公認チューンドカーが注目を集めている昨今。
この流れは、人気のミニとて例外ではなかった。
BMWとタッグを組んだのはジョン・クーパー・ワークス。
そして楽しみなことに、このチューニングキットは日本へも今年中の導入が
検討されているという!

リポート|木村好宏|Y.Kimura 市原直英|N.Ichihara(本誌)
フォト|
BMWジャパン


 ウワサには聞いていたが、ようやくスタンバイが完了したらしい。ミニのスペシャリストによるニューミニ・エボリューションが、いよいよ完成したというのだ。
 ただし、これはコンプリートカーではなく、あくまでチューニングキットとして提供されるもの。手掛けたのはジョン・クーパー・ワークス(以下JCW)。'50〜'60年代にF1やラリーなどで輝かしい実績を残し、「ミニ」=「ミニ・クーパー」と、その名を世界中の人々のDNAに刻み込んだモータースポーツ・ファクトリーがその正体だ。ミニの正統なるチューナーといっても過言ではない。
 そしてこのキットは世界中のディーラーで販売され、保障までつくというから心中穏やかではない。つまりBMWでいう「M」や「アルピナ」の様な存在ではないか!
 さて、その内容をお知らせしておくと、用意されるのはクーパー用、クーパーS用の2種類。クーパー用はシリンダーヘッド、エアクリーナー、エキゾーストシステム、そしてエンジンコンピュータのプログラムがオリジナルとなる。クーパーSはこれに専用スーパーチャージャーが加えられている。



 冒頭からなんだが、それがターボであれ、スーパーチャージャーであれ、昔から過給機付きエンジンが好きでなかったリポーターは、クーパーSよりもクーパーの方に興味を持っていた。
 さて注目のエンジンだが、1。6リッターのままシリンダーヘッドを変えて圧縮比を上げ、さらにハイリフトカムの採用と吸排気系の見直しを行ない、最終的にコンピュータを適正化した結果、最高出力は116ps/6000rpmから126ps/5750rpmへ、最大トルクは15.2kg-m/4500rpmから15.8kg-m/4700rpmへと向上している。
 マイク・クーパー氏によれば、この結果、スタートから100km/hまでの加速は9.2秒から8.9秒へ、そして最高速度は200km/hから204km/hへとそれぞれ改善されているという。
 クーパーSとの一番の違いは、やはりパワーの展開に澱みや唐突さがなく、すべてがスムーズなところにあった。確かにノーマルとの10 psのパワー差は、通常のドライビングでは感じ難い。それでもトップギアで80〜90km/hくらいからの追い越し加速などでは、若干だがトルクの増加が感じとれる。そして、ノーマルとの決定的な違いはその吹け上がりだ。
 特に4000rpm付近からの伸びが鋭い。さらにノーマルには回転落ちを押さえるためのスロットル・ダンパーがあるのだが、JCWミニではこれが外されているから、アクセルレスポンスがシャープこの上ない! ちょっとノーマルでは物足りなかった、ホットハッチらしい回して楽しむ感覚に満ち溢れているのだ。
 問題は価格だろうか。数値上はわずか10 psのために3000ユーロ(約40万円)の投資を覚悟しなければならない。ただし過給器がお嫌いなら、ノーマルクーパーSより絶対にこっちだ。(木村好宏)
 
シリンダーヘッドを交換して圧縮比を高め、パワーアップを実現。最大出力は116psから126psに、最大トルクは15.2kg-mから15.8kg-mにそれぞれ向上する。写真下はクーパーS。こちらはスーパーチャージャーにまで手が入り、163psが200psに、22.3kg-mが24.5kg-mというスペックに。どちらにもさりげなくJCWのステッカーが貼られている。

  試乗車は純正アクセサリー装着車。したがって、これはJCWのパーツではない。左側のエンブレムだけがJCWオリジナルだ。
  グッドウッド・サーキットからほど近いウエストサセックス・イーストプレストンにJCWはある。オフィシャルチューナーらしく、小綺麗なディーラーのような雰囲気。
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