What is Same?
What is Different?

新旧比較
最後の旧世代メルセデス
R170からの進化は想像以上に大きい。


先代SLK、コードネームR170が登場したのは'96年のことだった。その頃はメルセデスのクルマ作りが変わり始めたまさに初期にあたり、カジュアルかつファッショナブルな装いに戸惑いつつも、量産車世界初ととなるバリオルーフが話題になって爆発的人気を呼んだ。あれから8年。メルセデスは大きく変わったが、さて新型SLKは――

リポート|斎藤 聡|S.Saito  フォト|郡大二郎|D.Kohri
 
新開発のV6エンジンはふたたびDOHCに

 R170とR171は似て非なる別のクルマだ。旧型は、ユーノス・ロードスターの爆発的人気に感化されて開発されたライトウエイトスポーツ志向のクルマで、メルセデス流に軽快さを演出している。ESPで最終的なクルマの安定性を補完していたのはいかにもだが、このクルマはメルセデスにとっても冒険だったのではないかと思う。さほどパワフルではないエンジンを搭載し、風を感じ、うっすら額に汗をかきながらスポーツドライブを楽しむ。そこにファンがいるかという、トライアル的な部分があったのではないか。
 一方、新型はその答えといっていい。メルセデスは、ライトウエイトスポーツ的なクルマを作り続ける意味がないと判断したのだ。ボディサイズはコンパクトでも、先代よりはるかにパワフルなエンジンを搭載していることがその証拠。メルセデスはいまパワー競争の真っ直中にあるのはご存じの通りで、SLKもそれに倣う方向にキャラクターをシフトしたと考えていいだろう。もしかしたら、先代のようなパワー志向に背を向ける車種を作ることが出来なかったという、何か社内的な事情があったのかもしれない。だが、いずれにしても、「コントロールする刺激」ではなく「パワーによる刺激」を選んだということだ。
 では旧型は失敗作なのか、というとそれはまた別の話。メルセデスが作る軽快でマイルドなスポーツカー像はR170に集約されており、それはそれで味のあるクルマだった。正直いって、旧型初期モデルの雑な足回りは好きになれなかったが、マイナーチェンジ後のハンドリングは決して悪くないし、独特のムードを持っている。
R170(1996)
 
R171(2004)

  先代とはまったく違うクルマ。
そしてわれわれが求めていたのは、間違いなくこの新型である。

  ボディはひと回り大きくなったが、それでも小粋なたたずまいは先代同様。エキゾーストパイプは左右に配され、SLK350がシングル出しの計2本、SLK55AMGがデュアル出しの計4本。


ボディは全幅を含めてコンパクト。2000年のマイナーチェンジでは前後バンパーのデザインを変え、最新のメルセデス車に通じるエレメントが数多く盛り込まれた。ボンネットのパワードームは300SLを模したもの。


ボディはひと回り大きくなっている。ロングノーズ&ショートデッキのスタイリングは先代同様だが、F1マシンにインスパイアされた「F1ノーズ」や、ボディサイドの“Z”形キャラクターラインが新鮮に映る。

ENGINE
 
SUSPENSION

3.2 liter V6SOHC18V/R170
3.5 liter V6DOHC24V/R171
SOHCからDOHCへ。エンジンは完全新開発
メルセデスの6気筒が直6DOHCからV6SOHCにスイッチしたのは'97年。そしてこのSLKから、さらに次世代のV6が登場した。吸排気の可変バルブタイミング、インテークモジュールに空気供給量を2段階に調整する機構や混合気の流速を調整するタンブルフラップなどを備え、それらを高度に制御することでパワーと燃費を両立しているのだ。

DABBLE WISHBONE/R170
3 LINK/R171
Cクラス同様のクイックなハンドリングのために
リアはマルチリンクで形式的には同じだが、フロントはダブルウイッシュボーンから3リンクのストラットに変更。これはベースがW202型CクラスからW203型Cクラスになったから当然といえば当然だ。ステアリングもボールナット式からラック&ピニオン式となり、クイックなステアリングフィールを目指してチューニングされている。
VARIO ROOF
TRUNK ROOM

R170
R171
開閉時間は3秒短縮。リモコンキーでも操作できる
先代SLKの華は間違いなく量産車世界初の電動格納式ハードトップ、バリオルーフだった。バリオルーフはその後、SLに採用されるにあたりリアガラスが反転することなく格納されるシステムとなり、新型SLKでもこれが踏襲されている。開閉時間は25秒から22秒に短縮(SLは16秒)。リモコンキーで操作できるのは、悦に入りたいユーザーに朗報だ。

135-338 liter/R170
185-277 liter/R171
ルーフオープン時にもスペースは犠牲にならず
リアウインドーが反転せずに収納されるようになったことで、クーペ時とオープン時のトランク容量の差が少なくなったことが新型のトピックだ。ただ、クーペ時の容量は先代の方が50リッターも広いから、実際に使い勝手が向上したかどうかについては疑問も残る。荷物とルーフのパーテーションは巻き取り式のカバーから引き出し式のボードに変更だ。
Specification
SLK350(R171)
SLK320(R170
■全長/全幅/全高(mm)
4090/1810/1300
4010/1745/1280
■ホイールベース(mm)
2430
2400
■トレッド(前/後)(mm)
1525/1550
1490/1485
■車両重量(kg)
1490
1400
■エンジン種類/種類
272/V6DOHC24V
112/V6SOHC18V
■排気量'cc)
3497
3199
■最高出力(ps(kW)/rpm)
272(200)/6000
218(160)/5700
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
35.7(350)/
2400-5000
31.6(310)/
3000-4600
■トランスミッション
7AT
5AT
■サスペンション(F:R)
3リンク/コイル
:マルチリンク/コイル
Wウイッシュボーン:
コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)(F:R)
225/45R17:
245/40R17
205/55R16:
225/50R16
■東京標準現金価格
\6,720,000
\5,985,000(最終モデル)
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
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