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そういう意味では現代のアウディも、ドイツ流エンジニアリングの夢の絵巻といえる。諸元表を抱いて寝たいほどのクルマなど、アウディの他にはほとんどない。近年のモデルは、まるでスペックを盛り上げたいがために設計を考えたとすら思える。
たとえばエンジン。かつては5気筒にもこだわったアウディだが、最近のこだわりは気筒当たり5バルブ。実はこれには賛否両論があり、開弁時の総カーテン面積さえ確保できれば十分だし、機構的に複雑化するデメリットもあるという見地から4バルブ派の方がはるかに優勢なのが現状だ。メルセデスなどはAMG仕様に至るまで排気バルブまわりの保熱(触媒効果を高めるため)のため3バルブに戻したほどだ。しかしアウディは理論上の優位性を主張し、それを確実に作れる技術面の優秀さを強調する意味もあって、あえて5バルブを貫き通している。
この他にもアウディは、かつてフルタイム4WD量産化の口火を切ったのをはじめ、今でもトルセン・センターデフを主体として4WD路線を押し進め、ついにはメルセデスまで4WD戦線に引っ張りだしたのは記憶に新しい。さらに最上級セダンのA8と先進的な小型セダンA2では革新的な総アルミボディ(ASF)まで量産化している。
そのうえで、これら濃すぎるほどのメカニズムをそれぞれ単独で感じさせることなく、たとえようもないほどの滑らかさで包んで一体化しているのが、アウディの真骨頂ともいえる。たとえば今回このページに登場しているのは、アッパーミドルセダンA6をベースとした超高性能仕様のS6で、本来V6でいっぱいなはずのエンジンルームに上級のA8(S8)の4・2リッターV8を詰め込んでしまったモンスターなのに、そんな熱さや強引さを毛ほども感じさせない仕上がりになっている。もちろん、結果としてはクワトロシステムの恩恵にもあずかって、完璧に近いフールプルーフさも誇る。みぞれ降る冬の峠などでS6より速く快適に走るには、はるかに高価なS8を起用する以外にない。
もちろん、ここに取り上げた4種類のほかにも、たとえばVWアウディ・グループの特異な狭角V型5〜12気筒をはじめ各種の新世代コモンレール・ディーゼル(腰を抜かすほど速い)、あるいはポルシェに代表されるターボなど、ドイツ自動車界にはあらゆるエンジンが顔をそろえている。特に最近ことさらエンジンに対するこだわりが深まったようでもある。それは技術の先導者としての誇りの表現であると同時に、クルマの貴重な属性である速さをいかに実現するかに向けての真摯な挑戦が、まだまだ続くことをも意味しているのだろう。
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| Type:8 Cylinders in Vee DOHC 40valves
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| Engine management:Bosch DME7.0
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| Capacity:4172cc
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| Bore×Stroke:84.5×93.0mm
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| Compression ratio:11.0:1
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| Max output:340ps(250kW)/7000rpm
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| Max torque:42.8kg-m(420Nm)/3400rpm
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
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投入されたテクノロジー(物量)を考えれば、さりげない風情が最大の特徴といえるS6。ユーティリティ的に申し分ないセダンボディ(全長×全幅×全高=4845×1850×1450mm)と洗練されたクワトロシステム、というアウディならではの組み合わせはライバルに対する大きなアドバンテージといえる。本国には、さらにパワフルなRS6もラインナップされる。価格は8,700,000円。●問い合わせ先
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