カレラRSの流れを受け継ぐGT3は、レーシングユースを前提にしたロードバージョンであり、NA系ポルシェでは最速となるモデルだ。
初代がデビューしたのは'99年。それから約4年の歳月を経て、GT3の第2世代が姿を現した。最強のNA系フラット6とともに。

リポート|吉田 匠|T.Yoshida フォト|ポルシェ・ジャパン


 空冷時代のカレラRSに代わる996ベースのスパルタンな後輪駆動高性能バージョンとして、最初のGT3が世に出たのはついこの間のような気がしていたが、そのデビューは'99年春のことだから、早くも4年になる。
 初代GT3は2ロットに分けて生産されたが、その台数はクラブスポーツを含むストリートモデルが1856台、その他にカップカーが560台、RSが190台だという。こういう硬派なモデルにしてはかなり数が多いが、そこにまた、'03年後期型というべき新GT3が加わることになった。
 まずその外観だが、フロントに関しては、ベースに使われるカレラ4ボディのノーズのデザインがエアインテークを中心に初代の頃と変わっているから、新型はそれを基本として空力的に一段と洗練された形状を持つデザインとされている。ボディサイドでは、斜めに跳ね上がる鋭いエッジを持ったサイドスカートが目新しいし、新デザインの18インチホイールも明確な識別ポイントになる。
 リアに回ると、初代のU字形に対して、レーシング仕様のそれを小型化したかのようなテーブル形のスポイラーがそそり立って、只ならぬ迫力を添える。標準のカレラより30mm低い車高も、精悍な表情にひと役買っている。
 それらの結果、Cd値を初代と同じ0.30に保ちながら、前後アクスルの揚力を先代より確実に減らすことに成功しているという。
 そういった外観の変化と同時に、中身のメカニズムも先代より大幅に進化、高性能化している。
 その最初のポイントはエンジンである。同排気量、同燃料消費量のまま、初代より大きなパワーとトルクを引き出すことを目標に開発された新型GT3のエンジンは、これまでと同じく空冷フラット6から継承されたサンドイッチ構造の高剛性クランクケースと3600ccの排気量を踏襲しつつ、大幅な高性能化を実現している。
 具体的には、ピストンやバルブタペットを軽量化してムービングパーツの質量を減らし、さらなる高回転を可能にすると同時に、無段階式カムシャフト・タイミング・コントロール・システム、バリオカムを装備することなどによって、それが達成されている。
 先代GT3では7600rpmだったレブリミットは8200rpmへと大幅に引き上げられると同時に、電子制御スロットルを新採用した新しいモトロニックME7.8によって、先代と同じ3600ccの排気量と11.7の圧縮比から、381ps/7400rpmのパワーと39.22kg-m/5000rpmのトルクを絞り出す。
 それはパワーで21ps、トルクで1.5kg-mの増強に当たり、先代でちょうど100psだったリッター当たりの出力は、105.8psに達した。ポルシェのエンジニアたちが意識したはずの3.2リッターBMW・M3ユニットの105.7ps/リッターを、凌駕したのである。
 このエンジンの高回転・高出力化に合わせて、6段MTのギアレシオは5速と6速が若干ローギアードになると同時に、ギアボックスは潤滑系が改良されている。
 サスペンションは車高とスタビライザーが調整式になり、スプリングが先代より20%ほど固められた。一方、リアアクスルには駆動時40%、減速時60%ロッキングファクターのLSDが標準装備され、シャシーは全般にレーシング仕様に近づいたといえる。
 ブレーキはフロントのローター径が拡大されると同時に、モノブロックキャリパーが6ピストン化された。さらにセラミックローター採用のPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)がオプション装着可能になったのもニュースだ。PCCBを装着すると、バネ下重量を合計18kgも軽量化できるという。
 車重は1380kgとされるから、先代プラス30kgになる。
 
  より高回転化し、出力もアップしたエンジン特性に合わせ、6速ミッションの最適化が図られている。5、6速のギア比は先代の0.97、0.83よりもわずかに低められ、それぞれ1.00、0.85となっている。

  ハブカバーに「GT3」のロゴが入った新デザインのホイール。タイヤは専用に開発されたミシュラン・パイロットスポーツN2で、サイズはフロント235/40ZR18(8.5J)、リアが295/30ZR18(11J)となる。



  ブレーキは先代用をベースに改良されたもので、フロントには350mm径のディスクと6ピストンキャリパー、リアには330mm径のディスクに4ピストンキャリパーが組み合わせられる。さらにオプションとして、セラミック製のドリル・ホール付きディスクとなるPCCBも用意される。



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