最近は、家族を持たなくても男の肩身は狭い。独身でもミニバンやSUVに乗る人が少なくないことを考えると、やはり誰かのためのクルマ選びをしているのかもしれない。そうした和気あいあいの場面にこそ男の世界を見い出す人がいても不思議ではないが、独身の時にしかできない何かがあることは忘れない方がいい。
 そこで、常識的な選択をすればスポーツカーということになる。だが、その選択ができる人は、そもそも男の世界がどうのこうのなどとは考えないだろう。もう、勝手に遊んでください!
 ココで踏まえておかなければならないのは、男の世界への扉は走りだけが開けるわけではないということ。たとえば、趣味のためのクルマ選びという切り口があってもいい。リポーターなんぞ、趣味があるというだけでその人のことをうらやましく思う。いまのところ飲んだくれること以外には思い当たらないので、趣味のためのクルマ選びもあったものではない。
 またまた話が脱線したが、いくら趣味のためのクルマ選びといっても商用バンでは困る、というか本誌の記事にはならない。そこで注目して欲しいのが、ルノー・カングーだ。見るからに、趣味のためのクルマ選びをしていることが感じ取れ、遊び上手な男の世界を内面から発散させる。このクルマを見かけたら、ラゲッジに何が積んであるのか覗いてみたくなる。
 まさに道具であり、位置づけはチョット豪華な国産商用バンと変わらないが、乗ってみるとイイ味を出していたりする。75psを発揮する1.4リッターの直列4気筒エンジンは、実用上十分な性能を確保し、1180kgという重めのボディを意外なほど活発に走らせる。高速域ではそれなりにエンジン音が聞こえてくるが、音質的に耳に障らず気にならない。
 しかも、乗り心地が快適なことが特徴だ。シートのクッション感とサスペンションのストローク感が絶妙なマッチングを示し、長距離を走っても疲れない。車高が高い割にはロール感が少なく、高速域のスタビリティも高い。上手に遊んだ後にカングーに乗って帰っても、それはそれで心地よかったりもするクルマなのだ。


 
 
見ているだけでも楽しいが、使えばもっと楽しいカングー。背高ノッポの5ドアボディは、リアの両サイドドアともスライド式で使い勝手は抜群。室内にはフタ付きのオーバーヘッドコンソールをはじめ豊富に収納スペースが備わり、あらゆる用途に対応。エンジンは1.4リッターのみだが、フラットでしなやかな乗り心地はフランス車ならでは。



■全長×全幅×全高=3995×1675×1810mm
■ホイールベース=2600mm
■車両重量=1180kg
■エンジン種類/排気量=直4SOHC8V/1389cc
■最高出力=75ps(55kW)/5500rpm
■最大トルク=11.9kg-m(114Nm)/4250rpm
■トランスミッション=4AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トレーリングアーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ=175/65R15
■東京標準現金価格=1,750,000円
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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