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なぜ450psものパワーをポルシェがSUVに投入したかといえば、そのブランドイメージのためにほかならない。アメリカを中心に大流行の高級SUV界に最後発として乗り込むには、そしてポルシェが伝統の枠を無理やり拡大してまでSUV界に参入することを納得させるには、カテゴリーで一番の動力性能を発揮しないわけにはいかないからだ。その上で、高級セダンとしての装備と居住性、高級ワゴンとしての多用途性、GTとしての走行性能にクロカンとしての万能性を兼ね備えるクロスオーバー時代への布石を打ったとも考えられる。
しかし実際にはカイエンはスポーツカーでもGTでもなく、荒れ地や凍結路面も無事にこなすべきSUVなので、いくら高出力といっても、アクセルを踏む快感だけ追い求めてはいられない。鋭いレスポンスや明快なメリハリなど、むしろ逆効果だからだ。4.5リッターのV8ツインターボ自身もそれをわきまえ、高いボンネットの奥できわめて地味かつ事務的に仕事をこなす。どこでも速くデレッと行けるのが、ここまで高性能化したゆえの余力あるいは余祿だろう。
それよりこのエンジンの場合、普通では考えられないほどクルマが傾いてもサンプからのオイルの吸い上げが途切れないなど、ちゃんとSUVの限界まで見極めた設計であることを評価すべきだ。もちろん水深50cm以上の渡河にも耐える。急激に冷やされるクランクケースやトランスミッションのブリーザーにまで細かい神経を配らなければならないから、開発には手間隙かかったに違いない。
そんな種々の条件を考えたうえでも、もちろんパワフルはパワフルだ。だからこそ、乗る側のモラルが問われるクルマでもある。この巨体を266km/hで突進させてくれては、煽られる立場としては迷惑千万だからだ。
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ポルシェ第3のレンジとして、'02年に発表されたカイエン。ポルシェと聞けばオンロード向けのスポーツカー的SUVを想像するが、実際はオフロードの走破性までを完璧に備えたクロスオーバーカー的キャラクターを持つ。VWと共同開発されたことでも知られ、VWトゥアレグとは兄弟車。だが、より高いボディの剛性感やレスポンシブなエンジンは、やはりポルシェというべきものだ。現在、セールスは世界的に絶好調だ。


Specification
■全長×全高×全幅=4800×1950×1700mm
■ホイールベース=2855mm
■車両重量=2480kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ツインターボ/4510cc
■最高出力=450ps(331kW)/6000rpm
■最大トルク=63.3kg-m(620Nm)/2250-4750rpm
■トランスミッション=6AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=255/55R18
■東京標準現金価格=13,125,000円(ポルシェジャパン)
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