E320の4マチック・ステーションワゴンは、フルタイム4WDシステムと4ESPを組み合わせている。欧州では日本のような4WD安全神話は存在しないが、その機能を必要とする人にとっては、滑りやすい路面での走破性や危険回避性の高さは大いに役立つ。
 試乗時はウェットコンディションだったが、今回は未舗装の林道にも分け入ってみた。大きなギャップがあるとクルマへのダメージが心配されるので、往路では確かめながら慎重に走ったが、帰路では大胆にアクセルを踏み込んだ。その際、トラクション性能に不満を感じることはなく、4ESPも過剰な介入はしない。フルタイム4WDの機能だけで十分な走破性が得られることも確認できた。
 とはいうものの、ティップシフトを左に繰り返し倒して低いギアにホールドし、一気にアクセルを踏むような操作をすれば4ESPが介入する。ただ、それも一瞬のことだ。違和感をともなうような制御を意識することはない。
 サスペンションの設定は、アバンギャルドとはいっても走破性を優先している。セダンのようにローダウンサスペンションは装備せず、逆にE240のステーションワゴンと比べても最低地上高を稼ぐために車高は10mm高くなっている。しかも、サスペンションは必要以上に引き締められてはいない。むしろ、スムーズなストロークが実感でき、優れた追従性を発揮する。林道程度の不整路面であればフラットな姿勢を保ち、乗り心地は意外なほど快適だ。
 E320は動力性能についても満足できる。車重は1890kgに達しているが、その負担を感じることなく、実用域での力強さと高回転域での伸びのある加速を両立。イージーパックと呼ぶ、ステーションワゴンならではの専用装備を採用し、メルセデス・ベンツらしい実用性も重視している。
 

 E320 4マチックは、おなじみの3.2リッターV6を搭載。4WD化にともない車重は50kg増えているものの、加速性能に余裕すら感じさせるほどパワフル。10・15モード燃費は8.3km/リッター。
 通常はファブリックとレザーのコンビだが、試乗車はオプションのフルレザーシートを装備していた。室内空間はボディサイズを生かし、前後/左右ともかなりゆとりがある。


自動で上下するトノカバーやシートバック後ろの物入れなど、ラゲッジルームの使い勝手を向上させるのがEASY-PACK(イージー・パック)システム。プレステージワゴンならではといえる装備。

 Mercedes-Benz
 E55 AMG SWE320 4MATIC SW AV
■全長/全幅/全高(mm)
4880/1820/1485
4850/1820/1505
■ホイールベース(mm)
2855
■車両重量(kg)
2000
1890
■エンジン種類
V8SOHC 24V+SC
V6SOHC 18V
■排気量(cc)
5438
3199
■最高出力(ps(kW)/rpm)
476(350)/6100
224(165)/5600
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
71.4(700)/
2650〜4000
32.1(315)/
3000〜4800
■トランスミッション
5AT
■サスペンション(F:R)
4リンク:マルチリンク
Wウイッシュボーン:
マルチリンク
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:Vディスク
■タイヤ(ホイール)
F:245/40R18
R:265/35R18
225/55R16
■東京標準現金価格
¥12,500,000
¥7,850,000
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。

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