パリ・サロンでショーデビューを果たしたアルファ147GTA。
そのインターナショナルの試乗会がこのほど、バロッコにあるフィアットのプルービンググラウンドを拠点に行なわれた。
このクルマの情報を心待ちにしていただろうアルフィスタに、まずはファーストコンタクトの印象をお伝えする。

フォト&リポート|小倉正樹|M.Ogura(本誌) 
フォト|フィアット・オート・ジャパン

 コイツは相当カッコイイと思う。147はノーマルでも十分魅力的といえるが、それに迫力といったものが加わっているのだからタマラナイ。
 ノーマルとの相違点をざっと挙げてみると――。
 フロントは、3.2リッターのV6エンジンの熱量をクリアするため、バンパー下のエアインテークが拡大され、アルファの盾の左右に小さなインレットが追加されている。前後のフェンダーはさりげなくだが確かに膨らんで、サイドスカートには、フロント側にGTAの構成要素のひとつ、エアアウトレット(ダミー)が設けられる。膨らんだリアフェンダーに合わせて大型化されたリアバンパーは、これがまたディフューザーを思わせる大胆なデザインを採用する。こういってはなんだが、147GTAは、156GTAより数段モディファイが巧みだと思う。
 走り出しての印象も、すこぶるイイ。 驚いたのは乗り心地のよさだ。225/45R17というロープロファイルを履くのに、角が取れたまろやかな乗り心地。これで250psのパワーに対応できるのかと思うほど、快適なのである。後でフィアットのテクニカルスタッフに聞けば、147GTAはハッチボディの前後重量配分の差の大きさから、156GTAよりも柔らかいセッティングを行なっているとのこと。もともと147は、156より乗り心地がよいとされるが、それはボディ剛性が後発の強味でより高くなっているため。それに加えて、柔らかめのサスが与えられているのだから、乗り心地がいいのもうなづけるというワケだ。
 今回の試乗会の拠点は、バロッコにあるフィアットのプルービンググラウンドだが、そこのテストコース自体は使えず、残念ながら近くの公道のみの試乗。設定されていた試乗コースにワインディングなんてものはなく、とてもハンドリングをウンヌンするワケにはいかないが、それでも156GTAに対してはかなり扱いやすくなっていることが分かる。
 3.2リッターの重いエンジンを鼻先にぶら下げているにもかかわらず、ノーズはステアリング操作に対して素直に反応する。コーナリング途中でアクセルをオフにしても、急に切れ込んでいくということもない。操作に対してリニア、しかし、非常に安定しているのだ。プルービンググラウンドのテストコースを使った同乗試乗では、テストドライバー氏がリアをわずかに滑らせながらの絶妙なコーナリングを披露してくれたこともあって、リポーターのこうした印象は確信に変わった。
 走りに関係する電子デバイスで、147GTAと156GTAの唯一の違いは、147GTAには166の3.0と同様のVDC(ビークル・ダイナミック・コントロール)が装着されていること。これは147GTAの場合、価格が幾分安くなることもあって、ユーザーの年齢層が比較的若くなると考えられたため。いいかえれば運転が未熟である可能性大ということだが、いわばこれはアルファの親心だ。もちろん、ABSにはEBD(エレクトリック・ブレーキフォース・ディストリビューター)が付くし、セルフ・ロッキング・デフに似た役割も果たすASR(アンチ・スリップ・レギュレーション)も標準装備とする。万全の体制で、ドライバーのスポーツドライビングをバックアップするのだ。
 したがって、156GTAとまったく同じスペックのV6をブン回し、6速マニュアルミッションを駆使する運転が、楽しくないワケがない。もうアウトストラーダでは、無敵の存在。0〜100km/h加速が6.3秒、0〜1000m加速が26.1秒というデータは伊達ではなく、それこそ200km/h以上の高速域へもアッという間に到達する。まるで弾丸! それ以上になると、ハッチボディの空力面の不利さが出て、246km/hとされる最高速までにはやや時間がかかるものの、実現できる速度であることは容易に想像がつく。
 いまや唯一、アルファの伝統を受け継ぐV6ユニットは、やはり秀逸。エンジンの回転上昇を細かく観察すると、2500〜3500rpmで一旦トルクの落ち込みが感じられるものの、それ以上の回転域では目が覚めるような素晴らしい吹け上がりぶりを示す。やはり大排気量の恩恵か、6速で2000rpmからであってもむずがることなく加速するフレキシビリティもあるが、コイツに乗ったら回転数を低くとどめて、おとなしく運転するのは至難のワザだ。かなり低めになってはいるが、官能的なサウンドは健在で、これが聞きたいがために、ついアクセルを踏み込んでしまうのだ。
 147GTAの登場で、アルフィスタの悩みはさらに深刻(?)なものになったと思う。ETCCで活躍する156GTAのスーパーツーリング的イメージをとるか、これまでのアルファの歴史にはなかったものの、非常に魅力的な147GTAのウルトラハッチというキャラクターをとるか。どちらもパフォーマンス面は十二分。さてさて、あなたならどうする?


  ALFA ROMEO ALFA 147 GTA
■全長/全幅/全高(mm)
4213/1764/1412
■ホイールベース(mm)
2546
■トレッド(前/後)(mm)
1516/1504
■車両重量(kg)
1360
■エンジン種類
V6DOHC24V
■排気量(cc)
3179
■最高出力(ps(kW)/rpm)
250(184)/6200
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
30.6(300)/4800
■トランスミッション
6MT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
ストラット/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)
225/45ZR17(7.5J)
■東京標準現金価格
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
レーストラックのパフォーマンスを毎日楽しめるように、がコンセプト。

ホットハッチというにはスゴすぎる。
あえていうならウルトラハッチだ!!
  GTAであることを主張するのは、この300km/hまで刻まれたスピードメーター。ちなみに、タコは7100rpmあたりからがレッドで、8000rpmまで刻まれる。
  ダッシュボードの造形は変わらず。ステアリングのグリップ部がフルレザーとなり、写真では見えないが、ABCペダルおよびフットレストがアルミ製に変わっている。
156GTAと同様、フロントシートはサポート性を重視した、サイドの大きく張り出したものに代わっている。このシート、大柄で、我々日本人には身に余って、見た目ほどサポート性は高くない。フォトのツートーン・レザー仕様はオプションとなるもので、スタンダードはクロス地だ。
  全長は4170mmから4213mmに、全幅は1729mmから1764mmに。車高は走行可能な状態で18mm下がっているとのこと。が、サス・ストロークでは12mmの減少にとどめ、さらにバンプラバーを固めているとのこと。7.5J×17のホイールは5ホールタイプも用意される。
  ヘッドランプはレンズ以外の部分がブラックとなるもので、盾の両サイドの小さなエアインテークとともに、アグレッシブさを打ち出す。精悍な面構え。
  最高出力250ps/6200rpm、最大トルク30.6kg-mという性能を発揮する、アルファ伝統のV6ユニット。6速3000rpmでちょうど100km/hだから、最高速246km/hは確実だろう。
  拠点は、ミラノとトリノの間にあるバロッコの、フィアットのプルービンググラウンド。写真のクルマは、第2世代コモンレールDターボを搭載する1.9JTD16V。



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