
堅実な消費者が支えるミドルセダン市場と、ほとんどを保守的なカンパニーカー需要が占めるプレステージセダン市場の間にあってもっとも進歩的な消費者が多いとされるのが、このアッパーミドルセダン市場だ。
だからこそ各メーカーは続々と新技術を導入し、革新的なデザインを与えることが可能となる。
だが、ときに伝統と革新は齟齬を来す。
オリジン重視のブランド時代に、それぞれの相関関係はどう変わったのか。
リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|郡大二郎|D.Kori
 |

このセグメントは、プレミアムであることを基本とし、メルセデス・ベンツEクラスとBMW5シリーズに対し、常にほかのブランドが新たな価値を見出しつつ挑んできた。その意味で、ベンチマークはEクラス、あるいは5シリーズであったが、近年になって位置付けに微妙な変化が生じている。ベンチマークであった5シリーズ自体が、揺るぎないと考えられてきた価値を革新したからだ。
以前からBMWにはそうした理念があったが、これまでは内に秘めていた。だが、現行モデルの5シリーズは革新的な姿勢を一気に前面に押し出してきた。どちらかといえば控えめだったデザインを一新し、数々の先端技術を投入している。ただし、先端技術には独自のこだわりが貫かれているだけに、このクラスのベンチマークとなるかどうかは定かではない。つまり、ベンチマークを越えることを目指すチャレンジャーの追撃をかわしたようにも思える。
一方、チャレンジャーの先鋒であったアウディもA6以降のモデルは存在感を際立たせるデザインに一新した。クワトロシステムを持つという技術的な優位性を価値としてきた立場から踏みだし、デザインにおいて表現手法が異なるとはいえEクラスが守ってきた価値を脅かしつつある。ジャガーSタイプもデザインが価値となり、欧州では高い評価を得ている。
日本車も見逃せない。とくに、クラウンマジェスタが示す走りの進化は長足の感がある。
|
|
|
 
 |
 |
 |
 |
今年フルモデルチェンジしたばかりの、クラス最新のニューカマー。大きな技術的トピックスはないが、ボディサイズはひとまわり拡大、知的なデザイン+4WD(クワトロ)の走破性という持ち味に、さらに磨きをかけてきた。エンジンラインナップは2.4リッターV6(FF)、3.2リッターV6直噴(クワトロ)、4.2リッターV8(クワトロ)の3種類。トランスミッションは全車6速AT。MMIと呼ばれる車両コミュニケーションシステムは、全車に標準装備される。
specification
■全長×全高×全幅=4915×1855×1455mm
■ホイールベース=2845mm
■車両重量=1850kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC40V/4163cc
■最高出力=335ps(246kW)/6600rpm
■最大トルク=42.8kg-m(420Nm)/3500rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=245/40R18
■東京標準現金価格=8,850,000円
(アウディジャパン) |
|