD機構 ×風格を欠く外観

「2004-2005日本カー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた新しいレジェンド。走行状況に応じて、4輪それぞれの駆動力を独立して制御するという、世界初のSH-AWDの搭載が何より話題となった。その抜群の安定感と旋回性は、これまでに体験したことのない新感覚だ。3.5リッターV6VTECユニットは300ps/36.0kg-mを発生する。グレードはワングレードのみ。東京標準現金価格は5,250,000円。(取材協力=本田技研工業
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