
ポロがクラスのベンチマークであることは疑いようのない事実だ。
特に日本においては、輸入販売台数がそれを確かに証明している。
ここではそんなポロを基準に6台のスモールカーの実力を判定してみた。
果たして、そこから見えてくるのはライバルの強さ? それとも……。
リポート|萩原秀輝|H.Hagihara フォト|宮門秀行|H.Miyakado
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ベーシックカーは日常の道具。だから、機能最優先でもいいはずだが、実際にはそうでもない。見た目の質感には南北格差がある。ポロをベンチマークにして同クラスの競合車を評価すると、この点で南側代表のプントは比較のしようさえない。フィアット自身も、市場のニーズを踏まえ質感の向上を重視していない……と思う。インテリアの樹脂類はテカテカと光り、合わせ部分の段差も大きい。
その目をフランス車に移すと、あまり質感を気にしていないと評していたC3が随分と立派に見える。だが、相変わらずリアのフロア回りの樹脂類が異音を発する、立て付けの悪さが気になる。質感よりも荷物スペースの使い勝手の方が大切で、フランスも南側ヨーロッパに含まれるということだ。
206も、見た目の質感についてはクラスの平均レベルといったところ。ただ、試乗車となったスタイルはコンビネーションカラーのインテリアを採用していたので、意外なほど洒落っ気もあった。
ルノーは、もともと質感についてはフランス車で最高レベルだけあり、ルーテシアは見た目の満足度がかなり高く、ベンチマークのポロを超えている。布地の使い方が巧みで、しかもセンスがいい。
メリーバは、実用性最優先のオペルらしく見た目の質感は二の次だ。多彩なアイディアを備えるリアシートや荷物スペース回りから、C3と同様の異音が発生する。ドイツからは北側ヨーロッパと考えると、オペルは少しばかり異質なのかもしれない。
さて、フィエスタである。果たして、欧州フォードはどの国のクルマなのだろうか。開発拠点はイギリスとドイツにあり、フィエスタの生産はスペインで行なわれる。だが、見た目にはよくできたドイツ車だ。その質感は、ベンチマークとなるポロと並ぶ。とくに、試乗車となったギアはベージュ系のインテリアカラーを採用するため、なおさらそう見える。
ポロは、ベーシックカーの中では最高レベルの質感を備える。ただ、あくまでも質感が高いのであって、上級クラスのような高級素材を使っているわけではない。ボディにしろインテリアにしろ、工作精度の高さが仕上げのよさに結びついている。樹脂類のシボの表現方法なども巧みだ。だからこそ、ベンチマークとなるわけだ。
さて、見た目はどうあれ、使って便利ならそれでよしと考えている南側のクルマたちの実際はどうか。プントは、パッケージングにしても特別なアイディアがない。たとえば、ホイールベースはクラスの平均レベルだが、後席の足元スペースは狭い。だが、荷物スペースは広い方なので理屈には合う。
C3は、パッケージングが現代的であり、室内スペースはベンチマークのポロよりも広い。天井を高くしてそう感じさせている。206は、この点ではプントとあまり違わない。ただ、プントにしてもそうだが、シートの造りはいい。前席はサイズも大きく、大柄な体格でも背中全体がフィット。見た目よりも機能最優先なのだ。
ルーテシアも、パッケージングはありきたりだ。シートの造りはいいが、後席のスペースは足元が狭い。逆にメリーバは、最新のパッケージングを採用するだけあって後席のスペースが広く、ポロにも勝っている。ただ、アイディア満載の後席は座り心地に不満がある。機能をシンプルにしてクッションを厚くし、座り心地を優先させた方が満足度は高くなると思う。
フィエスタは、体格を問わず最適な運転姿勢が得られる調整機能を備える点だけで、早くも親しみがわいてくる。このクラスではボディサイズがやや大きめなためもあって、室内スペースも広い。大柄な男性が4人乗車することにも耐えられるはずだ。
ポロは、パッケージングに新しさがあるわけではないが、乗った瞬間に安心感を抱く。シートに腰を降ろした時点で、いかにもボディがシッカリしていそうな感じがする。実際にその通りであり、剛性感の面でポロに追いついているのはフィエスタだけだ。 |
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| ライトスイッチやウインカーレバーなどはメルセデス用がそのまま使われるが、独自性を出す努力の跡は認められるインテリア。メーターは、ブラックの盤面にホワイトのレタリングを組み合わせ、精悍なイメージだ。 |
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