|
 |
 |
 |
 |
すでに社会的に成功していて、周囲からもそう認識され、スポーツカーの所有経験もある。中にはそういう人もいるはずだ。何台かのスポーツカーを乗り継いだ人にとって、走りにこだわるとついにはチューニングに至るという深い深い世界が待っている。
ただ、スポーツカーを所有する価値は、走りだけではない。スポーツカーという存在自体が、実は強いオーラを放ち、見る者の多くを魅了したり驚愕させたりする。このTVRサーブラウは、そうしたオーラがモノスゴク強い。
そもそもTVRは、年間の生産台数が1000台に満たない、バックヤードビルダーから発展したイギリスのスポーツカーメーカーだ。いまも、志はバックヤードビルダーのままであり、他を参考にもしないし、されもしない完全オリジナルモデルを、ほとんど手造りで生産している。
サーブラウを見れば、比類なき存在であることは明らかであり、否応なしに周囲の目を引きつけずにはいられない。スタイリングだけではない。インテリアがまた奮っている。インターフェイスが独自であり、エンジンをスタートするという単純な操作さえ、レクチャーを受けなければ謎解き(その前に乗り込むことができないが)となる。そうした操作をさり気なくこなし、周囲から「エッ、いまどうやったの」と不思議がられるとき、サーブラウのオーナーは密かな歓びを感じるのだろう。
TVRは、あえて常識に逆らっているようなところがあるのだ。エンジンにしてもそうだ。TVRの規模でエンジンを自社開発したり、V型8気筒エンジンのバンク角を75度にしたりと、あくまでも独自性にこだわっている。
それだけに、サーブラウのアクセルを踏み込むと「コレってV8なの……」を疑いたくなるほど、いい意味で荒々しい。モーターのような吹け上がり感がV型8気筒の常識だとするなら、サーブラウのエンジンは非常識だ。その理由がバンク角にあることは間違いなく、理論的にゼロ振動になる90度ではなく75度にしている。
つまり、エンジン回転がガーッと上昇し、バリバリッと下降することも、そのときに感じる蹴飛ばされたような加速感と殴られたような減速感も、すべてTVRによる確信犯的な設定なのだ。
こうして文字にすると、とんでもないクルマに思えるかもしれないが、この強烈なアクこそがサーブラウの本領なのである。ただ、ハンドリングやスタビリティは、超高性能なスポーツカーとしての常識を外していない。このあたりは、絶対的な速さに対する裏付けとなる。それは、ポルシェのように万全の保険にはないっていないが、最高速度の304km/h以上というスペックを機会があれば試したいと思う程度のシャシー性能は確保している。
|
 |
|
| |

 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
低さを強調するエクステリアも十分に個性的だが、それに負けず劣らずのインテリアもサーブラウならではといえる持ち味のひとつ。事前に予習しておかないと、エンジン始動はおろか、中に入ることすらできない。一応、4シーターだがリアは完全なプラス2。 |
|
 |
 |
 |
バルクヘッドにめり込むようにマウントされるのは、TVRオリジナルのAJP8ユニット。75度という特異なVバンクが与えられたオールアルミ製SOHCの8気筒で、豪快なフィールが持ち味となっている。 |
|
 |

 |
| ■全長×全幅×全高=4280×1865×1220mm |
 |
| ■ホイールベース=2566mm |
 |
| ■車両重量=1100kg |
 |
| ■エンジン種類/排気量=V8SOHC 16V/4475cc |
 |
| ■最高出力=420ps(317kW)/6750rpm |
 |
| ■最大トルク=52.7kg-m(515Nm)/5500rpm |
 |
| ■トランスミッション=5MT |
 |
| ■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン |
 |
| ■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク |
 |
| ■タイヤサイズ(F:R)=225/35ZR18:255/35ZR18 |
 |
| ■東京標準現金価格=10,800,000円 |
 |
| 問い合わせ先 |
 |
| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
|
|