ポロは、ボディの剛性感の高さが走りにも現れている。言葉を変えれば、いい意味で重厚なのだ。このあたりは好みの問題であり、クラスを超える落ち着きや快適さを期待するなら、ポロは最良の選択となる。ただし、ベーシックカーらしい軽快感は得られない。
 フィエスタは、この点をベンチマークとして研究したのではないだろうか。ボディの剛性感を備えながら、ベーシックカーらしい走りの一体感を得ている。
 メリーバは微妙だ。剛性感の面では十分とはいえず、走りでは背が高いというハンディがあり、車重も軽くはない。ところが、ハンドリングではそれを見事に克服。素直な応答性を実現し、やや大きめのロール感は意識するものの、危なっかしさとは無縁だ。ルーテシアも、メリーバと似ている。4輪がしたたかに粘るシャシーを備え、ポロのような重厚感はないが、ハンドリングは正確かつ素直だ。
 C3は、206よりも新しいプラットフォームを採用する。ただし、試乗車はオプションのスカイルーフを装備していたので、ロール感が少しばかり不自然。屋根に20kgも重しを乗せているのだから無理もない。コーナリング中に路面のうねりを拾うと、ロールだけではなくヨーにも影響がおよぶ。無論、気持ちよくコーナーを駆け抜けるといった程度のペースであれば、あまり気にはならないが。
 206は、シュタッと路面に吸い付くようなプジョーならではの走りを示す。ボディの剛性感が高いわけではないのに、荒れた路面でも衝撃をスムーズにかわす。
 そして、プント。イタリア車ファンの皆さん、お待たせしました。今回のなかで、ステアリング操作に対する応答性は最も軽快だ。不思議なことに、サスペンションの設定はソフトであり、コンプライアンスも大きめに取ってあるらしく、全体としてはブニョっとした印象がある。なのに、クルマの鼻先はスッと向きを変える。市街地をキビキビと走り抜けるには、打ってつけのハンドリングといえる。
 本来は、そういった走りのリズムに合うミッションはMTなのだろうが、このプントはCVTを組み合わせる。エンジンもイタリア車らしい“回りたがり”ではなく実用域のトルク重視なので、CVTの効果を発揮しやすい。
 
スモールカーというよりは「スモール・モノスペース」と表現した方がしっくりくるメリーバ。クラスとしては大柄なボディとなるが、ベースがヴィータであることを考えれば、ポロの競合車といっていいだろう。日本に導入されるモデルは1.6リッターエコテックエンジンに「イージートロニック」と呼ばれるシーケンシャル5速MTを組み合わせたモデルのみ。その1.6リッターユニットは100ps/6000rpm&15.3kg-m/3600rpmのパワー&トルクを発揮する。
C5に続く新世代シトロエンの第2弾として上陸したC3。ラインナップは1.4と1.6の2タイプが用意されるが、今回の試乗車は1.6リッターモデル。これには「センソドライブ」と呼ばれる2ペダルのシーケンシャル5速MTが組み合わせられる。その1.6リッターエンジンは110ps/5800rpm&15.3kg-m/4000rpmを発揮。また、試乗車はコンフォートパッケージ仕様で、レザーシートなどが奢られていた。スカイルーフと呼ばれるサンルーフもオプション設定となる。
欧州ではポロに優るとも劣らない人気を誇るフィエスタ。長い歴史も持ちながら、日本へは導入されてこなかったが、今年ようやく上陸を果たした。ラインナップされるのは100ps/6000rpm&14.9kg-m/4000rpmを発揮する1.6リッターエンジン搭載の2モデルで、今回は上級グレードとなるGHIAを連れ出した。全体を貫く質感や精度の高さ、走りの質といった面でポロに最も近い存在であり、価格の面からも直接のライバルといっていいだろう。
 
昨年、フェイスリフトを中心としたマイナーチェンジを受けたプント。その際にラインナップも一新され、エモーション“スピードギア”とHGTという2モデルに改められている。試乗車は1.2リッターを搭載するエモーションで、パワー&トルクは80ps/5000rpm&11.6kg-m/4000rpm。これに「スピードギア」と呼ばれる6速マニュアルモード付きCVTを組み合わせる。6台のなかでは、良くも悪くもラテンの血をもっとも色濃く感じさせるモデルだ。



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