
 Compact&Smallコンパクト&スモール
 VOLKSWAGENフォルクスワーゲン・ゴルフ GOLF
 BMWビー・エム・ダブリュー1シリーズ 1 SERIES
 NISSANニッサン・ティーダ TIIDA
 AUDIアウディA3スポーツバック A3 SPORTBACK
 OPELオペル・アストラ ASTRA
 秀作、力作が目白押し!
2004年はまさにコンパクトカーの
一年だった――。
 自動車業界にとって、そして世界にとって、これからの時代、最も重要な意味を持つのがコンパクトカーであることは間違いない。
そして2004年を振り返ってみれば、今後の10年を占う上で大きな鍵を握るクルマが続々と登場した1年だったということができる。
そう、やはり今回の特集はこのクラスから――。
 リポート|斎藤 聡|S.Saito フォト|郡大二郎|D.Kohri
 | すべてはゴルフを中心に回っている

ひと言で今年のモデルを括るのは難しいが、今年のコンパクトカーは「クオリティアップ」と「さらなる個性化」がキーワードといえるのではないだろうか。
クオリティアップの代表格は当然ゴルフで、Cセグメントのリーダーらしい王道的なフルモデルチェンジが行なわれた。品質感をグレードアップしており、また操縦性の面では、これまでの考え方を変えて積極的にリアサスを使い、4輪で曲がるモダンなハンドリングを身に付けた。そのレベルアップは相当なもので、ゴルフはもはや行き場を失ってしまったとか、見かけ上の派手さがないなどといわれているが、実はその内容は長足の進歩を遂げている。
品質の向上という点では、オペル・アストラもしかりだ。特別な新機軸は盛り込まれていないが、パーツの精度を高め、しっかりとした作り込みを行なうことで、クルマとしての完成度を高めている。
一方、個性化の最たる例としては、BMW1シリーズやルノー・メガーヌRS、アウディA3スポーツバックなどが挙げられる。全方位的に性能を上げるのではなく、それぞれのメーカーが持つ個性や特徴を引き出したクルマたちだ。
国産車ではニッサン・ティーダやマツダ・ベリーサなど、プレミアムを指向する新しい流れも出てきており、コンパクトカー市場は来年に向けていよいよ活発に推移しそうな気配がある。これからますます目が離せないだろう。
OPEL ASTRA
 考え抜かれたデザインと念入りな作り込みの勝利

地味な優等生が一転、いきなり存在感のあるイケメンの秀才に変身。そのくらいガラッとイメージを一新したのがアストラだ。キツい顔付きのフロントマスクも、エッジの効いたシャープなボディによくマッチして精悍な雰囲気を作り出している。ベクトラあたりから気配はあったが、オペルはアストラで本格的なデザイン改革に乗り出した。そんな印象を受ける。特徴的な顔付きとムードを持ってはいるが、実はシルエットはむしろオーソドックスで安心感すら伝えてくるあたりにも、アストラの高いデザインの完成度が伺える。
Cセグメントの中のアストラという視点でいえば、ライバルが王者ゴルフとの差別化を図るべく次々と個性的なデザインに乗り換えたところに、アストラは狙い澄ましたかのようにオーソドックスなスタイルで登場した――それがかえって新鮮だったともいえる。
アストラは中身も非常にオーソドックスなクルマであり、構成要素も取り立てて新鮮味のあるものはない。エンジンもターボ以外はキャリーオーバーだし、サスペンション形式も同様。フルモデルチェンジといっても、すべてを一新するような大掛かりなものではなく、大モノはありモノでまかなっている。ただし、それをきっちり組み上げることで、あるいは細部を念入りにリファインすることで、しっかりとクオリティアップを図っているのだ。
たとえばサスペンション。リアは依然としてトーションビームだが、ダンパーやスプリングのマッチングを図り、あるいはサス取り付け部回りの剛性アップやブッシュチューンを行なうことで、限界性能ではマルチリンクには一歩及ばずとも実用上不満を抱かせない良好な乗り味をもたらしている。そして、それによってもたらされたコストダウンの効果は、きちんとユーザーに還元されているのだ。
さすがに1.8リッターエンジンはもう少し滑らかに吹け上がって欲しい気はするが、それでも実用トルクは出ているし、加速性能にも不満は感じさせない。つまり瞬間の快楽を求めるのではなく、ベーシックな性能をきちんと引き出すことでクルマの魅力を引き出している。とても効率のいい仕事をしているのがアストラなのだ。 |
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