ひと口にラージ・セダン
といっても、そのキャラクターは 文字通り千差万別。
あくまでドライバーズカー仕立てのものもあれば、
完全にショーファー・ドリブンを前提としたモデルもある。
価格についてもピンキリ。唯一、共通点を挙げるなら、
それはビッグセダンならではといえる優雅さだろうか?

※スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 

 ファントムは、BMWの強力なバックアップから生まれた新生ロールス・ロイスの第一弾。往年のモデルを彷彿とさせるネオクラシックなエクステリアだが、もちろん中身は最新技術のオンパレード。その多くはBMW7シリーズ用がベースだが、単なる流用ではなくテイストは上手にドイツ語から“キングス・イングリッシュ”に「翻訳」されている。460psを発生する6.8リッターのV12エンジンは、ひたすら静かに粛々と回り、吹け上がりはまさにデッドスムーズ。滑らかな乗り心地も、ロールス・ロイスというブランドに寄せられる期待を裏切らない。全長は5.8mオーバー、全幅も2m近い巨体ながら、アップライトな着座位置の恩恵か車両感覚は掴みやすく、よほど狭い場所でもない限り持て余す心配もない。
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  圧倒的存在感のボディは、全長5835×全幅1990×全高1655mm。車重は2600kgにもなる。最大の輸出国、アメリカではほとんどがドライバーズカーとして使われるそうだが……。
  前後ドアは観音開き。室内のフロア位置は高めだが、その分乗り込みの際にサイドシルの存在を意識させられることはない。シートは分厚いソファーの趣。
  大径かつ細身のグリップを持つステアリングは、まさに往年のロールス風。ウッドパネルは6種類から選べる。日本仕様の価格は、41,000,000円。
  バルブトロニック機構が付くV12は、滑らかなフィールが美点。排気量は6749cc。最高出力460ps/5350rpm、最大トルク73.4kg-m/3500rpmを発揮する。
  タイヤは、ミシュランのPAXシステムを採用したランフラット。センターキャップはフローティングマウントで、常にR-Rマークが正対する凝った作り。


 事実上、ロールス・ロイス&ベントレーに独占されていた超高級車市場にダイムラー・クライスラーが送り込んだ「第三の男」がマイバッハ。その名前は戦前の超高級車に由来するが、メルセデスSクラスのさらに上、という位置付けだけにボディサイズは堂々たるもの。標準ボディの57は全長5728×全幅1980×全高1573mm。ホイールベースは3390mmで、それを437mm延長した62の全長は6165mmにもなる。しかし、Sクラス用からさらに50ps&10.2kg-mのパワー&トルクを上乗せした5.5リッターのV12ツインターボは巨体を苦にしないどころか、俊敏と表現できる身のこなしを実現している。全体のライド感はSクラスの延長線上という趣だが、こちらはより重厚かつしっとりした乗り味に仕立てられている。
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  57でも、その車重は2735kg。販売方式はインポーターによる直販、という異例な手法が採られる。57の価格は、右ハンドルが40,700,000円。左ハンドルは41,980,000円。
  メーカーによれば、この57はドライバーズカーという位置付けだそうだが、それでも室内は持て余すほど広い。ロールスと比較すれば、着座感はごく普通。
  インパネのレイアウトは、Sクラスとほとんど同じ。ただし、細部に至るフィニッシュは当然ながら別格。ウッドパネルは3種類から選ぶことができる。
  パワーユニットは、5513ccのV12ツインターボ。パワー&トルクは、550ps/5250rpm&91.8kg-m&2300〜3000rpm。Sクラス用よりもひと回り強力だ。
  こちらはロングホイールベース版の62。車重は2855kgと3t近い。日本仕様の価格は、左ハンドルで47,100,000円。右ハンドルは48,380,000円。

 導入当初から右ハンドルを用意、本国仕様とはバンパー形状を変え全長を詰めるなど、日本市場への積極的アプローチでも話題を呼んだセビル。走りも、先代よりインターナショナルな性格が色濃い。もっとも、それは従来型と比較すればの話。ならではの大らかさは十分楽しめる。FFセダンらしからぬ、伸びやかなエクステリアも依然魅力的だ。現在の導入モデルはスポーティグレードのSTSのみ。本国ではすでに後継も発表済みだけに、この世界が新車で楽しめるのは今年が最後だ。
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  搭載されるパワーユニットは、ノーススターと名付けられた4.6リッターDOHCのV8。その性格は、意外なほどスポーティだ。STSの価格は7,350,000円。

 いまやVWグループのプレミアム・ディビジョンという位置付けにあるベントレーだが、アルナージのテイストは紛れもなく伝統的イギリス産超高級車のそれ。ヘタな格好では座るのが憚られる上質なレザーシートや、工芸品的趣のウッドトリム。そして随所に使われる金属メッキのパーツなど、インテリアは強烈な「ホンモノ感」で乗る者を圧倒する。巨体に似合わず、走りは意外なほど俊敏にしてスポーティ。特に6.75リッターのV8ターボがもたらす豪快な加速は、「免許証キラー」の資質十分。
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  インテリアは、まさに工芸品の趣。日本導入モデルは457psを叩き出すアルナージT(29,950,000円)と、405psのアルナージR(27,850,000円)。


 ふんわりした掛け心地のベンチシート(表皮は一見ビニールのような本革)やコラムシフト、暖かみはあるものの少々雑然としたインパネ等々、良くも悪くもアメリカ車らしさに溢れているのがドゥビル。ヨーロッパ車的価値基準とは明らかに別の世界にいるクルマだが、いったん馴染むと、これがクセになる快感を伴うのも事実。古典的エクステリアからは船のような乗り味をイメージしがちだが、中身はしっかりアップデート。現代的マナーは、しっかりと身につけている。
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  その巨体から想像されるほど広くはないが、絶対的な空間は十分以上となるチャビンスペース。日本に導入されるドゥビルDHSの価格は7,850,000円。
 
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