MG
エムジー・XパワーSVR
X-POWER SVR

公道を走るセミレーシンング

圧倒的なパワーと存在感

2002年のバーミンガム・ショーで発表されたMGのフラッグシップスポーツカーX-Power SV。
そのSVの美点を継承しつつ、パフォーマンスに磨きをかけた高性能バージョンがSVRだ。
では、このアグレッシブな2シーターの持ち味は? 早速、現地試乗リポートをお届けしよう。

リポート|佐藤久実|K.Sato フォト|MGローバー日本

MGのフラッグシップに相応しい叡智の結晶

 MGブランドといえば、コンパクトなライトウェイトスポーツカーのイメージが強い。しかし、X-Power SVR(SVはスポーツ・ヴェローチェの意)は、MGのフラッグシップモデルとなるかなり本格的スポーツカーだ。
 X-Powerは、MGの中でもレースとスポーツカーのみを扱う専門のディビジョンである。ちなみに、ル・マン24時間レースにも参戦している。SVRはロードカーだが、用いられる素材やスペック、そして作り方は、まさにレーシングカーのようだ。
 シャシーはスチール、ボディはフルカーボンで、ボディのみの重量はわずか65kgしかない。軽量で強度の高いカーボンがクルマに適した素材なのはレーシングカーに多用されているのを見ても明らかだが、市販車にはコスト高の要因となる点が最大のネック。SVRもけっして安いクルマではないが、10万ポンド以下でフルカーボンボディのクルマを作るというのは非常に画期的なことで、その素材と構造に対する賞もとっている。
 さらに、ペイント剤も飛躍的な進化があり、メタルと遜色のないクオリティの高い塗装表面を実現しているのも特徴である。
 SVRの生産でユニークなのは、シャシー、カーボンボディ、組み付け、塗装、といった各過程の開発、生産を、イタリア・モデナをベースに各々のスペシャリストに委託している点だ。それを統括するMGのチーフ・エンジニア、ジョルダーノ・カサリーニ氏は、かつてフェラーリF1チームやマセラティ、デ・トマソにおけるキャリアを持つイタリア人である。
 さて、SVRの心臓部には、5リッターV8エンジンを搭載。マスタング・コブラの16バルブDOHCをベースに、カナダのショーンハイランドがチューニングを手がけ、最高出力は400ps。トルクは52.0kg-mを発揮する。
 SVRの概要、あるいはルックスからは、レーシングカーさながらの気難しそうなクルマをイメージするが、実際は意外なほどフレンドリーだ。このV8は、ラフにアクセルを踏み込めば瞬時にテールスライドするほど強大なトルクを発揮するし、ドライバーが望めば背中を押されるような加速感も得られる。が、一方で普通にアクセルを開けていけば過剰なナーバスさはない。むしろ、大らかなアメリカンテイストが残されている。
 長いサスペンションアームはもちろんハンドリングにも寄与するが、一般道での乗り心地も十分な快適性を確保。もっとも、市街地を中心としたテストドライブではほとんど2速ギアを保っていたことを考えると、本気モードのパフォーマンスは計り知れないが。
 X-Powerは誰もが欲しがるクルマではないし、誰もが乗れるクルマでもない。でも、MGをこよなく愛する人や、他人と一緒はイヤで、自分だけのスペシャルなスポーツカーを望む人の琴線に触れるクルマなのは確かだろう。


Specification
MG X-Power SVR
■全長/全幅/全高(mm)
4480/1900/1320
■ホイールベース(mm)
2670
■トレッド(前/後)(mm)
1678/1626
■車両重量(kg)
1495
■エンジン種類
V8DOHC32V
■排気量(cc)
4996
■最高出力(ps(kW)/rpm)
400(294)/6000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
52.0(510)/4750
■トランスミッション
5MT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
F:225/40ZR18(8J)
R:265/40ZR18(10J)
■東京標準現金価格
¥20,000,000(推定)
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  シートは、レザー&アルカンタラのコンビになるレカロのセミバケットタイプ。ベルトは、デュアルモードのフルハーネスとなる。
シックなレザーとアルカンタラでまとめられたインテリアだが、随所にアルミやカーボンを配しスポーティなテイストも演出。カップホルダー(2個)が付くなど、実用的な面も。
  オールアルミ製90°V8の5リッターエンジンを搭載。SVに対して大幅アップとなるパワー&トルクは400ps&52.0kg-m。ミッションは5MTの他にATも用意、最高速は284km/hに達する。
  5スポークの18インチアルミに組み合わせるタイヤは、フロントが225/40ZR18、リアは265/40ZR18。強力なパワーを受け止めるため、ブレーキは大径のブレンボ製となる。
  エアロダイナミクスを追求したボディは、F1をヒントにしたフルカーボン製。なお、購入はSV(推定1,800万円)同様、受注販売となる。
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