カレラGTやガヤルド、といったスーパースポーツが
猛威を振るった昨年と比較すれば、
全体に穏やかな雰囲気だった今年のジュネーブ。
これは目玉といえるニューモデルの大半が
フォトデビューを済ませていたせいもある。
だが、そうはいってもワールドプレミア・モデルは多数。
'04年、欧州の春はやはり暖かかった。


リポート|小野泰治|T.Ono
フォト|望月浩彦 | H.Mochizuki | 柴田幸治 | K.Shibata

 大きな弧を描くルーフライン、シックスライト・ウインドーなどは先代から踏襲しつつ、よりスポーティで力強い雰囲気となった新型A6。そのボディサイズは、従来より大幅に拡大された。全長は121mm伸びた4916mm、全幅はプラス45mmの1855mm、そして全高はプラス9mmとなる1459mm。ホイールベースも83mm伸ばされ2843mmとなっている。この拡大分は、室内空間のゆとりに振り向けられていて、リアのニールームはもちろん、ショルダー部も従来より広くなった。
 搭載するエンジンだが、ガソリンは2.4リッターのV6(177ps&23.4kg-m)がベーシック。その上に3.2リッターFSIのV6(255ps&33.7kg-m)、そして335ps&42.8kg-mを発揮する4.2リッターのV8がラインナップ。欧州で必須のディーゼルはV6の3リッター、2リッターの直4という2タイプのTDIが用意される。
 これらパワーユニットに組み合わせるミッションは3タイプ。6速のMT&AT、そして7速マニュアルモード付きのCVTだ。日本市場には縁がないと思われるが、この中でのトピックは6速MT。新型A6では、シフトストロークが大幅に短縮された「MLギアボックス」が採用されている。
 捻り剛性が34%アップしたというスチールボディに吊られる前後サスはフロントが4リンク、リアはトラペゾイダル・リンクで、これはA8から流用したもの。現状は金属スプリング仕様のみだが、'05年にはエアサスもラインナップに加えられるという。
 
従来モデルと比較すると、より立体的になった新型A6のリアビュー。サイドのプレスラインと連携した造形のリアコンビランプ間にはクロームストリップを配し、ワイド間を強調。
エンジンは、3タイプのガソリンユニットと2種類のディーゼル(TDI)がラインナップされる。写真はガソリン系の主力となる3.2リッター のV6FSI。
A8同様、MMI(マルチメディア・インターフェイス)を採用するインパネ。新意匠のステアリングは、フロントグリルの形状を反復させたデザイン。
新世代アウディのアイデンティティとなるシングルフレームグリル。そして、張りのあるショルダーラインでスポーティな雰囲気を演出するエクステリア。



A6を手掛けた和田 智氏が語る、スタイリングのポイント

「従来モデルと比較すると新型のデザインは「静」から「動」への転換を意味しています。ファンクショナルであることに変わりはありませんが、よりスポーティでダイナミックなテイストに仕上げています。今後、アウディデザインのアイデンティティとなるシングルフレームグリルは、エモーショナルでダイナミックというムーブメントを象徴する存在ですが、アウディだと明確にわかる「顔」を持ちたい、という意思表示の現れでもあります。アウトウニオンですか? いえ、レトロな要素は意識していません。ヨーロッパのデザインは、意味のないことはやらないんです。ですが、見る人によってそうしたバックグラウンドが意識されるというのはプラスだとは思いますが。また、従来までのアウディデザインは、知的な雰囲気が評価される一方、冷たいというイメージを持たれがちでした。そこで、このA6ではクールさの中にも親しみやすさというか、人間味を感じさせるテイストを盛り込んでいるんです」

 
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