
ドイツのプレミアム・ブランドを中心に、高級SUVのリリースが相次いでいる昨今。世界的に見れば、もはや高級車=セダンという図式は絶対ではない。
それは、今年生まれ変わったこの2台を見ても明らかだ。
リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|望月浩彦|H.Mochizuki |
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レンジローバーに乗って、ラグジャリーカーの気持ちよさを初めて理解できたように思う。これまでは、機能にしても雰囲気にしても、クルマそのものを評価してきた。だが、人はそれぞれに固有の波長を持つという。そして、それがクルマの波長と同調したときにこそ、たとえようのない気持ちよさが味わえるのだ。
もちろん、状況に応じて人の波長は変わるわけで、自分を振り返えるとそれはかなり短い周期になっていることが多い。つまり、リポーターはクルマに乗るとイケイケモードに入りがちなのだが、レンジローバーに乗って初めて別の波長があることに気付いたのだ。
単なる移動をするときは、運転の意識レベルも低下するためクルマの印象はほとんど残らないものだが、レンジローバーは違う。それこそ、混雑した市街地を走っていても気持ちがいい。イライラしないどころか、穏やかな気持ちにさえなれる。
快適なことは確かだが、レンジローバーはすべてにおいて長い周期の波長を持っている。エンジンの鼓動、ATが自動変速するときのトルク変動、セレクターのストローク、ステアリング操作に対する応答性、深みのあるブレーキの踏み応えと制動力の立ち上がりの関係などが、独特の波長で整えられている。それと、自分の波長が同調するときに本物の穏やかさが得られ、「もうマイッタ!」と口にしたくなるような気持ちよさが実感できるわけだ。
そして、インテリアの雰囲気やシートの厚みに至るまで、同じ波長を感じるようになる。それでいて、走りが間延びしていると思うことがない。あらゆる操作に対する応答性は素直であり、機能的な奥行きの深さも感じる。
クルマに乗っているときの波長を意識すると、メルセデス・ベンツの本質も見えてきた。特に、Eクラスはプロのスポーツ選手に好評を得ているようだが、クルマで移動するときと活躍の場とでは波長が異なるはずだ。
リポーター自身の活躍の場は、クルマの乗るときだ。その波長を前提にして、クルマを評価してきた。だが、プロのスポーツ選手に限らず、活躍の場というか「本番」は別にある人が意外と多いのではないだろうか。そういったときに、メルセデス・ベンツはとても気持がいい。本来、圧倒的な速さを誇るはずのE500でさえも、穏やかな波長の中で刺激をいい意味で拡散できる。
最新のエアマチックDCにしても、リポーターの波長では制御感がどうのこうのと機能を意識してしまうが、多くの人はそうではなさそうだ。クルマのムダな動きが抑えられることで、安心してアクセルが踏み続けられる。そして、目的地まで到達したときには、移動の過程が意識の外にある。プロのスポーツ選手であれば、その瞬間から本番の波長に乗せられるわけだ。
たとえば、ここでは取り上げなかったがBMWの5シリーズであれば、同じラグジャリーカーでも別の結果をもたらす。クルマに乗っているときが本番であり、そのときの波長が5シリーズと同調することに気持ちよさを感じる人が多いと思う。移動の後も、意識の中に走りの余韻が残るに違いない。
このクラスになると、開発に際して乗る人の波長までも意図しているのだろう。レンジローバーのように、その波長を変えてしまうクルマさえある。
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| 先代W210のアイコンを残しつつも洗練度を増したボディに、SクラスやSLで採用されたハイテクを進化・吸収、額面どおりの正常進化を遂げたEクラス。3.2リッターV6エンジン搭載のE320は豪華版のアバンギャルド仕様で、さらにスポーツパッケージとしてダンピングフォースとバネレートを可変制御するエアマチックDCもチョイス可能。E320アバンギャルドの価格は7,100,000円。(問い合わせ先:ダイムラー・クライスラー日本) |
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| 約8年ぶりのモデルチェンジで3代目へとスイッチした高級SUVの代名詞。開発過程のかなりの期間にBMWエンジニアリングが関与したこともあり、オン/オフ問わぬ走破性は一段とレベルアップ。エンジンはBMW製4.4リッターV8で、フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンとなるサスペンションには電制エアスプリングが組み合わされる。VOGUEの価格は9,850,000円。(問い合わせ先:ランドローバー・ジャパン)
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