
どうやらアウディは、このニューS4でいよいよ果てしないパワー競争に打って出たようだ。
何しろ鼻先に収まるパワーユニットは4.2リッターV8で344psを発揮。 ということはつまり、後に控えるさらなる高性能版、RS4の400psオーバーはほぼ確実といえるではないか。
覇権獲得へ向けて、アウディの技術力が一気に動き出した!
リポート|木村好宏|Y.Kimura フォト|H.D.ゾイフェルト|H.D.Seufert
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新しいアウディS4のスペックを見て、驚かない人はまずいないだろう。Dセグメントの4ドアサルーンにV8を搭載するなんて仕業は、これまでAMGやアルピナなど少数のスペシャリストに限って敢行された例はあるが、量産車ではまず考えられなかったことだ。これは、アウディの新社長であるドクター・ヴィンターコーンが、同社のスポーティエレガントというブランドイメージを、これまで以上に明確にアピールしていこうという強烈な意思表示といえる。
とはいえ、このニューS4、アピアランスはいたって控えめ。ボンネットフードが盛り上がっているわけでもなく、アゴが前方にせり出しているわけでもない。4..2リッターV8を搭載している事実は、外観からはほとんど確認できないのだ。A4との違いを列記すると、バンパー下に大きく口を開けたエアインテーク、18インチの235/40Rタイヤとそれを覆うオーバーフェンダー、そしてスポーツサスによって20mm低く身構えたフォルム、トランクリッド上のリップスポイラー、リアエンド左右から突き出たエキゾースト程度。もちろん、Sシリーズ共通となるクロームメッキ仕上げのドアミラーも装着されるが、`羊の皮を被ったオオカミa度は、他の高性能サルーンと比べてもかなり高い。限りなくA4のエレガントな装いが、そこに留められているのだ。
ところで、全長4・5m強の4ドアサルーンにV8ユニットを載せるという作業は、そう簡単なことではない。アルピナやAMGは、これまでエンジンルームに大幅な変更を加えてそれを可能にしてきた。しかし、アウディの場合はエンジンそのものに目を付けた。まず、カム駆動用に使われている幅広いコックドベルトの代わりにチェーンを採用。さらに、この駆動システムを後方、つまりエンジンとギアボックスの間に押し込むなどして、V8ユニットの全長を52mm短くすることに成功しているのである。もちろん、補器類の見直しも行なってはいるが、エンジンルーム内を見る限り、まったく無理なく収まっているのが分かる。
同時に、スポーツユニットとしての性能アップも追及し、ピストンやコンロッドの軽量化を図った結果、ストロークが短縮されて排気量は4163ccへとわずかに縮小。さらに可変カムシャフト・コントロールを搭載するなどして、最高出力は344ps/7000rpm、最大トルクは41.8kg-m/3500rpmを発揮するに至っている。パワーに限ればニューA8の4.2リッターV8を上回るだけでなく、面白いことにライバルとおぼしきBMW
M3のそれをわずか1ps(!)ながらも凌駕する。エンジニアのニヤリとした顔が目に浮かぶようだ。
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14.2リッターV8ユニットはA4のエンジンルーム内に収めるべく徹底して軽量コンパクト化。さらに、ほぼ全般に渡ってチューンを施すことで、344psと41.8kg-mを獲得するに至っている。 |
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17インチの6スポークアルミに組み合わされるタイヤは、前後とも235/45Rのロープロファイル。ブレーキも強化され、ローターはフロントが345mm、リアが300mmへと大径化。 |
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アピアランスはいたってアンダーステートメント。トランクリッドのリップスポイラーや、わずかに膨らみを増したオーバーフェンダーが、あくまで控えめに高性能を伝える。 |
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運動性能はまさにオールラウンダー。スタートダッシュではライバルたちにやや遅れをとるものの、その軽快な身のこなしは重量ハンディを微塵も感じさせない。 |
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