Dセグメントは先頃マイナーチェンジを敢行したCクラスを中心に、
その地位を脅かしつつあるA4、永遠のライバル3シリーズ、さらには北欧のニューフェイスS40、イタリアの雄アルファ156、そして日本代表のアベンシスを加えた6台の中からベンチマークを選ぶ。とはいえ個性の強い6台だけに選定は非常に悩ましく――

リポート|島下泰久|Y.Shimashita  フォト|宮門秀行|H.Miyakado


 注目すべきニューカマーが多数登場し、また急速に多様化、拡散化が進むCセグメントに較べれば、Dセグメントは今、穏やかな状況にある。無論、まったくの無風状態というわけではなく、近い将来にはアウディA4のマイナーチェンジやBMW3シリーズのフルモデルチェンジといった大きなトピックは控えているが、それとて勢力図を一変させるというものではないだろう。
 そんなDセグメントにて、あるいは一番アグレッシブな姿勢を見せているのが、メルセデス・ベンツCクラスではないだろうか。Cクラスが目の敵としているのは、言うまでもなく3シリーズ。ヨーロッパでも日本でも、このクラスだけはBMWに歯が立たず、モデル末期の3シリーズにセールスで及ばない状況なのだから、意識するのが当たり前というものだが、この夏に行なわれたマイナーチェンジの内容から窺える、その対抗意識は、まさに剥き出しと言っていいほどの強烈さである。
 いや、確かに見た目の変化は小さいし、変更内容を読み込む限りは、通常のリファインの範疇と思えるのも確かだ。しかし肝心なのは、3シリーズや他のライバルたちに対抗するために、スポーツだダイナミックだといった価値観を、これまでなかったほど強調しはじめたことにこそある。
 その一方で、A4も3シリーズも、現時点で十分な成功を収めているだけにモデルチェンジで見た目やサイズが変わっても、肝心な立ち位置はそう大きくは変えてこないはずだ。そんな相対関係をCクラスだけが、あるいは自らのあり方を大きく変化させてまで掻き乱そうとしているという構図が、そこには見えるのだ。
 もちろん、Dセグメントの主役はこの3モデルだけではない。車種のバラエティでは、ここが最多のカテゴリーである。では、そのDセグメントの現在の勢力図は一体どうなっているのか。Cクラスの変化はそれをどう変えるのか、変えたのか。それを探るべく集めたのは、以下の6台である。
 まずドイツ・プレミアム御三家からはメルセデス・ベンツC230コンプレッサー・アバンギャルド(以下『C230K』)、BMW320iの限定車“スポーティダイヤモンド”、そしてアウディA4 1.8TクワトロSEを。さらにスウェーデンからボルボS40T-5、イタリアからアルファ156の限定モデルで、2.0JTSをベースにした“リネアロッサ”、そしてヨーロッパで好評を博している、イギリス製日本車(?)のトヨタ・アベンシス・セダンLiという組み合わせだ。
 


全天候型のクワトロ
システムが魅力であり利点でもある

スーパーチャージャーとターボという違いこそあれ、1.8リッター直4DOHC+過給器という成り立ちは最もC230Kに近い。一方、パワートレインに採用されたアウディのお家芸でもある4WDシステムは圧倒的なスタビリティを確保、それでいて回頭性も良好だ。“先進”というイメージを手に入れる意味でも、選ぶ価値はある。トランク容量は445リッター、凸凹のないスクエアなラゲッジ形状も○。


操縦性は一線級
クルマとの対話を、心ゆくまで楽しめる

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