
ニューモデルの試乗会へ向かう時には少なからず期待に胸が膨らむものだが、今回ばかりはちょっと様子が違った。
それがBMWの主力である5シリーズのモデルチェンジだからというのはもちろんだが、何より事前に配信された、 数枚の写真から受けたインパクトがあまりにも大きかったからだ。
そのダイナミックに変貌を遂げたスタイリングからは、革新への道を突き進むBMWの確固たる意志が感じ取れ、ステアリングを握る日を待ち焦がれていたのだ!
リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|望月浩彦|H.Mochizuki
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イタリアのサルディニア島。ボクにとっては初めて訪れる土地であり、BMWが用意したローマからのチャーター便に乗ってから「それってどこ?」と機内誌を開いていた。でも、機内誌の小さな地図では、島の位置はローマの西方と見当がついても大きさがつかめない。勝手に地中海に浮かぶ小島を想像していたが、着陸前に機内から見ると、そこは広大な陸地。後で調べたら、面積は四国よりもずっと大きいのだ。
そのサルディニア島の南に位置する州都のカリアリは、洒落たリゾート都市ではなく、地中海に面した港湾都市。巨大な埠頭が幾つもあり、そのひとつにレセプション会場が特設されていた。
そこでは、次期モデルの5シリーズが採用する数々の最新技術が紹介され、その体験もできる。目の前にした実車をジックリと観察するのではなく、いきなり核心に迫るような展開に少しだけ面食らったが、どうやら何らかの意図が、BMWにはあるように思えた。
確かに、感動させられることしきりであった。速度やDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)との協調制御によってギアレシオが連続可変するAFS(アクティブ・フロント・ステアリング)と標準ステアリングを乗り比べる体験では、パイロンで特設されたコースのコーナーを駆け抜けるたびに感動が重なる。標準ステアリングで操作が忙しくなるコーナーが、AFSならば低中速ではギアレシオがクイックになるため、スッと切りサッと戻す感じで済んでしまう。スラロームですら、同様のリズムで駆け抜けることができるのだ。車庫入れなどのロック・トゥ・ロックが必要になる場面を除き、ステアリングを持ち替えるような操作は不要だ。
こう書いても、読者の皆さんにはAFSの魅力が具体的には伝わらないかもしれない。そして、同じことをBMWも考えたのだろう。次期モデルの5シリーズは、見聞きすることよりも乗って確かめてこそ価値が分かると……。
ボク自身も、すでに埠頭の特設コースでは満足できず、一般道を走りたくなっていた。そこで、まず借り出したのは530iの6速MT仕様だ。エンジンは、現行モデルと同じ231psを発揮するM54型の3リッター直列6気筒を搭載。だが、次期モデルはMTもATも新たに6速を組み合わせている。そのうち、日本には6速AT仕様が導入されることになるはずだ。
ただし、最近のBMWのラインナップを考えると、近い将来にも6速シーケンシャルMTのSMGが導入されるという期待も持てる。それだけに、通常の6速MTの試乗でも現実味がある。しかも、この試乗車にはAFSと7シリーズで定評のあるダイナミックドライブを装備。さらに、18インチタイヤにスポーツサスペンションまで装備されていた。
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現時点で用意されるエンジンはガソリンが2.2リッターと3リッター(写真)の6気筒DOHC、ディーゼルが3リッターのコモンレール式直噴6気筒。やや遅れて2.5リッター6気筒が、今秋以降には4.4リッターV8も搭載予定。 |
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試乗車には17/18インチのBS製ランフラットタイヤ(オプション)が装着されていたが、欧州仕様の標準サイズは225/55R16。 |
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ヘッドライトはバイキセノン式で、今回の試乗車には未装着だったが、アダプティブヘッドライトもオプションで用意される。 |
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すでに米国仕様の7シリーズで採用されている、ブレーキ踏力に応じて発光面を拡大するブレーキングフォースディスプレイも、仕向け地に応じてスタンバイ。もちろん、米国仕様には標準装着だ。 |
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走行モードに合わせてステアリングレシオを連続可変するアクティブ・ステアリング。特に低中速のコーナリングでは驚くほど舵角が抑えられ、まさにカートのような感覚で駆け抜けられる。 |
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