スイッチひとつでオープンエアを満喫でき、トップを閉じればパーソナルクーペとしても使うことができる。
そんな二面性こそ4シーターカブリオレの魅力。
ここでは、ドイツのプレミアムブランドが放つ3台の最新カブリオレを乗り比べ、現時点でベストな1台をチョイスしてみる。

リポート|佐藤久実|K.Sato  フォト|小林俊樹|T.Kobayashi


 さて、3台の細かな装備をチェックしてみよう。まず、ルーフの開閉は3台ともスイッチひとつのフルオートで、ロックハンドルもないからきわめて楽だ。開閉時間はCLKと330iが約20秒、A4が約30秒となる。
 リアシートは、ニークリアランスの広さでいうと330Ciがわずかに他の2台より広い。しかし、A4、CLKはベルトラインが高いため包まれ感、安心感が高い。また、CLKのシートはホールド性は高いが、ゆったりくつろぐというよりはタイト感が強い。とはいえ、いずれも大人がきちんと座れるスペースは確保されている。
 でも、個人的な好みでいうと、シートバックはやや立ち気味だし、オープン時の風の巻き込みなどを考えると、長時間リアシートに乗りたいとは思わない。4シーターとはいえ、パーソナルカーの意味合いが強いから、実際にはゆとりある空間、あるいはバッグなどをおくスペースとして使われることの方が多いはずだ。
 次にトランクスペース。容量でいうと、トップクローズド時はCLK、A4、330Ciの順だが、オープン時は逆となる。開口部、幅の広さでは330Ciがもっとも実用的だが、CLKは幌格納トレーの下に小型トローリーが入る高さが確保され、奥行きを使える。
 装備や機能はそれぞれに一長一短あるが、正直いって大差はなく、少なくともクルマ選びの際の決定打とはなり得ないだろう。もちろん、快適で実用性が高いに越したことはないが、走りのフィーリング、それぞれが持つ世界観の方が遥かに個性があり、魅力的である。
 さて、この3台の中からベストワンを選べという酷なリクエストには、かなり悩んだ。もはや良し悪しというより好みの違いという方が大きいくらい、どれもクオリティ、パフォーマンスに不満はない。心を鬼にして選んだ結論からいうと、ワタシのベストリコメンドはCLK320カブリオレだ。
 先代オーナーであるという贔屓目もあるが、その理由は、高速での懐の深い安定性とフラットな乗り心地。そして、クローズド時のクーペにも匹敵する静粛性だ。オープンの爽快感だけを堪能できるライフスタイルを持つ人がうらやましいが、ワタシとしてはクローズド時の快適性も重要であると考える。つまり、ライフスタイルによってもベストチョイスは変わるだろう。さらに、3台には価格差がある。バリューフォーマネーを考えればイーブンの勝負といえる。
 

■開閉時間約30秒 ■ステアリング 右

最大高2030mmとは幌の開閉時に一番高くなる位置を表したもの(編集部調べ)。3台中一番高くなるのがA4だ。足下はギリギリだが、後席は深くゆったり座れ、囲まれ感は最も高い。トランク容量はクローズ時315リッター/オープン時246リッター。トランクの天地は一番狭い。
*運転席は身長180cmのドライバーのポジションに合わせてあります。

■開閉時間約20秒 ■ステアリング 左

最大高は1990mm。高さ制限2mの立体駐車場でもなんとか幌が畳める。足下はこちらもギリギリ。後席は深く座れるが、ホールド性が高い分、サイドサポートの張り出しが気になる。トランク容量はクローズ時327リッター/オープン時233リッター。天地は低いが奥行きは広い。

■開閉時間約20秒 ■ステアリング 右/左

最大高は1840mm。高さ制限1900mmの駐車場でも開閉OK。この状態での後席の足下およびシートのゆったり感はトップ。ただし、ベルトラインは一番低い。トランク容量はクローズ時300リッター/オープン時260リッター。間口の広さなど、オープン時での荷物の収納力は高い。
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