アメリカ市場でここ数年、高い人気を誇っている高級SUV。
だが乗用車と比較した場合、その巨体ゆえに燃費が悪く、彼の地では環境団体によるバッシングが起こっているほど。
2003年もさまざまなSUVが登場したわけだが――。

フォト||郡大二郎|D.Kori

――次はSUVです。今年、一番まとまって様々なモデルが出てきたのがこのカテゴリーだと思うんですが。どうですか?
熊倉  個人的な表現を許してもらおうかな。あの……このカテゴリーは気持ち遠いです(笑)。
河口  カイエンをはじめとして、トゥアレグやXC90なんか魅力的だなとは思うんですけど、とりあえずは日本に住んでるじゃないですか? さっきの軽自動車のときに出たような話もあるし、新しいプリウスも出ているし。そういう環境コンシャスなクルマを見てるとね、魅力的なんだけど、やっぱり自分では積極的には乗りたくないなと思いますよ。
熊倉  あの、この手のSUVって非常に高価なものが多いじゃないですか。こういうのってみなさん、どういうつもりで買うんでしょうね。やっぱり威圧感とか?
河口  たしかに、アメリカなんかではそうかも知れない。僕にいわせると、トゥアレグはメカニズムを考えたらかなりリーズナブルだと思うし、魅力的だと思うんですけど、どうもインテリジェンスを感じないというか……。
萩原  でもね、僕はスポーツカーを買うのと同じだと思うんですよ。つまり、ホントはスポーツカーでもいいんだけど、家族がいて……となるとスポーツカーを買うほどの贅沢はできなくて、でもセダンじゃイヤでミニバンじゃイヤで……という、わりと消極的な選択をしてるんじゃないかと思う、日本でSUVを買う人って。ウチの場合が実際そう(笑)。
――そろそろカイエンの話をしてください(笑)。
萩原  カイエンはでも……少しやりすぎですよね。ゲップが出ちゃう感じがする。だってさ、ちょっと踏むとESP効きまくり。
熊倉  たとえばさ、普通の人間でもアメリカンフットボールのギアをつけたら、強くなった気がするじゃないですか? 僕はアレと同じだと思うんですよね。
河口  それで、アメリカだとハマーH2になっちゃうんですね。
熊倉  でも遠くから見るとさ、カイエンってポルシェ・ターボが空中に浮かんで止まってるみたいな感じしない? ずっと睨み合っているうちに、ワッと飛びかかってきて噛みつかれそう(笑。
萩原  だから前のクルマがすぐ道を譲る(笑)。あの快感を味わっちゃうとやっぱりなぁ……。
熊倉  でもさ、まぁすぐにそうなるかどうかはわからないけど、ドイツなんかで「燃料にハッキリと環境税をかけましょう」っていうようなことがあるかもしれない。そうしたときに、こういうクルマのリセールバリューってのはガターンと落ちるんじゃないかと……。だってカイエンとかカイエン・ターボとかレンジローバーって、オンボードコンピュータに瞬間燃費が出るでしょ? そうすると都内では1.9km/リッターとか2.1km/リッターとかだもんね(笑)。それってやっぱりすごいよ。
 ――599万円のV6が出ます。
熊倉  うん。要するに中身はトゥアレグですよね。まだまだ人気出そうだなぁ。


 ――なんかSUVは行き詰まりみたいになってますけど……。
続いてはハリアーです。ブームのパイオニア的存在ですね。
フルモデルチェンジした2代目が出ました。
萩原  今度のは高速域でのスタビリティが結構いい。テストコースでも乗ったんですけど、リミッター付近の直進性のよさには驚きましたね。いままでのSUVって、そのスピード域での評価基準って「怖いか、怖くないか」だったでしょ?(笑) 電子制御のエアサスが、いい仕事をするんです。
――街中ではどうですか? 2.4リッターだと役不足?
萩原  いえ、そんなことはないですよ。街乗りだけなら2・4リッターで十分です。3・3リッターが必要なのは、高速を飛ばす機会が多いからどうしてもって人だけでしょう。
熊倉  僕がハリアーで注目したいのは、現行のラインナップじゃなくて……ほら、モーターショーで出ていたSU-HV1。
――ハリアーベースのハイブリッドですね。プリウスのTHSIIをさらに進化させてきた。
熊倉  うん。あれはとりあえずアメリカを向いたシステムですけど、ハイブリッドシナジードライブというソリューションを打ち出してきて、この絢爛豪華なSUVの燃料消費問題をなんとかしましょうと。パイオニアだからこそ、次のテーマとして真剣にチャレンジして欲しいと思いますね。
萩原  トヨタはそれ、わりと本気でいってますね。ミニバンも実は結構燃費悪いですし……。
――燃費は同クラスSUV平均の、約半分だそうです。
萩原  トヨタは絶対やるでしょうね、コレ。ハイブリッドのハリアー。いや、レクサスRX330。
熊倉  だって、ハリアーのコマーシャルなんて「オールラウンドウィナー」っていってるんですもん(笑)。ぜひやって欲しい。
河口  まぁインテリジェンスを感じないウンヌンいった僕も、ちょっと前まではX5を買おうかどうか、悩んでいましたけどね(笑)。
熊倉  SUVはなんでもついてて万能でしょ? というメーカーの提案。あとは使う人のモラルです。
 



PORSCHE CAYENNE TURBO
カイエンはVWとの共同開発により誕生。オンロードだけでなく、意外やオフロードの走破性もかなり高い。エンジンは4.2リッターV8ツインターボ、4.2リッターV8 NA、そして3.2リッターV6の3グレード。カイエン・ターボの東京標準現金価格は12,500,000円(問い合わせ先)。


TOYOTA HARRIER AIRS
乗用車ライクな高級SUVの先駆といえるのがハリアー。新型はボディサイズをひとまわり拡大するとともに、主に高速域での操安性を向上させてきた。エンジンは2.4リッター直4と3リッターのV6の2種類。AIRS(4WD)の東京標準現金価格は3,670,000円(問い合わせ先)。
Copyright (C) GAKKEN CO., LTD. All Rights Reserved.