
まずはエクステリアから眺めてみよう。やはり遠目には一卵性双生児のように同じだが、近くに寄れば細部の差が見えてくる。たとえばホイールデザインは、SL600にはオーソドックスな5本スポーク、SL55AMGにはレーシーなフィンスポークが与えられる。さらによく観察すると、F1タイプのデザインを持つフロントスポイラー、リアエンド左右からオーバル形状となるデュアルテールエンドを覗かせているのがSL55AMGであることが判る。
もちろん、ここまで近づけばエンブレムで両車の判別はつくが、たしかにSL55にはAMGらしいスポーティな、かつ控えめではあるが素のメルセデスとは一線を画すデザインテイストが与えられていることが見て取れる。
この印象は、コクピットに乗り込むと一層はっきりする。ベージュ系のレザーで統一されたSL600のインテリアに対し、SL55AMGのそれはグレーブラックのレザーでスポーティさを強調。さらに、スピードメーターも260km/hまでのSL600に対し、SL55AMGは330km/hまでが刻まれる。もちろんこれは、AMGの顧客の多くが、スピード・リミッターを外して欲しいという注文をするためで、ゆうに300km/hは超えてしまう最高速に対する処置でもある。

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SL600に搭載されるのは5513ccのV12SOHC36V+ツインターボ。最大出力500ps/5000rpm、最大トルク81.6kg-m/1800〜3600rpmを発揮する。一方のSL55AMGはAMGが手掛けた5437ccのV8SOHC24V+スーパーチャージャーを搭載。こちらは最大出力500ps/6100rpm、最大トルク71.4kg-m/2750〜4000rpmを発揮する。同じ500psながら、最大トルクではSL600がSL55AMGを10kg-mほど上回るが、それが両車のキャラクターを差別化するファクターには成り得ない。
V12を搭載しながらも、ラグジャリーな一面を失わないSL600とは対照的に、グレーブラックで統一されたインテリア、サイドサポート性に優れた本革製のスポーツシート、フィンタイプのデザインを採用した18インチホイールなど、スポーティさを強調しているのがSL55AMG。だが、そのテイストはあくまでもAMGのそれで、素のメルセデスの在り方を否定しない、さりげないものとなっている。330km/hまで刻まれるスピードメーター、7000rpmまでのスケールをもつタコメーターなどが、500psのV8スーパーチャージドユニットを積むことを静かに主張する。
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