フォト||郡大二郎|D.Kori

熊倉  このクルマは、セビルに代表されるFF路線に対して今度はFRになったぞ、ということがずいぶん記事にはなってたんですけど、どっちでもいいと思うんですよ。セビルはセビルが目指してきたことをちゃんと成し遂げてきたクルマで、それなりの存在感もあって僕は個人的にいまでも大好きなんだけど、CTSは「じゃあこれとクラウンと比べてどうなの?」みたいな気がしますね。もちろんよく出来てはいるんだけど、どうしてもこのクルマが思い出されて仕方ないということはないですね。むしろそれであれば、せっかくオペルという優秀なチームメイトがいるわけですから、その部品をもっと使って、全長4.7m級でチャレンジして欲しかった。
萩原  目指してる意図はわかるんですよ、ドライビングダイナミクスを大事にしたいという。そのためにFRだと。でも、いろいろな部分でまだ詰めが甘い。だから次のモデルくらいからは期待できるんじゃないかな
熊倉  だからCTSに乗ってみると、セビルってずいぶん努力したんだなって、逆に思う。
河口  僕は、説明を聞いていて、これはV35スカイラインとまったく同じ作りだと思いました。
萩原  出す順番も逆なんだよね。2シーターのXLRが最初で、次にSUVのSRXが出て、それから「実はあんなに高くないんだけど、このCTSもありますよ」という風に出すと、ストーリーが出来る。わかりにくいクルマから先に出しちゃったから、存在があいまいになっちゃったんでしょうね。

河口  乗ったんですけど、あんまり印象に残ってないですね(笑)。
熊倉  9-3はね、サーブであることが値打ちなんだよね。「サーブを選ぶ」気持ちって、俺は選ばれた少数派だぞっていう自分のポジショニングを、クルマ選びによって確認することに意義があるブランドでしょ。だからサーブであること、あるいはアウディであることというのは、その名前が最大の値打ちなんですよ。
萩原  もっとデザインやメカニズムに「らしさ」を出してもいいですよね。今度はインプレッサ・ベースで9-2が出てくるわけでしょ?9-3もベクトラじゃなくて、レガシィ・ベースで作ったらよかったんじゃないのかな。その方が独自性を打ち出せたかもしれない。スバルもサーブも、もともとは飛行機屋さんだったんだし。
熊倉  でもさ、サーブは言葉で特徴を説明しようとすると難しいんだけど、乗ってみるとそれなりにいいわけですよ。雰囲気があって。でも、ちょっと話がそれるんですけど、ここであえていっておきたいのは、キャデラックもサーブもオペルも、GM系でよくないのは「日本で積極的に売りたい」という意思が見えないんだよね。
河口  うん。メルセデスにしろBMWにしろVWにしろ、日本で認められているブランドはここ数年、一生懸命イメージを新調してますよね。それだけのことをやってるという感じがやっぱりします。
熊倉  「損して得とる」の、最初の損をしようとしないんだよね。
 


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