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社会的に成功したら、まずはスポーツカーである。誤解を恐れずにいえば、女性はこうした象徴的な選択をあまりしなさそうだ。頑張ってきた自分へのご褒美として、日常の中で少しずつ何かを手に入れているように思う。だが、一般論として男は常に成長を続けることが生き様になっている。それだけに、自分へのご褒美ではキリがなくなる。仕事の節目に夜遊びでもすれば、それで満足することが多いのではないだろうか。
したがって、成功体験が持てたときには、象徴的な選択がしたくなるはず。その場合「ベンツ買っちゃった」では、単に懐具合に余裕が出てきただけであり、たとえばCクラスなら焼き肉屋で特上カルビをためらうことなく注文できるようになるぐらいのこと。
ところが、スポーツカーはワケが違う。少しぐらい懐に余裕があっても、簡単には所有できない。独身であればどうにかなるのだろうが、家族を持っているとかなりの困難をともなう。リポーター自身も「スポーツカーが欲しい熱」が高まることがあるが、家族の前でそれを口にしたことがないというか、懐的にできないでいる。
気兼ねなくスポーツカーを選択できる人は、家族の了解など必要ないだけの自由になる懐があるいうことだ。やはり、成功した人でなければスポーツカーは持てない。あるいは、自分のわがままを通せる人かのどちらかだろう。まぁ、元々の資産家とか他にもイロイロとあるだろうが……。
さて、リポーターは成功体験を持っていないので想像の域を出ないが、スポーツカーを選択できる立場になったとき、まず思い浮かぶのは定番ブランドのポルシェではないだろうか。フェラーリは定番であっても、それなりの腕を要求する。最近では、走らせるだけなら誰にでも乗れるようにはなった。だが、それでは実力の5分の1も使ったことにならない。
一方、ポルシェは、スポーツカーであっても乗る人を選ばない。選ぶ側は、多少なりとも「オレでも運転できるかなぁ」ぐらいの心配はするだろうが、営業マンから「大丈夫ですよ、ティプトロもありますから」と説得されるはず。実際、販売されるポルシェの大半はティプトロニック仕様だ。
あるいは、少なからず腕に自信を持っている人は、RRの911カレラではなく4WDのカレラ4とか、さらにはいきなりターボとかに乗ってしまいそうだ。そうした選択がアリなのは、ポルシェならでは。絶対的な速さに対して、必ず裏付けがともなっている。
さらに、スタイリングを気にする人もいるだろう。ならばリアフェンダーのフレアを大きくしたターボ的迫力を持つカレラ4Sを選べばいい。そうしたニーズに合わせたモデルを用意していることも、ポルシェの特徴である。
しかも、見かけ倒しではないところがポルシェらしい。今回用意したのもカレラ4Sだが、295/30R18サイズの超ワイドなリアタイヤを持て余すことなく、4輪から伝わってくるグリップ感は完璧にバランスしている。このあたりは、911に生まれて初めて乗った人でも分かるはず。スポーツカーに接するときの第一印象としてもふさわしく、それでいて余計な緊張感を抱かずに済む。
グリップ感といっても、限界付近の話をしているわけではない。フロントからは、ステアリングを切ったときのハンドリングの正確さ、リアからはアクセルを踏んだときのトラクションの伝達感が実感できる。誰もがここで表現した具体的なイメージを持てるわけではないが「やっぱりポルシェっていいな」といった判断に結びつくことは間違いない。
同じ911でも、カレラの場合にはフロントからの実感がやや薄らぐが、リアからの実感は逆に強くなる。それもまた、ポルシェらしさとして印象づけられる。そして、スポーツカーを所有したことの満足感を際立たせるはずだ。
ちなみに、もしリポーターが成功したらまずカレラを選択する。ポルシェの本質を理解するには、リアエンジンならではの走りを先に味わった方がいいからだ。それを十分理解したうえで、次の選択を考える。その楽しみを残しておきたいし、ステップアップしたときの満足感も高くなると思う。
エンジンはもう、何の説明もいらない。ポルシェの営業マンも、アクセルを踏んでみることを勧めるだけではないだろうか。力があるとか応答性が鋭いとかいう次元を超越し、超精密な機械を所有する歓びが得られるのだ。この感覚こそ、成功の証としてポルシェという象徴的な選択をしたとき、最大のご褒美になることを請け合う。
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| カレラ4のターボルック、というよりNAエンジンを載せ専用ウイングを取り払ったターボという風情のカレラ4S。ブレーキもターボ譲りで、ディスク径はフロント330mm、リア299mm。タイヤは前後18インチ。インテリアは装備こそ充実しているが、基本的にシンプル。 |
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例によってフードを開けてもエンジン本体を拝むことはできない、スポーツカーとしては無愛想なエンジンルーム。リアバンパーのエアアウトレットが、かろうじて“らしさ”を演出している。
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